表象の内部に存在しない対象は、表象と表象のあいだに「いかなる差異」も生じない。したがって、そのつどの表象が「表象するものについての差異」を生じさせるわけではない。ここで我々は「これ」を志向された対象とは区別されるべき「表象それ自身に内在する内容と理解すべきなのか」という問題が発生する。しかし、この点については先ほど示唆した「二つの可能性」以外に、いかなる可能性も見出すことはできないだろう。したがって、ここでもう一度「あの二つの可能性」をできるだけ明確に説明しなければならないだろう。(フッサール)「二つの可能性の正確な分析」