ー鈴鹿さんが大事にされている言葉とか、座右の銘はおありですか?

 

座右の銘は最初に言ったように、「やらないで後悔するよりは、やって後悔した方がいい」と言う言葉ですね。実は、小学校くらいからそうなんです。僕ね、後で後悔するというのが一番嫌いなんです。例えば学校の試験を考えると、試験の前に勉強しますよね、とりあえず。それで、ちょっと勉強する時に手を抜いて、テストが悪かったとすると、「もうちょっと勉強しておけばよかったな、あそこやっておけばよかったな」と思う事がありますよね、それが1番嫌なんですよ。だから、そういう後悔するのが嫌だから、もうテストの前はそれは勉強しましたね。それで、もうこれ以上どうしようもないというところまで勉強して、それでテストの結果が悪かったら、「僕の限界はここまでなんだ」ということで諦めがつくんです。そういう生活を、恥ずかしながら小学校からずっとやってる、そんな感じですね。

 

 

ー若い頃から一生懸命だったんですね。

 

そうですね、割と一生懸命でしたよね。その代わり、何でもかんでも一生懸命できるかと言うと、そんなことはないですよね。だから選んではいました。例えば、僕は運動はダメなんです。だから、運動は僕はどれだけ頑張っても無理だなと思ったから、これは最初から除外(笑)。 あとね、歌を歌ったりするのも全然ダメなんですよ。だからこれも除外。ある程度ターゲットを絞って、それに全力投球。

 

 

ー出来るとこを伸ばす!

 

そうそう。出来ないところをやらせるのではなくて、出来るところを伸ばす、そんな感じですね。いいかどうかは分からないけど、勝つためにはそれしかない(笑)。僕は、勝ちたいというと語弊があるけど、何でもいいから一番になりたかったですね。何でもいいと思うんです。なんでもいいから、あることにかけては誰にも絶対負けない、ということに今でも憧れています。もちろん、本当に世界で一番になることは出来ないかも知れないけど、それに向かって努力していく姿勢が大事だと思っています。だから、SAPやJSUGの人達を見てても、一生懸命頑張っている人達が基本的に好きですね。

 

 

ー周りにいらっしゃる方々を見ててすごいそう思います。

 

出来るかどうかなんて誰にも分からないんです。実現できるかどうか分からないけど、目標に向かってとにかく一生懸命やっている皆さんのことは私は大好きで、思わずサポートしてあげたいと思ってしまいますね。

 

得意なところ、いいところをどんどん伸ばす、そこに頑張るということはいいかなと思いますよね。人間には、完璧な人なんていないんです。何でも出来て、神様みたいな人なんている訳が無い。これはなんでもそう、家庭生活もそうですよ。夫婦でも親子でもそうですし、相手のいいところを見てあげる。相手の悪いところを見つけようと思うといくらでも見つかるんですよね、これは。私は結婚して三十数年になりますけど、良いところを見て、お互い良いところを認めあう、そして悪いところも認め合うということをやらなければ絶対人間ってうまくいかないですよ。

 

 

ー身につまされます。私はすごい学びになりました。

 日頃、毎月とか毎週とか毎年とか、ルーティンでされていらっしゃる事ってあるんですか?

 

趣味の話でも良いですか? 実は我が家では金魚を飼っていて、庭に小さな池が二つあって、水槽が一つあります。そこに、全部合わせると60くらい金魚がいるんですけど、夏場は週に一回は水替えをしなければいけないんです。餌も餌やり機で、時間と量を決めて餌をやるんです。その金魚の世話をこまめにやっています。特に水槽の方はサンルームの中にあるので、夏はファンで冷やしてやらないと水温が上がりすぎるので、毎日の天気予報を見ながら、気温に合わせて窓を開けたり、ファンをつけてやったりして世話をしています。毎朝の日課で、毎朝ファンをつけて水温を測るんです。水槽の水温は、毎日3時間おきに測ってます。水温の動きによって、水替えのタイミングとか餌の量も変える必要があるので、毎日気にしています。

 

 

