私は中学校、高校と日本史の授業を受けてはいるのだが、何一つとして身についていないのが現状で特に中世、室町幕府についてはほとんど記憶がない。そこで図書館で手に取ったのが本書である。

本書は鎌倉幕府から引き継いだ室町時代の武士の暮らしや荘園、百姓の暮らしぶりなども描かれていて室町時代の概要が理解できるようになっている。つまり、十四世紀、十五世紀の日本がどのような時代だったのかを肌感覚で理解できるように記載されている。それは歴史の教科書ではなし得ない肌感覚である。本書を読むと当時の人々の暮らしぶりが浮かび、なぜ戦国の世に向かって行ったのかも、疫病や、土地開墾の終焉による不安定な時代背景を知ることにより理解が深まっていく。