三番常泉寺への道は、平坦で細い道。低速でセローをトコトコ走らせる。駐車場にセローを駐め歩く。日差しが強く暑い昼下がり。空き地にはキショウブが咲いている。こうした風景は都会ではみることはできない。

常泉寺の両脇では金剛力士像がこちらを見下ろしている。中に入ると右手に札所がある。観音堂は左手にある蓮池の奥へ登って行く。

観音堂は1870年(明治3年)秩父神社境内の薬師堂を移築したものらしい。

薬師堂は江戸後期に作られたもので竜の彫刻が施されている。長い年月を経て尚息づいている竜の彫刻を見上げる。ご本尊は室町時代までさかのぼると言う。

 

補陀らくは 岩本寺とおがむべし 峰の松風ひびく滝つせ

この御詠歌は那智大社の御詠歌を意識して作られたものか。

補陀洛や 岸うつ波は三熊野の 那智のお山にひびく滝つ瀬

 

 

蓮池のあたりに滝つせがあったのだろうか。あるいは松葉が滝つせのように響いたのだろうか。