つくばまで歌のレッスンに通っていた時に、


「あなたは、コルクを押し込んで中に入れてあるワインのボトル。


コルクを取り出したかったら、ボトルを割るしかないのよ」


と言われた事があります。


押し込んでしまったコルクは、自分が目指すもの。


ボトルは、自分自身。


ボトルを壊す、ということは、


思い込みを捨てること。


自分が今まで積み上げた知識に「NO」を突きつけること。


自分の考え方が間違っていた、と認めること。


これが、なかなか出来ないのです。


いくら相手が先生でも、なかなか出来なかった私。


頭ではわかっていても、新しい考え方や方法を受け入れられなくて、苦しかった。


(レッスンはすごく良いレッスンでしたから、通えていたのです。ただ、この事に関しては1番悩んだ)


一定の高評価をもらえていた歌い方を、なかなか壊せなかった。


大学生の頃から長くお世話になっていた恩師にも、同じような事言われていたなあ。


自分の声を聴くな。


歌う事は、断崖絶壁から飛び降りるくらいの勇気が要るんだ。


そして、しまいには先生が笑いながら


もう、諦めろ。


って。


…私、諦めが悪いのですよ(笑)


今まで自分が、これが正しいと思っていた事を捨て、先生に言われた事を思い切ってやってみたら…


まあ、歌うのが楽。


声が、氣持ち良いくらいに前に飛んでく。


こんなにシンプルでいいんだ。


(…めちゃくちゃ身体使うから、歌うとヘトヘトになるけど)



恩師も、つくばの先生も、私の声をガラリと良い方に変えてくれました。




歌だけじゃないんですよ。


自分は正しい、と思った瞬間に自分が見えなくなります。


自分は間違っているかも、もっと良い方法があるかも、と、周りを見るのと同じくらい自分自身を見つめる事って大事。


私、まだまだ自分の中にコルク入りボトルが沢山あります。


勇気を出して、割らなくちゃ。