ヨ・ジングが結構好きで主演のドラマは見ている方だ。彼を見ていてよく思うのが、受けの演技が上手だなと言う事。今回もIUのサディスティックな攻めの演技に対して受けに回っているが、時折逆転する場面もあって、私としてはそれが面白かった。そしてヨ・ジングの先輩でピザレストランのオーナーであるサンチェス(チョン・ヒョンチョル)が個人的に気に入った。色々振り回されながらも結構優しい。

 IU演じるマンウォル(満月という意味)がめちゃくちゃサディスティックで態度が大きく美しいものが大好きで浪費家。衣装も取っ替え引っ替えのような贅沢さ。「ティファニーで朝食を」とそっくりな格好で出てくる場面もある。オードリーも細いがIUの細さもハンパない。

 死者が泊まるホテルなのでお客としてやって来る死者に扮した俳優達のメイクも凄い。物語はホテルで働く人たちの何百年も前の因縁なども絡み合って現在と過去を行き来する展開である。

 1000年も前に荒野を彷徨うチョン・マンウォル(IU)はある宿を探していた。そこは死者の魂を癒す場所だが、ある老婆に導かれて、その宿を探し当てる。そこは「月の宿」と呼ばれ、マンウォルはそこの主人となる。

 そして現在も「ホテル デ ルーナ」と名前を変えて営業していた。そこへ死にかけた男が迷い込んで来る。マンウォルはその男の命を助ける代わりに20年後息子を譲る事に同意させた。

 その息子ク・チャンソン(ヨ・ジング)は20年後海外から帰ってきたが、地下鉄でマンウォルと出会い、不思議な体験をする。ホテルマンになろうとしていたが、マンウォルの誘いは断ってしまう。

だが、その時からチャンソンは霊が見えるようになり、結局「ホテル デ ルーナ」で総支配人として働くことになった。マンウォルの贅沢三昧に呆れるチャンソンだが、なぜか放っておけないものを感じてしまう。

 チャンソンは目のない女性の霊に追いかけられ、気を失うが、マンウォルに助けられる。庭にある月齢樹は1000年も前からあり、マンウォルは過去に想いを馳せるのだった。

 チャンソンは眠る度に夢の中にマンウォルが遥か昔の衣装で現れるのが不思議でならなかった。会長が持っていた白頭山の絵を高く売れと指令を受けたチャンソンは道でユナ(ミナ)という女子高生の霊に会う。ユナは同級生のスジョンを苛めていたが、揉みあう内にスジョンは転落して命を落とし、スジョンの魂がユナの体に入ってしまったのだ。

 夢に出て来る男が自分の前世かもしれないと言うチャンソンにマンウォルは否定する。

ある日チャンソンは不思議な老婆に出会うが、それは麻姑神だった。チャンソンが現れてからのマンウォルの様子に変化がある事に気付いた従業員たち。誰も刃向かう事がなかったマンウォルに真っ向から意見を言うチャンソン。そんなチャンソンを辞めさせようと客室長のソヒ(ぺ・ヘソン)は悪霊が泊まっている部屋に彼を連れて行くが、マンウォルが助け出してしまう。マンウォルはチャンソンを雇い続けると宣言。そしてチャンソンから夢の中に出て来た男の話を聞き、愛していたが裏切られたチョンミョン(イ・ドヒョン)だと確信し、心が揺れるマンウォル。

 そんな時結婚前に亡くなった女性スミンは両親により死後の結婚式を挙げるように言われ、彼女の袋を拾った男が新郎となる事に。だが偶然袋を拾ったのはチャンソンの先輩のサンチェスだった。それを阻止しようとしたチャンソンを花婿に指定したスミン。マンウォルは全力で阻止しようとスミンの本当の恋人を見つけて連れて来た。

 総支配人の第4候補となったユナはホテルデルーナのインターンとなった。ユナの教育係はフロントマンのヒョンジュン(P.O)。

ある日ホテルデルーナに VVIPの客が来る事になり、マンウォルは大喜び。しかしその客は自分が朝鮮の王だと思い込んだ俳優パク・テウだとわかり、テウの霊を代役の俳優に憑依させて事なきを得た。マンウォルとチャンソンは海へ行く約束をしていたが、その日チャンソンが元カノのミラとあっていた事を知って面白くないマンウォル。チャンソンの代わりに霊を追っていたユナは麻姑神に見つかり消失させられそうになる。

 お互いに相手が気になるマンウォルとチャンソン。

そんな時学校でユナが襲われ、助けたのはフロントマンのヒョンジュンだった。ユナを襲った霊は13号室にいるガヨン。彼女は隠し撮りされてその画像を拡散され傷つき自殺したのだ。今は会社を経営しているウンソクが学生の時に隠し撮りしたのだ。ウンソクを懲らしめようとホテルに呼び出し、麻姑神により罰を受けた。

 チャンソンとマンウォルが海でデートすると聞いた元カノのミラはその場所に行くと、マンウォルは彼女を見て驚く。

 マンウォルはミラについて探るようにユナに命じる。マンウォルはミラの先輩の家の怪奇現象を解決し、ミラをホテルに招く。

1000年前マンウォルはチョンミョンに騙されて捕らえられ、仲間のヨヌ(イ・テヨン)の処刑を目の前で見せられて復習に燃えていた。その時チョンミョンの傍にいた王女がミラだったのである。

