ーなかなか変わろうって思う事すらも難しいと思うんです。

 

人間は基本的には、変わろうとは思わないのかもしれない。僕も、積極的に変わろうと思った訳じゃないけど、知らず知らず変わっていったという感じかな。だから、恐らく無意識的に人とのつながりを求めていたんじゃないかと思う。最近思うことは、今の若い人達は、話をする事や文字に書いてコミュニケーションするのが非常に下手だと思うんです。不器用な人が多くて人と接するのがうまくいかないんだけれども、一方では、ライン、フェースブック、インスタグラム等が発達するということは、やはり仲間とのつながりを求めているんだと思う。そういうことを最近感じるので、そういう時代の流れに対してどれだけできるか分からないけど、少なくともJSUGの中では、直接会ってお話をする事がこんなに楽しい事なんだよという事をもっと分かっていただける契機の一つにしたいと、ちょっと大それた事を思っています。(笑)

 

 

ーJSUGは本当に楽しいです!いつでも来たいと思っています。多分良い人の周りには良い人が集まるんでしょうね。JSUGって良い人ばかりですから。

 

ほんとそうですね。良い仲間が集まっていると思いますよ。

 

 

ー鈴鹿さんのご人徳ですね。

 

それは私の力ではないですよ。これはやはりボランティアでやってるからいいんだと思います。利害関係がないから、何でも言えちゃうし、自分の会社の事も普通に言えるし、相手の会社の事も普通に聞ける。これが一つの会社の中だと、どうしても利害関係があるから、上司にはなかなか言えないとか、仲間に弱みを見せたくないとか。その気持ちは、すごく良くわかる。だからこそ、こういう社外で自由に話せる場って必要なんじゃないかなと思いますね。特に今年から始めたwomen’s talk café、あれは本当に盛り上がってるらしいんですよ。あれも、普段会社では話せない事をそこだったら話ができる、お互い分かり合えるという一つの場になってると思うので、僕は、そういうコミュニティーをいっぱい作っていきたいなと思っています。だから、SAP、実はあまり関係ないんですよね(笑)。

 

 

ー(笑!)でも鈴鹿さんの人に尽くしたいというお気持ちを実現するためにJSUGというSAPが関わっている媒体を使ってくださってるのが本当にSAPの誇りだと思います。

 

ある意味たまたまだったかもしれないけど、僕はSAPは大好きです。嫌いだったらJSUGは出来ないですよね。やっぱりSAPって素晴らしいと思う。この素晴らしい製品を通じていろんな人達と関われるから、だから素晴らしい人たちに出会えるんだと思う。多分、製品がみんなに愛される製品でなければ、こんな事はできないですよ。

 

ー本当にありがたいです。

私がこの企画を考えたきっかけが、自分が苦しかった時に私を救ってくださった皆様の言葉をもっと多くの方に届けたい、きっと私のように皆様の心も励まされて救われるんじゃないかと思ったんです。

 

仰る通りですね。いろんな事があったとしても、やはり人間って必ず何かできる事があるんですよ。その人なりにね。人間のモチベーションの源泉は、人の役に立てる事だと僕は思っています。誰かが喜んでくれると思ったら、人間って頑張れるものだと信じているんです。で、どんなに辛い事があっても、恐らく人間って生きていけるものだと思っていて、そういう(人の役に立ちたいという)気持ちさえあればやってけると思うし、そういう事を繰り返すことによって、小さいところから始めても、誰かから感謝される、それでまた次頑張る、そしたらまた感謝されるという事がどんどん広がって行けば、必ず大きい事ができると思うんです。

 

特に石川さんの場合には普通の人は持てないくらいの素晴らしいネットワークを持っていて、その人たちから恐らく石川さん自身も力をもらっていると思うし、その人たちもそれぞれやはり石川さんから力をもらっている訳ですよね。お互いに力を与え合うというか、そういう事によって人間って生きていくものだし、僕は社会ってそれで作られているものだと思うんですよね。

 

もちろん何十億人もいる訳だから、自分の正義と違う正義を持っている人が中にはいるかもしれないけれども、自分たちと分かり合える人達は必ずいるはずなんです。そういう人たちが力を合わせれば、例えば今2030年のSDGsとか人類が抱えている課題とかいっぱいありますけど、必ず解決できると思っています。

 

そのための、ちょっとでも、こんな、こんな凄くちっちゃいんだけど、ちょっとでもお役に立てればいいかなと。それは、石川さんは石川さんのお立場でいろんな事ができるし、私は私の立場でいろんな事ができる。だから、頑張るって事が大事なんですよね。

 

 

ー実は這い上がるきっかけもJSUGの皆様の支えだったんですよ。JSUGは素晴らしい!本当に。

 

そういう仲間というのは、凄く大事ですよね。

さっきも言ったように、SAPという媒体を通じたネットワークは、結構しっかりしている。僕もいろんな企業の皆さんとお話をするけど、やはりSAPを導入するというのは、会社にとっては結構大変なプロジェクトなんですよね。その時に、みんないろんな苦労をしてるわけです。プロジェクトの途中でちょっと精神的に参ってしまう人も中にはいるかもしれないけども、SAPのプロジェクトを完成したというその時の結束力というのは素晴らしくて、恐らくそれはそのプロジェクトが終わって何年経っても決してなくならないような気がしますね。

