正月に娘が帰省した時に、面白いよと置いて行ったこの本を読了した。450ページ超えの厚い本なのでそう簡単には読めないだろうと思っていたが、わかりやすく記載されているのであっという間に読み終えることができた。
「不幸と呼ぶべきか、宿命と呼ぶべきか、人間は常に病気や老化や死と向き合って生きています。これらの避けられぬものと、いかに向き合って生きていくか。このことが数千年の歴史を通じて、いつも人間の眼前にありました。」(以上本書あとがきより)これらの問題に答えを見つけようと試行錯誤してきた人類の歴史を体系的にまとめたのが本書である。
娘はストア派とニーチェが好きだと言っていたのがいかにも娘らしいなあと思った。ありのままの人間のたくましさ、強さを感じる。
僕が若かったころは、ショーペンハウエルやサルトルやフロイトが流行していた。本書には出てこないが、カフカやカミュも必読書だった。ある意味不健康な思想に囚われていたとも言える青春時代だった。そして歳を重ねた今では、哲学よりもブッダや空海、親鸞などの宗教家に興味を抱く今日この頃だ。
本書を読んで感じるのは、哲学や宗教もそれぞれの時代の影響を受けながら発展してきたと言うこと。そして数千年の人類の思いは昔も今も大差がないと言うこと。だから僕はいつまでも「まのぬけたあんぽんたん」でいても許されるような気がするのだ。