 一方眠りから覚めたチャンソンはホテルに行くが、建物は跡形もなく消えていた。薬局を訪れたチャンソンは薬剤師となっていた麻姑神から霊が見えなくなる薬を渡される。

 会長の霊と共に新しいホテル デルーナの場所を突き止めて中に入ったチャンソンだが、マンウォルは追い出そうとする。だがチャンソンは大洞井神と言う井戸の神を招き入れてしまい、神から助けて欲しいと言われる。

 マンウォルはチャンソンを思って遠ざけようとしたが、チャンソンは自分がマンウォルの側にいて守ると言った。

 チャンソンはマンウォルに「本を見に行こう」と言い出すが、そこにはチャンソンの母親の霊がいた。そんなチャンソンの前にヨヌにそっくりな刑事ヨンス(イ・テヨン)が現れる。マンウォルにその事を教えるが、彼女は遠くで見守るだけだった。

 マンウォルはチャンソンを総支配人として復職させ、自分の本心を語った。

 そんな時庭にある月霊樹が花を咲かせ満開になり、従業員たちはそれぞれの旅立ちのときが近い事を知る。

 チャンソンはいきなり黒服の男たちに連れられ、デルーナの元総支配人だったと言う女性の元へ。デルーナに連れて行って欲しいと言う彼女。

一方サンチェスは恋人のベロニカが上海で事故に遭ったと聞き、急いで彼女の元へ駆けつけようとするが彼女はもう亡くなっていた。悲しみにくれるサンチェス。

 ユナは探していた男を見つけるが、チャンソンが代わりに男を追うと、そこにいたのは学生時代の同級生ジウォンだった。ジウォンは連続殺人の犯人だったのだ。

 そんな時、月霊樹の花が散り始めた事を知って動揺するチャンソン。もうすぐマンウォルは行ってしまう・・。

 チャンソンとマンウォルの前で飛び降り、霊になったジウォンは多くの負のオーラを纏ったため、容易に消すことはできなかった。ジウォンの霊を連れてくるよう死神に頼むが、怨霊を捉える代わりにある死者をデルーナに連れてくるように言われる。

 ユン・スンボムと言う客がデルーナを訪れ、客室長のソヒはユン家に深い恨みを抱いていた。彼が独身だと知ったソヒはこれでユン家の血統が絶えると思い喜んだが、スンボムの子供を身ごもっている女性がいる事を知らされる。ソヒは苦しむ彼女を見て救急車を呼ぶ事に。

 一方チャンソンは麻姑神に「最初のお客様をよく世話しなさい」と言われた。

マンウォルはチャンソンと一緒の時に、ミラとヨンスが付き合っているのを見て動揺する。かつてはヨヌが処刑されるのを見ていた王女だったミラ。

 ある日人間の男の子がデルーナに迷い込んで来たが姿を見失ったチャンソンは慌てて探し、三途の川まで行ってしまい、マンウォルが連れ戻した。

 一方ユナはヒョンジュンの秘密を知ってしまった。彼ももうすぐあの世へ行ってしまうと言う事を。

 マンウォルはチャンソンがチョンミョンなのか麻姑神に聞き、チャンソンも自分がチョンミョンなのか聞くが・・。

 マンウォルは最初の客がチョンミョンだと知り、彼と再会することができた。チョンミョンの魂を送りに行ったマンウォルはひと月経っても戻らない。デルーナの従業員たちはマンウォルがもう戻らないのではないかと思い始める。月霊樹もすっかり枯れ果てていた。

 麻姑神から200年前のホテル デルーナである「満月堂」に行って欲しいと頼まれたチャンソンはマンウォルに会う。今とちっとも変わっていない自由気まなマンウォルに呆れながらも世話を焼いてしまうチャンソン。

 チャンソンが現代に戻るとマンウォルも帰って来た。そんな時目の見えないヒョンジュンの妹の死期が近付き、今までヒョンジュンとして生きて来た友人をヒョンジュンに合わせるためにデルーナに連れて来る。長い間のわだかまりが解けた二人。

 マンウォルはデルーナに新たな主人を迎える準備をしていた。麻姑神から受け取った酒を飲めば再び月霊樹の力を得ることができると言われたが、チャンソンはマンウォルに酒を飲まないで欲しいと告げた。

 バーテンダーのキム学士は自分を侮辱する小説を書いた作家の話を聞き、ショックで姿を消してしまう。しかしマンウォルはその小説を書いた作家の霊を呼び出し、良い内容に書き換えて出版させる事に。キム学士も戻って従業員たちが揃い、マンウォルは彼らとの別れを惜しむ。

 とうとうマンウォルとチャンソンの二人だけになったホテル デルーナ。チャンソンは麻姑神に会って最後のお願いをする。「マンウォルに冬をプレゼントしたいんです」チャンソンは冬までは一緒にいられないと言ったマンウォルに一足早い冬をプレゼントしたかったのだ。

 麻姑神は季節外れの雪を降らせてくれた。

「いつか生まれ変わったら必ず会おう」とマンウォル。そして無事にマンウォルを見送ったチャンソンはニューヨークへと旅立った。

 新たなホテルが誕生して総支配人が現れた。ホテルの名は「ホテルブルームーン」

 なぜかヨ・ジングが今まで見たドラマの中で、このドラマが一番美しかった。いつもスーツを着てキリッとしていたからなのか、本当に素敵で毎回目が奪われた。顔が石膏像のように陰影がはっきりしている。

 そしてIUの、ちょっとシーンが変わると衣装も変わると言う・・。確かに贅沢極まりないのは設定がそうだからか。ちょっと中だるみ的なエピソードもあったが、楽しめた。