単純表象作用という用語の意味について理解するならば、この作用の場合も他の作用の場合と同じく「性質と質料へ現象学的に分析すること」には疑いの余地はない。判断の場合に「確信のスぺチエス的性格」と「確信の内容」とが区別されるされるように、この表象作用の場合も「あの単純理解作用の独特な心理状態」（ありのままに受け取ること）と「理解作用の本質内容を形成する規定性」とが区別されるであろう。単純表象作用を明らかにし、この概念を明確にするためには、どんな例を選んだとしても、当然ながら同じことが言える。しかしいずれにせよ、我々がここで留意すべき点は、この分析において我々が問題としている「作用の分割」ではなく、これら作用の「抽象的契機ないし側面の区別である」ということである。（フッサール）「単純表象作用という用語の意味」