この文庫本は次女が日野台高校にいたころに、大河ドラマで新選組を放映していて、土方歳三、近藤勇、沖田総司等の志士が日野、八王子、府中あたりが地元だったことから、特に土方ファンになり買った本。それ以来ずっと本棚においてあったのだが、読むこともなくほおっておいたが今回の緊急事態宣言で図書館も閉館となり面白そうな本がないかと見ていて手に取った。

 

京の町で、薩長土の討幕の志士たちを粛正した新選組の組長、近藤勇は慶応四年四月二十五日板橋宿にて断首。同年五月三十日、沖田総司は千駄ヶ谷の納屋にて結核で他界、土方歳三は明治二年五月十三日、函館戦争にて腹部に銃弾を受け戦死。幕末の動乱の世に、元は武士ではなかった彼らが命をかけて討幕の志士と戦った新選組の戦いと生きざまは後世に多くの新選組ファンを作ることになる。

 

明治初期は、新選組の志士たちは新政府樹立に反逆した者として、その行いすべてが否定されていたものの昭和になり、数々の作家たちの研究により彼らの名誉ある行動が明らかになる。それら新選組に関する数々の作家たちの取材リポートがこの本に凝縮されている。

 

土方歳三の生涯を綴った小説 「燃えよ剣」 司馬遼太郎著 が映画化されると聞いているが、彼らの剣豪ぶりと純粋でぶれない戦い方、そして悲運の生涯を、史実に基づきあらためて知ることのできる文庫本だ。