青少年問題特別委員会1 | 女子リベ  安原宏美--編集者のブログ

青少年問題特別委員会1

平成18年2月14日 青少年問題特別委員会 子どもの安全についての参考人質疑の模様です。小宮信夫先生が語っております。

参考人
江戸川区長 多田正見氏
立正大学文学部社会学科助教授 小宮信夫氏
特定非営利活動法人子どもの危険回避研究所理事氏
港区教育委員会委員) 横矢真理氏
エンパワメント・センター代表 森田ゆり氏
衆議院調査局第一特別調査室長 田中啓史氏 

まず委員がそれぞれの立場と考えを説明しながらの挨拶です。

多田参考人 平成十五年に警視庁が初めて各自治体の犯罪状況を公表いたしまして、その際、私ども江戸川区は犯罪が一番多い、こういうことを言われました。大変区民的にもショックを受けておりまして、何とかしてこの汚名を返上したい、こういうことで、私どもも、区を挙げてこの運動を展開したいということで、安全・安心まちづくり大綱というものを定めまして、あらゆる団体に働きかけをいたしまして、この取り組みを始めたわけでございます。

今、地域の方々から、パトロールをするにはさまざまな小道具が要るということで、ステッカーなど、そういうものをちょっと持ってまいりました。これは地域の方々が要望いたしますもの、これは区の公用車などに張りつけておりますが、全公用車、全バイク、全自転車にいろいろこのようなステッカーをつけまして、私たち区職員もすべてが犯罪に対する目を持ちますよということで、こういうものは、各地域でこういうものをつくってほしいというものをいろいろつくりまして、これは新聞配達の人でありますとかPTAでありますとか、あるいはおそば屋さんでありますと配達、すべての方々が協力をしてくださる。商店街の方もそうでございます。

おそば屋さんもまで動員されてます。
 これは区の経費でつくっておりまして、夜光性ですので一枚七百円ぐらいするのでございますが、二万五千枚ほど今これができております。こういう方々がそれぞれのものにつけましてパトロールを実施してくださる
 えーっと700円×25000=1750万円です。
 最近は痛ましい事件がいろいろ起きましたので、私どもの公用車についております防災用の無線で、すべて不審者情報を直ちに各所に、それぞれの車も含めまして、私の車にもついておりますけれども、これは無条件で情報が入ってまいります。
 警察が検挙率合戦やってるのと同じように自治体合戦がはじまってるようです。不審者情報もいつでもどこでも「ユビキタス」と。ほんと不思議なんですけど不審者情報もらってどうするんですかね。

例えば、私ども、子供に対する安全教育というのはある程度必要でありますが、これはやり過ぎてはいけないという面がございまして、なかなか難しい問題でございます。人を見たら、話しかけられたら、すべてを悪い人だと思いなさいという教育はするわけにはまいりません。
 そうですね。でもあなたのすぐあとの方がやってらっしゃるんですけど。


小宮参考人 犯罪が起こった後の処遇で主流である犯罪者を中心にした考え方、これを犯罪原因論と呼んでいますけれども、この犯罪原因論をそのまま予防の方にも持ち込んでしまったわけです。ところが、犯罪はまだ起きていませんから、犯罪者はまだそこに存在しておりません。したがって、苦し紛れに不審者という言葉を編み出して、その不審者という言葉が今ひとり歩きしてしまっているというような状況であります。

まず犯罪者処遇が世論で人気がないってことをわかってる詭弁。

そして地域安全マップを作っていたら、子供らは自然に「不審者」を排除しているマップを作っていますからね。これは小宮さんの著書でもあげてます。「あれ、なんでそういうマップ作ったの?だめじゃーん」という姿勢を小宮さんはとりつづけてますが、もともと「外部侵入者」を想定してる理論なんだから、そうなってあたりまえです。これになぜかみんなひっかかります。
 人を見ただけで、この人が不審者かどうかはわからないんですね。子供に、どういう人が不審者かと聞くと、一番多い答えは、マスクをしている人だと答えます。ですから、この時期はあちこち不審者だらけになってしまうんですね。あるいは、空き巣被害のチラシなんかつくると、大体は唐草模様のふろしきをしょって手ぬぐいでほおかぶりしている泥棒をかくんですけれども、今どきそんな泥棒はいないんですね。
 そんな「唐草模様のふろしきの泥棒」ってそんなこと答える子供いまどきいるんでしょうか?という疑問はさておき・・・こうやって書かせておいて、いやいや「犯罪者とはそういう人じゃないんだよ。それは思い込みだよ(つまり誰でも不審と思えとと同じ意味)」と教えてるわけです。

