「がん」という病気は「命」にかかわる病気だけに,
全てを医者任せにするのではなく,
治療法やご自分の「がん」に関しては,
しっかりとした知識をて蓄えておくことはとても重要だと思います.
幸い,私の場合はとても優れた先生方に診ていただき,
また処置していただいたお陰で問題なくここまで来れていますが,
私らのような大学教員も
ピンからキリまで!
そして
おそらくお医者さんも
ピンからキリまで!
"PINTA"(ピン:最上) to "CRUZ"(キリ:最低)!
というか,
ピンキリではっきりしてたら,まだこちらも簡単に判断できてよいのですが、
たとえどんなに優秀な人でも,
人間だれしも判断を間違えてしまうことはあります
そこら辺を予め十分に理解して,
自分でもしっかりとした知識を持ってがんに立ち向かう
のがベストだと思います.
ということで,前置きが長くなりましたが,
「肺がん」の治療を開始するためには
確定診断が必要です.
このためには,
病理学的検査(病理組織検査)により肺の異常が見られる部分の組織を一部採り出してきて顕微鏡で観察することにより,その部分の細胞が実際にがん細胞であることを確認する病理診断が必要です.
この病理診断でがん細胞が確認されてはじめて「肺がん」が確定します.
この病理学的検査として
肺がんの疑いがあれば必ず行われる最も簡単なものに
⓪ 剥離細胞診
があります.
喀痰細胞診はその代表的なもので,
肺門部付近に発生しやすい扁平上皮がんなどにはとても有効だと思いますので,
喫煙者の方は健診の度に喀痰検査も必ず受けるようにした方がよいと思います.
その他の剥離細胞診には胸水検査も含まれます.
レントゲン写真やCT画像で胸水が認められたときに有効な検査です.
この検査では肺に溜まった胸水を抜いて,がん性胸水かどうかをチェックします.
以上のような,比較的簡単に行える病理学的検査もありますが,
ここでは,剥離細胞診以外の検査方法について見てみたいと思います.
それ以外の検査方法としては,
① 気管支鏡検査
② 経皮肺生検(経皮的針生検)
③ 胸腔鏡検査
の3つがあります.
このうち負担の少ないものから順に検査が行われるため,
通常は
①→②→③
の順に検査が行われます.
ただし,
病変部の場所によっては負担の大きい検査が選択されることもあるそうです.
ついでに言うと,
この病理診断で確定診断が行われたのちに,
病期を調べるためにPET-CTや(造影)MRIや(造影)CTなどを使ったさらなる検査が行われ,
それらの結果が出てはじめて治療方法が確定します.
病院にもよりますが,肺がんの疑いがもたれて手術や治療が開始されるまでには,早くて一月,長ければ数カ月もかかることがあるようです.
ちなみに私の場合は,最終的な病理診断は➂胸腔鏡検査で行われましたが,
肺がんの告知(2021年9月29日)から手術(2021年11月30日)までにちょうど2カ月程かかりました.
どちらかというと早かった方かも知れません.
それでは私のケースを絡めて
①~③の病理学的検査についてですが,
既に行った①気管支鏡検査で病理診断の結果がでればよいのですが,
検査中の医師たちの会話からしてまず無理でしょう.
また私の場合は,肺野奥の20mmほどの腫瘍.
これが10mmだとして
採取できる確率は30%以下
最初からほぼ諦めていました😥
でも,肺や付近まで気管支鏡を挿入することによって肺門部からの内部の様子は観察できるのでこれこれで良かったと思っています.
この①気管支鏡検査については下記をご参照ください.
ただ,本当に肺がんだとすれば,
費用面については
「限度額適用認定証」や「一部負担金払戻金」
制度もあるし,いきなり胸腔鏡下で生検&手術をした方がトータルに見てかなり安くなります.
この方法は,CTガイド下で針を体表から刺して腫瘍のある位置に針先を挿入して組織を採ってきます.
なので,気管支鏡では難しい肺野奥の腫瘍の細胞を採ってくるのには有利な方法と言えるでしょう.
合併症としてよく挙げられているのは,針で刺して孔を開けるので,そこから空気が漏れて肺がしぼんでしまう気胸です.
気胸になると呼吸困難が生じますが,たいていは1週間以内によくなるみたいです.
この気胸に関しては仕方ないとして,
いろいろと調べているうちに
私が最も気になりだしたことは,,,
肺門部から離れた肺野の中ほどにあるがん細胞に対しては有効と思われますが,