日も傾き始めたころ四番、金昌寺に着いた。ここは十数年前に妻とお参りしたことがあるお寺。門前の大きなわらじが有名で、観光雑誌などにも度々紹介されているお寺だ。

正面に面した細い通りにお地蔵様が並んでいる。

金昌寺は千三百余体の石仏があることでも有名。山門をくぐると右手に札所がありそこで御朱印をいただく。観音堂はそこから石仏が並ぶ道を登って行く。一つ一つの石仏の表情を見ながら歩くのも楽しいもの。たくさんの石仏のなかには自分に似ているものもあったりする。以前妻と来たと時にはそれぞれの石仏の前で会話も弾んだものだ。

坂道を登ると観音堂がある。戸の隙間に顔を寄せて覗かないので中は見えない。この観音堂は江戸中期の建築でご本尊は十一面観世音立像で室町時代、行基菩薩の作らしい。

観音堂の周りにも、たくさんの石仏がある。

 

あらたかに まいりておがむ かん世音 二世安楽を 誰もが祈らん

時代は変われど、人々の安楽を祈る気持ちは変わらない。これから先も人々は同じように祈りを捧げるだろうか。

 

バイクといえども、初めての巡礼はそれなりに体力を消耗するもの。急いで巡礼する必要もないので、この日はここまでとして帰ることにした。駐車場で自販機のお茶を買って、喉を潤すとセローで出発。また何時の日かお参りをしようと思う。