犯罪原因論は、どうしてもそうやって特定の犯罪者のイメージをつくりたがってしまうわけです。

犯罪原因論をさんざん敵にしてますが、これは世論の「精神科医」(小田晋みたいな)的な「精神鑑定」な怪しいかんじをイメージさせようとしてるんじゃないでしょうか。違います。たとえば「ヤバイ経済学」でかかれているのは、ジュリアーノの掃除が効いたわけでも、警察官の増員が利いたわけでもないっつう、まさに犯罪原因論からの逆襲です。

もちろん、防犯ブザーも必要ですし、護身術も必要ですけれども、防犯ブザーを渡してこれで終わりというのではなくて、防犯ブザーを渡しながら、しかし、防犯ブザーを使わない方法を教える、防犯ブザーを要らないような状況に自分の身を置く方法を教える、こういうことも必要ではないでしょうか。
 防犯ブザーを渡しながら使わない方法を教えるって、渡さなきゃいいんじゃんよ。意味がわかりません。
 つまり、人を見て、この人が不審者かどうかわからないですから、明らかに外見上普通の人と違うという人を不審者扱いしてマップに落としているんですね。
 だから、それはあなたたちがどう言い訳しようが「誰でも不審者だと思え」といってるからではないんでしょうか。なんでこう物事を素直に受け取れないんでしょうか。根性曲がってます。

具体的にいえば、外国人、ホームレス、知的障害者です。私のところにも知的障害者の方からいろいろな相談が来るんですけれども、特に広島、栃木の事件の後は通報をしょっちゅうされてしまうので、もう散歩もできないというような状況に陥っているそうです。

散歩もできないらしいです。かなりな問題を言挙げしてると思うのですが、まわりの雰囲気はそんなかんじではありません。なごやかな雰囲気のもとにスルーーーーーです。
 そういう問題と、それからさらには、子供に、不審者に注意しましょうとか、不審者マップをつくりましょうとやっていますけれども、子供に、不審者に注意しましょうとはどういうことと聞くと、ああ、それは大人を無視しなさい、そういうことだよと答えます。大人を無視しなさい、大人を信用するな、人を見たら犯罪者と思え、こういう教育になってしまっているんですね。

だからあなたがそう教えているでしょうが。っていうか結局やってること同じなんだよね。つまり学校現場と子供が混乱してるってことかと。

ところが、場所から入っていけば、そういう混乱は回避できます。犯罪が起こりやすい場所にいる大人、入りやすくて見えにくいところにいる大人、これは無視してもいいですと。栃木の事件のように、きれいな目をしたお兄さんが道を聞いてきても無視して歩き去ってもいいですよと。ところが、安全な場所にいる大人、これとは積極的に交流しましょう、あいさつもしましょう、困っている大人がいたら、むしろ、子供の方から近づいていって助けてあげましょう、そういう教育をすべきじゃないでしょうか。

「きれいな場所で声かけられたら信用していいです」と。奈良の事件とかもけっこうきれいなところで起きてますけどね。世間を制覇してしまう人に共通しますが、多少の齟齬は気にしません(笑)。なんかわかった気にさせるかんじです。前提もあってるようなこといってるんですが、論旨めちゃくちゃです。「困ってる大人助けろ」ってねえ。どこからはじまってどうなってこういう話になるんでしょうか。

 小宮さんの論理は「地域安全マップ」ならすべてオッケーってところです。国土地理院にでも行けばいいんじゃないの?

 もう一つよく間違えられるのが、犯罪発生マップです。ところが、実際、次の犯罪も同じところで起こる保証はないですし、仮に、自分の学区の犯罪発生場所を丸暗記できたとしても、知らないところに行ったらお手上げ、応用力が全くつかない、こういうことになってしまいますから、どういう特徴のあるところで犯罪が起こりやすいのか、どういう特徴のある場所では気をつけなきゃいけないのかというように、未来志向の地図をつくらせる必要があります。そのためには、起きたところではなくて、起こりやすいところということですね。

未来志向って言葉は麗しいですが、子供たちは「警察犬」?

横矢参考人 子どもの危険回避研究所の横矢でございます。大震災のときに逃げるサバイバルウエアの研究ですとか、上履き、なぜ学校があの一律の上履きを履かせるのかとか、そういったことの研究を始めました。それから、しばらく主婦をして研究を進めていたんですけれども、九年ほど前からファミリー向けのホームページをつくる仕事に携わるようになりまして、全国の保護者の方と、ネットを通じてなど、お話をする機会を得ることができました。
 そこで感じたことなんですけれども、子供たちを守るということについて自信のない親御さんが多かった。それから、子供を守るための情報が足りない、全然足りないというふうな御意見が多かったことです。

 サバイバルウェアと上履きから「危機回避研究所」とはすごいなあ。ここでも震災と防犯がくっついてます。まあ、事件起きれば学校か親が責められてますからね、自信もなくすでしょうに。