ー細かいとこに目がいくんですね。

 

割と性格的にマメな方かもしれませんね。

 

 

ーそうだと思います。広島が豪雨で被災した時にメールくださったりとか。

 

細かいところに気がつく面もあるかもしれないのですが、ただズボラなところはズボラですね。庭に芝生も生えてるんですけどね、芝生はほとんど刈らないから、いつも伸びています。夏場になると芝を刈るんですけど、一回刈ったら当分やらないから、またガーッと伸びてきて。

だけどその横にいる金魚の世話はこれはマメにやっていますよ、やっぱ生き物ですからね。

みなさんペットを飼ってらっしゃる方は多いと思うのですが、ペットというのは何が可愛いかと言うと、世話をすればするほど応えてくれるところだと思います。もちろん、金魚は魚だから喋りませんけど。でもちゃんと世話をすると、それなりに反応してくれるので、嬉しいですね。

 

 

ー通じ合うんですかね?

 

通じ合います。と思ってるのは僕だけでしょうけどね(笑)。

 

 

ー金魚ってとこが愛媛の方だなって感じですね。海に面してる四国の方っぽいです。広島も魚好きなんですよ。海が近いから。

 

海が近いとそうかもしれませんね。小学校の時から、近所の川にドジョウとかフナとか採りに行ってたんです。だから昔から魚は好きで、旅行に行っても、水族館とか好きですよ。魚というのはもちろん喋らないんですが、可愛いものです。

水槽の中だと、人間が近寄ると金魚はこっちを向くんですよ。それで、普通の人は自分の事がわかるからこっちを向いてくれてると思ってしまう。これは、大間違い。魚というのは、敵が来ると横っ腹は絶対見せないんです。防御本能で、敵の方を向くんです。それが魚の習性なんですね。だからこっちを向いているのは、敵だと思われてるからなんです。でも何となくこっち向いてると可愛く思いますよね(笑)。そういう大いなる誤解があるのですが、誤解は誤解でいいんじゃないかと。世の中には、誤解はいっぱいある。だけど誤解してた方がむしろ幸せな場合もあったりしますからね。

 

 

ーすごい同感です!!幸せに生きる秘訣ですよ。

 

そう、何事にもそうですね。もう一つ大事なことは、何事も前向きに捉えるという事ですね。失敗してもうまくいかなくても、決して自分にとってそれは致命的なものではなくて、寧ろ次のステップのための役に立つというように、絶対前向きにポジティブに考える、これも私はずっと心がけています。だから、うまくいかない事は沢山ありますが、ほとんど凹まない。

 

 

ー鈴鹿さんにはいつお会いしても悲壮感がないし、落ち込んでるところを見た事がないです。常に前に向かって進んでいらっしゃると思います。

 

実際には落ち込んでる時も多いのですが、なるべくそういう事を、「こんな事で落ち込んでも仕方がない」と、「むしろこれを糧にして次頑張ろう」と前向きに捉えるようにしています。そう思えるのは、さっき申し上げたように自分の仕事で520人の命をなくしているからですね。あの時の辛さを考えたら、今多少失敗しようが全く問題じゃないと思えます。だからイノベーション等をやるときに「失敗すると困るから新しい事が出来ない」とよく言うんですが、そこは経営者の方はもっと器を広くして、「どうせこれぐらい失敗したって、損害だってたいしたことないだろ」って、そう思うくらいの経営者が出ないと、これからのイノベーションはなかなかできていかないと思います。そういう事ができる経営者がもう何人もいらっしゃいますよね。だから今日本でいろんな先進的な取り組みがされている訳で。経営者のみならずみんながそう思った方が良いと思います。多少失敗したっていいんですよ。だって失敗しなければ成功はないんだと昔よく言っていたと思います。

 

 

ーJSUG発展の秘訣も鈴鹿さんの器の大きさだと思います。年々新しいチャレンジされてるし。

 

そう、毎年何か思いついてしまいます。だから、事務局は大変だ思います(笑)。

 

 

(”④若い人へのメッセージ”に続く)