九番 明星山 明智寺 臨済宗

明智寺は国道299沿いの小さなお寺。直接境内の中に車を駐める。創建は建久2年(1191年)と言うが、明治16年の落雷により消失し1990年再建された。

天正の頃、盲目の母の目が見えるようにと、少年が観音堂にこもり、一心に祈ったところ翌朝母の目から闇が消えたと伝えられている。

御詠歌 めぐり来てその名を聞けばあけち寺 心乃月はくもらざるらん

 

十番 万松山 大慈寺 曹洞宗

大慈寺は小高い丘の上にあり、急な階段を上って行く。階段手前で大きな石仏が迎えてくれる。

境内は狭いが歴史を感じさせるたたずまい。本堂には朱色の尾賓頭盧様像が目を引く。こちらの像も病んでいるところをなでると快癒すると言い伝えられているが、コロナ渦の今、なでることはできない。

 

一人の巡礼者が本堂前で納経帖を手に、お経をあげていた。私は納経させていただく。参拝者も多かったので本堂の写真はない。

御詠歌 ひたすらにたのみをかけよ大慈寺 六乃ちまたの苦にかわるべし

 

十一番 南石山 常楽寺 曹洞宗

常楽寺は国道299号沿いのお寺。明治11年の秩父大火により全てを消失したという。小高い山の中腹に位置していて、国道を爆音を響かせて走るバイクの音がよく聞こえる。

こぢんまりとした本堂は明治30年に再建されたものと言う。元は天台宗だったこともあり正月三日には、縁日が開かれ賑わうという。

御詠歌 罪科もきえよといのる坂氷 旭はささでゆうひかがやく

 

車に戻ると14時を回っていた。今日の巡礼はここまでとし再び山伏峠で帰ることにする。今日は終日バイクと自転車が多く、抜く気のありそうなバイクが後ろに着くと道を譲った。老若男女あらゆる人が休日の秩父を楽しんでいた。

 

                                                     6月12日(土)