今は環境がそれから比べまして大変悪くなりましたので、全国各地を渡り鳥のように講演して歩いている、この一週間もほとんど自宅に帰る暇なく歩いておりました。

 主婦から、渡り鳥のように忙しい生きがいを手に入れたというわけですね。

地域安全マップをつくりましょうと。これは、学校とか大きな単位でつくるものというイメージが強かったんですが、私は、家庭でもできますよということを広げています。

 ・・・地域安全マップを家庭でもやれとな。。。学校から家庭にも下りてきますよー。家族で普通に散歩でもいってくればいいんじゃないのって思うんですけどね。「地図作成」しないといかんの?ほんと余計なお世話です。

学校で実施する場合も、準備に時間がかかるという問題があるんですが、私立の学校でも今いろいろ取り組みが始まってきています。それぞれ手探りでやってきているという状況ですが、先日は東洋英和女学院の方で、マップづくり、中学二年生全員で実施されました。それぞれのクラスが家庭科の時間を使って、一週間、六本木、麻布十番の町を歩きまして、先ほどの、先生の御紹介がありました地域安全マップづくりをいたしました。

六本木と十番にガキを歩かせるなよ、ガキを。私が子供でしたら、わざと変な店を見つけてここが「SMバー」ですね、とか話して、「いってみたーい」ってこと言うんじゃないかしら(余談 以前、高級SMバーには接待で行ったことありますが、デスクの上でボンデージのお姉ちゃんが踊ってるだけで別になんともないです。親父にボンデージファッションつけてみてよーとかいわれたりもしますが、逆に××さんのレイザーラモン見たーい!反対に着てもらいました。別に言いませんが見苦しかったです。体鍛えてから着てください。ただしそのSMバーの1Fは無人のセックスショップですけどねー笑)。

 そこでインタビューをして歩くものですから、町の方たちも、このあたりで犯罪が起こりそうで不安なところはありますかとか、子供にとって危ないところはどこですかというようなことをインタビューして歩きますので、地域の方たちの方から御意見をいただきまして、東洋英和が頑張ったおかげで改めて町の意識が高くなったよというふうにお褒めの声をいただきました。

まあ相手はプチ警察官なんだからそういうしかないでしょ。あのさーふつうに町の人と接してるのはいいと思うよ。だから「地域学習」にすればいいじゃん。店の人に「危険か」「危険でないか」なんてインタビューして、何がおもしろいわけ?もっといろんなことを知ってる人かもしれないよ。地域でもっと勉強できる「機会損失」ではないの?最低のインタビューです。私ならボツにします。

あと店の人に「ここは危険ですか?」「危ないところはありますか?」っていってること自体本当は失礼な話だと思う。日本は海外ほどスラムがはっきりあるとか民族的に居住地域が分かれているとかじゃないところで、町の人のイメージで例えば「あそこらへんはちょっと外国人の人多いわねー、だから危ないかもね」とかいうのを聞き歩いて、それで町に境界線をひいてるわけでしょう。

つい先日もポルトガルいってましたが、まずコーディネーターさんに「あそこから貧困地域だから行かないように、私も絶対行きません。責任もてません」ってなことをはっきりいわれるよ。まあ海外旅行に行った人はガイドから誰でも言われると思うけど。子供らがやってることは逆にそういう境界線を作ることにならないかな。


森田参考人 
この方あとでかなりすごいパフォーマンスをやります。
私は、子供をめぐる安全対策というのは、あらゆる暴力を考えて総合的に取り組んでいっていただきたいなと思います。しかし、私たちみんな、マスコミの過熱報道の中で、非常に猟奇的な恐ろしい事件が起こると、その事件だけに圧倒されてしまう、そういう不安の伝染力に圧倒されるということを、大いに私たち一人一人が感じているのではないでしょうか。

ふむふむ。
 実は、子供をめぐる危険な状態というのは、必ずしも路上で起きているわけではありません。むしろ、性犯罪を伴う危険な事件、例えば昨年の広島や栃木で起きたような事件というのは、数としては非常に少ないです。

はいそうです。
 ですから、ぜひぜひ、不安に私たちが圧倒されているなと思ったときは、少し冷静に、もう少し鳥瞰的なところから考え直してみよう、もしかしたら何かタコつぼみたいなところで対応しようとしているんじゃないだろうか、例えば昨年、広島、栃木で起きたような事件は、決して今になって起きているわけではありません。一九六〇年代にも七〇年代にも八〇年代にも九〇年代にも、全く同じような性犯罪行為で子供が殺された、そういう事件は一年に一人、二人あるいは三人、そのくらいの程度で各年代を通して起きています。何も今に始まったことではないということも、ぜひ念頭に置いておいていただきたいなと思います。