 

僕が航空機の整備管理業務にSAPを導入したプロジェクトが2004年から2009年までだったのですが、2008年の11月8日にカットオーバーしたんです。ちょうど今年の11月8日で10周年になるのですが、当時のメンバーから10周年でまたみんな集まりましょうという声がかかって今企画してくれていて、そのパーティに100人以上集まるんです。もちろん日本航空をもう辞めた方もいらっしゃるし、当時パートナーであったIBMを辞めた元IBMの方もたくさん来てくれます。シンガポールにいる人たちもわざわざシンガポールから来てくれるんですよね。外国人も当然います。10年経ってもそれだけの結束力がある。その10周年記念パーティを、私がやろうって言った訳ではなくて、若手からそういう声が出て来たということがすごく嬉しいんですよね。だからやっぱりそれだけの力がSAPにはあるんですよ。実はそのプロジェクトの最中に、プロジェクトメンバー同士が結婚したのが4組もあるんですよ。ある人から言われたのですが、プロジェクトの中で結婚するカップルが出来るプロジェクトは素晴らしいプロジェクトだと言われた事があって、それが出来たんですよ(笑)。そういう素晴らしい経験をさせて頂いたのもやはりSAPの素晴らしいところで、さっき言ったターニングポイントのナンバー5くらいかな。

 

 

ー今のSAP社員全員に聞かせてあげたい。日々の辛さをこれで・・(笑)

 

SAPの中には、マーケティングとか、セールスとか、DBSサポートとか、コンサルタントとかいろんな立場があると思うのですが、それぞれの立場でお客様と接する訳ですよね。きっとお客さんとの絆ができるはずなんです。僕からアドバイスするとすれば、そこでできたお客様との絆を、ぜひ絶えないようにより強い絆にするようにずっと続けて行って頂きたいなとすごく思いますよね。昔のSAPだと、売ったら売って終わりみたいな感じだったかもしれないけど、そうではなくて、せっかくそこでその人とコネクションができたわけだから、それをより強くして頂くように日々やっていただきたいと思いますね。そうしたら、それが無数にできてくる訳で、そうすると、その人の世界も広がるし、その人自身も大きくなれるし。そして恐らくその繋がっている相手のお客様もそのコネクションを使ってまたより良くなる訳じゃないですか。お互いに与えられるような気がしますよね。それを続けていって欲しいなとすごく思います。

 

 

ー私達にとって人生の宝ですよ、この人脈は。

 

人とのネットワークはほんとに宝だと思いますよ。これは作ろうと思って簡単に作れるものではないし、本当、財産ですよね。だからSAPというのは、そういう意味で素晴らしいと思いますよね。僕だけじゃなくて、恐らく多くのユーザーがそう思ってるんじゃないかと思います。ユーザーがそういうふうに思っているという事を、もっとSAPジャパンの人達は知った方がいい。

 

 

ーこの記事が完成したら全社的に公開します、グローバルも入れて。

 

社会全体がそうですね。昔は商品というのは売ったらそれで終わりで、いかに高く売るか、利益を得るように売るかが勝負だった時代があった訳ですけど、今やそういう時代ではなくて、売った後どれだけサポートをして頂けるかとか、売ったあとの事も含めてトータルでお客様は考える時代になってる訳ですよね。

 

それは、航空会社も一緒なんです。一回チケットを売って飛行機に乗って頂ければそれで終わりじゃないんですよね。そのお客様とずっとコネクションを持って、もちろんJALカードもそうだけれども、それだけじゃなくて、いろんなお客様の嗜好だとか、例えばこのお客さんは毎年ハワイに行かれるとか、様々な情報を我々得ている訳ですね。そうすると、よりそのお客様のお役に立てるように、今度ハワイではこんなイベントをやります、こういう特典がありますみたいな事をどんどんお客様ごとにお伝えする。そうしてお客様もハッピーになる、我々もハッピーになる。やっぱりトータルでお客様の人生を支えるような航空会社になりたいと思ってる訳です。

 

SAPもそうですよね。SAPを導入するということがゴールではないんです。これはスタートなんです。例えばS/4 HANAを導入することによってようやくデジタルトランスフォーメーションに向かうスタートラインに立ったという事だから、そこからどうデジタル変革を実現していくか、SAPが側に寄り添って一緒に考えて行かなければいけないと思う訳です。そうすると、そこでデジタル変革が実現できて、ようやくやっぱりS/4 HANAを導入してよかったよねということ分かってくるわけです。だから長いおつきあいになるわけで、そうするとお客様との絆はどんどん深まっていくんです。そういう時代になっていると思いますね。だから、そういうことを商品を作る人達、売る人達は考えていかなければいけないと思うんです。車だってそうですよね。車だって売ったら終わりではなくて、いろいろなケアがあったり、トータルで売る時代、みんなそうですよね、今は。そうしないと賢いお客様は買ってくれない(笑)。 

 

 

(”③幸せの秘訣”に続く)