コロナ禍だからだろう、重たい小説を回避している自分に気づく。今回読んだのも、その地名が身近だったからもあるが、軽い気分で読めそうだったから。この単行本は青春短編小説が5篇掲載されている。そのどれもがみずみずしい恋愛小説となっている。
高校時代に経験する恋愛感情と友情をきめ細やかな視線を通して描いている「三角形はこわさないでおく」他、吉祥寺を舞台にした表題作は20代の青春恋愛小説。そのどれもが、懐かしくドキドキするような感覚を感じさせてくれる小説となっている。吉祥寺の街並みや、井の頭公園が目に浮かぶように描かれているのも親近感を感じる。