数はええかげんですが意味ははいそうです。
 それともう一つ、先ほどのお話、どなたかもお話しされていましたけれども、子供の安全を脅かしているのは不審者だけではないですね。だから、不審者というのは一体だれなんだろうと。不審者対策、不審者情報、余りにも過熱しているために、私たちが子供の安全の教育をするために学校に行くと、特に教頭先生ですね、パソコンに次々と入ってくる不審者情報に物すごく振り回されています。親たちも、携帯メールに登録するとどんどんどんどん不審者メールが入ってきます。それですごく不安感を感じているし、そしてとても翻弄されています。

正しくは不審者はほとんど安全を脅かしてません。親と学校は翻弄されてますね。
 対策というのは、もちろん、不審者情報は警察の方たちにとって大切な情報です。でも、では不審者が出たら、もしその場に出くわしたらどうするんだろうということに関しては伝えられていないですね。

 私は、そういった、もし万一、何かそういう場面に出くわしたらどんなことができるんだろうということを、決して怖がらせずに、そして、こうしなければならないということではなくて、こんなこともできるよという形で伝えていくこと、それが大変重要なことだと思います。

おー戦えと。アメリカっぽいです!

それが伝えられないで、こういうことをしないように、こんなところに行くと怖いということだけ伝えられていくと、不安が増大するだけではなく、もし万一、そういうところに行ったために被害に遭ったとしたら、その子供は周りから責められます。何でそんなところに行ったの、知っていたでしょう、あそこは危ないと知っていたでしょうと。
 しかし、危ないところ、考えてみたら、先ほどの環境犯罪学の方から、こういうところを考えて建物をつくるとか町づくりをするということはとても重要だと思います。でも、被害者の側から危ないところというのは、どこでも危ないですよ。
 けっこう小宮さんにはぐさぐさいってます。「環境犯罪学の方」ですから。・・・・きっと彼女が「戦え」派だからのようです。うーむ。
 奈良の事件で小林に誘拐され殺された少女、あの少女が車に取り込まれたその場所は、非常に人通りの多い、車の交通量の多い道です。そして、あの事件を子供たちは見ていました。それを見ていた大人もいました。そういう場でも事件は起こる。十何年前の宮崎勤が四人の子供たちを、五人ですね、実際は、誘拐した。その中の一人の四歳の少女は家の目の前で連れ去られていきました。
 小宮さん実はここでも攻撃されてます。
 そのプログラム、いろいろなことを教えますけれども、一つ、防犯ブザーにかわるものとして、特別な叫び声というのを教えます。特別な叫び声です。これを実際に一度練習します。私は、自分自身が三十年前にこの特別な叫び声を物にして、あの恐ろしいアメリカで怖いと思ったことはないです。私は、自分の中に武器を持っているといつも感じています。これは、身体の敏捷性と、それから、私は大切、そんなことをしないでよという、これはいわゆる人権意識です。この二つさえあれば、いつでもどこでも、そして何年たっても、大人になっても使えるものです。
 声出せばオッケーだったんだー。怖くなかったんだー。へえええええ。実際にこの人の肉声を聞いてると立て板に水のようなしゃべり方。演技派です。そしてこの「特別な叫び声」があとで披露されることになります。まったくもってすごい国会の風景となっていきます・・・。


そもそもなんですが、いったい日本は何が起きてるんでしょうか。日本の子供の安全というのは非常に良好なレベルなんですけどね。「もちろんそんなことはわかってんですよ」というふうに話がすすんでいることです。少年法改正のときと同じです。

話を聞いていて思うのは「安心・安全」チームにもさまざまな流派、微妙な差異があるってことで、それがかえって「安心安全管理」を補強するわけです。こういう内部のちょっとした差異が結局は「対話」のもとに「まあちょっと違いますけど、目指す目的は同じです、がんばりましょうね」ってできていくのも「自由な対話」が保証された国だからこその一面なんでしょうね。

あれ、でもこの人たちに「目的」とか「目標」ってありましたっけ?会社の戦略会議ってふつうは「目標」って必ずありますよね。会社で売上が1000万円しかないところに、方策なしで「1億円」とか出すと、「はいはい」っていわれるのがオチなんですけど、「子供」と「犯罪」にかかるとまあぜんぜんないですよね。あるとすれば「犯罪ゼロ」とか「ゼロトレランス」なんでしょうか。

さあ壮大なる「ネバーエンディングストーリー」がはじまります。

しかし、みんなよーしゃべるなー。とりあえず、今日のエントリー自己紹介だけで終わります。

さて議員たちの質問がはじまります。いったいどうなることやら。保坂議員も登場しますよ。

(まだまだ続く) セリフはかなり抜粋してます。全文のリンク先は最終回に入れますね。今見たい方はググルとでてくると思います。