前作は母親と息子達の隠された想いに泣いたが、今回は冥界からの使者であるカンニム、へウォンメク、ドクチュンの過去と思いがけない縁に驚き、その物語に引き込まれた。途中怨霊となったスホンのある一言からいきなりジュラシックパークになったシーンもありヴィジュアル的にはやはりVFX満載である。

 私としては久しぶりにチュ・ジフンが超ロン毛で素敵なのだがギョンス(EXO/D.O.)推しなので前回同様、気の弱い一等兵ドンヨン登場は嬉しかった。ちょっと歌う場面もありつつ、相変わらず演技がうまくて感服した次第。

 そしてマ・ドンソク、相変わらずラブリーだし。

 倒れているカンニム(ハ・ジョンウ)を起こすドクチュン(キム・ヒャンギ)。カンニムとへウォンメク(チュ・ジフン)は襲って来る冥界の亡者達を剣で薙ぎ倒していく。

 閻魔大王(イ・ジョンジェ)にキム・スホン(キム・ドンウク)は貴人だから裁判を受けさせてほしいと訴える冥界の弁護人カンニム。スホンは前回貴人として裁判を受け無罪となり生まれ変わったジャホンの弟である。

 閻魔大王は下界を乱し、冥界を脅かして怨霊を呼んだ冥界法違反の罪で裁判を受けるのはカンニムだと言う。全ての罪は自分が受けるのでスホンの裁判も受けさせて下さいと頼むカンニムに「スホンが事故死ではなく無念の死だと証明できなかった時は何を賭けるのか?」と聞く閻魔大王。カンニムは使者の肩書きを捨てると言う。

ならば、と大王が条件を示す。スホンが裁判を受けるまでの49日の間に下界から亡者を一人連れて来ること。名前はホ・チュンサム。とっくに寿命は尽きているが〝屋敷神〟ソンジェ(マ・ドンソク)が守っていて手出しができない。

 この屋敷神、以前は冥界の使者をやっていたらしい。そして彼だけが知っているカンニム、へウォンメク、ドクチュンの因縁。この話は後にとっておくとして。

 屋敷神ソンジェは自分の体を表す〝現神〟となってまでホ・チュンサムと孫のヒョンドンが住む家を守っていたが、地上げ屋や借金の取立て屋がやって来て大変なのだ。ソンジェは人間に手出しが出来ないため、何とか話し合いで収めようとするが、ままならない。そこへ、へウォンメクとドクチュンがやって来た。へウォンメクは借金の取立て屋をコテンパンにやっつけてしまう。ソンジェは王の御用絵師だった過去を生かして壁に絵を描いていた。

 ソンジェを殺し、チュンサムを49日以内に冥界に連れて来いと言った閻魔大王。カンニムはソンジェの神体が入っている壺を探せとへウォンメクに指令を出した。

 冥界ではカンニムがスホンを連れて通過する地獄は4つで、怨霊となったスホンは無念の死の証明が出来なければ地獄に落ち、カンニムは使者の肩書きが剥奪されることになった。

 一方ソンジェの壺を探すへウォンメクだが、ドクチュンがソンジェに捕まってしまう。ソンジェと戦うがやられてしまうへウォンメク。

「お前達が死んだ千年前に使者だった俺に失礼だぞ」と言うソンジェに驚く二人。「使者だったなら俺たちを冥界に連れて行ったのか?」と聞くへウォンメクに「記憶を消されたのか?可哀想な奴等だ」と呟くソンジェ。

 「よく聞け。ヒョンドンが2学期の特例入学となる8月に爺さんと小学校の門をくぐったら、それで終わる。だからヒョンドンが小学校に入学するまで我慢しろ。チュンサムの寿命札はそれまで預かっておく」とソンジェは説明した。

 冥界では一艘の船で大海原を行くカンニムとスホン。船のマストにぐるぐる巻きにされて海の中に突っ込まれるスホンはあまりの恐ろしさに「助けて下さい」と叫ぶ。その時へウォンメクが現れ、寿命札をソンジェに取られたとカンニムに言うが壺を見つけてすぐ割るんだ。寿命札ナシで戻るなと言われ、下界に戻るへウォンメク。

 スホンが酷い目に遭ったので素直に裁判所へ行くと言った。

下界ではソンジェがへウォンメクとドクチュンの千年前について語り始める。

「女真族はお前を〝白い山猫〟と呼んだ。高麗時代、高麗と女真の境の北方地域を管轄する武将だった〝白い山猫〟が現れると女真族は戦意を喪失し逃げた」〝白い山猫〟と聞いて単純なへウォンメクは得意げな顔をする。ドクチュンは苦笑い。

 冥界では怠惰地獄に到着したカンニムとスホン。ここは人生を無駄にした怠惰な亡者を審判する場所だ。スホンは生まれ変わりたくないと言う。また苦労するのは嫌だと言った。

 下界ではへウォンメクがソンジェに何故〝現神〟したのか理由を聞いていた。ヒョンドンの母が出産後死亡し、父親は博打の借金でフィリピンへ逃亡。〝現神〟はしてはいけなかったが立ち退き料をもらった。そして株とファンドに賭けたがうまく行かず3億の借金をしてしまったソンジェ。

 カンニムはスホンい自分の生い立ちを話す。彼の父は女真族征伐隊長で契丹(キッタン)戦争の司令官カン・ムンシク大将軍で尊敬される立派な人物だった。

 ある日契丹族の少年を見つけ、両親が殺された彼を養子に迎えたムンシク大将軍。父は養子を可愛がり、養子となった弟に全ての面で劣っていたカンニム。

 カンニムはスホンに言う。「ここでは亡者の一番恐れる物が現れるんだ」そう言われてもスホンはこう言い返した。「俺は怖い物はない。怨霊だから平気だ」

 しかしよく考えると絶滅した恐竜が怖いと気付いた時、後ろから群となって恐竜が追いかけて来た。カンニムは急いで周りに結界を張るが、実は地面は巨大な恐竜の口の中だったのだ。

 そしてスホンとカンニムは恐竜の体から抜け出して裏切り地獄へ行った。

 下界ではへウォンメクが俺とドクチュンはどうやって会った?とソンジェに聞く。

 そ千年前、森の中で虎に襲われて逃げるドクチュンを助けたのがへウォンメクで女真族なら殺さなければならなかったが、彼はドクチュンと子供達の命を救った。

 ドクチュンの親を殺したへウォンメクは罪悪感を持ち、許しを求める気持ちはあったが、謝罪する勇気がなかった。

 上官のミロンに嘘の書状を送り続け、軍糧米を子供達に与えるへウォンメクは国では不正を働く罪人である。

 カンニムの父は信頼する弟を連れて戦いに臨んだが破れてしまう。父は亡くなったと聞かされ、息子のカンニムは朝廷より大将軍に任命され、戦いの場所に赴くが、そこで倒れていた父の手がかすかに動いているのを見たが、そのまま戻った。

 下界ではチュンホムの死後一人になるヒョンドンを心配したソンジェは海外へ養子縁組に出そうとするがチュンホムは激しく怒る。

 ある日ソンジェ、へウォンメク、ドクチュンが出かけている隙に地上げ屋にめちゃくちゃにされたチュンホムの家。ソンジェの神体が入った壺が壊され、ソンジェは消えてしまった。

 冥界の不義地獄ではスホンに対し過失致死を受け入れられず、怨霊となって部隊と冥界を荒らした罪で500年の刑を求刑される。しかし怨霊になった理由が無念の死である事を証明すれば無罪となるため、カンニムは殺害事件の加害者を冥界に呼ぶ事を要求。

 そこで自殺未遂で入院しているウォン・ドンヨン一等兵を冥界に呼んだ。

 スホンがドンヨンに話しかけるが「夢ですよね?」と言い、いきなりスホンが作った軍隊の替え歌を歌い出すドンヨン。カンニムは畳み掛けるように事件の事を尋ねる。

「キム兵長を生きたまま埋めましたよね?本当か教えて下さい」だが虚ろな目で「死んでいました」と答えるドンヨン。「キム兵長の手が動くのを見ましたよね?」ドンヨンは、これは夢だ・・・生々しいと呟く。「知ってて埋めたんじゃないよな?」と聞くスホンに顔を歪ませ謝るドンヨンだが、見る見る間に体が透明になって消えてしまう。病院でドンヨンは苦しんだ挙句命を落とした。冥界の裁判は証人が死亡したのでスホンの裁判は保留になってしまった。

 千年前の北方領域ではへウォンメクは軍糧米横領のため制裁を受けたが、子供達とドクチュンの元に戻り、早く逃げろと言って子供達子供達を逃すが、ドクチュンは残る。へウォンメクは白い山猫の毛皮をドクチュンに巻いてやると、泣きながら去るドクチュン。しかしミロンが現れ、ドクチュンを殺し、へウォンメクを殺した。そして自らも命を絶つ。ミロンと呼ばれた男、実はカンニムだった。

 冥界ではスホンが「なぜ俺の裁判に関係ない閻魔を呼ぶんだ?お前のことになぜ俺を利用する?」とカンニムに食ってかかる。「生まれ変わりたいほど消したいお前の過去の記憶は何だ?」裁判の主人公は俺じゃなかったと呟き、炎の中から出てきたカンニムと裁判を受けに行くスホン。

 次の証人はパク中尉だった。彼は今刑務所にいて、ちょうど外の運動場の椅子に腰を下ろしていた。

 しかし裁判を受けるのはカンニムだった。カンニムは生きている父を見殺しにしたと閻魔大王に責められる。

カンニムは「優秀な弟に居場所を奪われるのが怖く、弟のせいで自分の名誉と権力を失うのが怖かったのです。父の生存を隠蔽した私は千年の間どれほど後悔したか・・。」「そのような後悔は地獄だったか?」と聞く閻魔大王に「いいえ。許しを求める手立てがない事。だからもう父の許しは得られない事が最大の地獄でした」と答えるカンニム。「だからパク中尉には許しを得られる機会が残っていると言いたいのです」

 パク中尉はその言葉にスホンを埋めた時の状況が蘇る。

「はい。私がキム兵長を殺しました。悪かった、スホン」涙ながらに謝ったパク中尉はその場から消えてしまったが下界ではパク中尉の命は助かった。

 「被告キム・スホンは被害者である事が実証された。本法廷はキム・スホンに生まれ変わりを命じる」と変成大王が判決を読み上げた。

 キム・スホンの体は輝き、その場から消えた。

 見終わると、そうだったのかと言う伏線回収があって面白かった。

今回は〝許し〟に焦点を当てたストーリーだったが、確かにあの時素直に謝っておけば、自分の非を認めていれば・・と言うことは誰でも思い当たるのではないか。

ただ千年はスケールが大き過ぎるが。

ラストにウォン・ドンヨン一等兵が地獄に来ていた。と言うことは第三章は彼が主役?なのか気になる。ギョンスは兵役も終えた事だし、これからが益々楽しみだ。

ラストの次に本当のラストがあるのでお見逃しなく。そうだったのかと驚く。