マージーの引き出し | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

さて、義母が吐き出しを終えた頃・・
ようやく子供達が起きてきた。
義母はまだ話してない事が
沢山あった様子だが
どうも、ここで時間切れ。

吐いていた娘は
寝たので
少し気分が良くなったと言っていた。
娘は息子に比べると
かなり回復が早い。
その理由は、よく寝る事。
病気になったら
ひたすら寝る娘。
そのおかげで、回復は比較的早い。

一方赤ちゃんのときから
全然寝ない子だった息子は・・・
今でも夜以外は寝ないので
いつまでも長引く・・・。

睡眠って
本当に大切なんだとつくづく思う。

さて、そうこうしているうちに
マージーの家に到着。
夕飯を済ませ
買ってきた玩具を
子供達に与えた。

イギリスに来て
初めての玩具・・・。
もう少し時間があれば
イギリスならではの玩具を
あちこち見て回りたかった・・・。

バーレーンはイギリスの影響を受けているので
ほぼ同じような店が並ぶ。
しかし、イギリスのように
個人商店でいいものを
取り扱っているところが
少ないので見てみたかったのだ・・・。

まあ、イギリスも日本に比べたら
あまりたいした事はないのだが・・・

海外に行くと
日本がいかに
物で溢れているのか
実感する。

便利なので、
私は日本のこの部分は好きだが
物無い生活に慣れると・・・
それはそれで
何であんなに物が必要だったのだろうと
不思議に思ったりもする。

それでも、
やっぱり色んな物を選べるというのは
贅沢であり、嬉しい事であるので
日本に帰ると。。。
種類の豊富な日本の玩具は
子供達の心を鷲掴みしてしまう。
もちろん、
値段も手頃なので
お母さんの私の心も鷲掴みなのだが!笑

今回、イギリスで買ったのは
スーパーだったのもあって
ありきたりな物・・・。

息子はレゴ
娘はお絵描き・・・

マージーのリビングで
子供達は
黙々と遊んでいた。

義母とリビングで寛いでいると
おもむろに義母は私に
大きな袋を渡した。

「これ、多分、ヒロが持ってるべきものだと思うわ。」

そう言って渡された袋の中身を
見てみると・・・

その中身は
全部、過去に私があげたものばかり・・・。

まずは・・・
真珠のネックレス。
これ、私達が90歳の誕生日に送ったもの。
日本の真珠をあげたくて
ネックレスをプレゼントした。
高価な物であったので、
それはそれは大事にしていたようで。。。
包み紙のまま保存していた。

このネックレス。。。
マージーの形見として
娘が大きくなったら渡そう・・・。
そう思って
有り難く受け取った。

そして次に。。。
見覚えのあるストール。。。

「あああああ!!
あのストール!」

と私は思わず声にした。

すると義母は
「やっぱり、貴方があげたのね?
質感がいいから、多分高かったでしょ?」と
義母は言い当てた。
まあ、こんな贈り物するのは私しかいないから
簡単に言い当てたのだろうけども。。

そして義母にこのストールを買った経緯を話す私。

このストールは
マージーがバーレーンに来た時に
私がマージーに買ったもの。
ショッピングモールのクーラーが寒いと言い始めて
私の上着を貸したが
二の腕丸出しが恥ずかしくて
返して欲しくて
マージーに
上着の代わりに体を温める事の出来る
ストールを購入したのだと。。。

そして、安い物を買うつもりが・・・
マージーが高いカシミアの物が気に入って・・・
結局高価だったけどプレゼントとして買ったのだと・・

それを聞いて義母は大笑い。
「これ、多分、一度も開けてないわよ。」と言う義母。

そして、義母の言う通り
そのカシミアのストールは
買ったときと全く同じ状態だった。
もちろん、使った形跡などない。

そして、義母は
「まだあるのよ。
マージーの引き出しには・・・」と

義母は私をマージーのベットルームに連れて行き
マージーの引き出しを見せた。

すると・・・
マージーの引き出しは
新品で使われてない物が
沢山!
でも、年代的には古い。
古いけど未使用なもので
あふれかえっていた。

年寄りは・・・
どの国も同じなのか
勿体ないと言って
せっかく新品をもらっても
大事にしまっていて
使わない。。。

マージーは正にその典型。

多分安かったであろう
汚く汚れたスカーフを
穴があくまで使い
一方で
新品の未使用
しかも高価だったであろうものが
そのまま引き出しの中に眠る・・・
なんと矛盾してる・・・。

この時私は思った。
死ぬまでに
好きな物を
使い切って死のう。
大切にとっていても
意味はない・・・。
特に高価な物は
使わないと損だ。

そう思いながら
マージーの数々の未使用品を見て
苦笑していた私。

すると、横から義母が
「これはあなたによ。」
とマージーの形見をくれた。

それはペリドットがついている
ローズゴールド(多分9k)の
ブローチ。

可愛らしい、花のバスケット模様だった。

「マージーの持ち物の中で
貴方があげたパールのネックレスと
このブローチが一番高価な物だったの。
これは、貴方が持ってるべきものよ。
それくらい、マージーは貴方の事好きだったの。
だから、マージーのためにもらってあげて。」と・・・

義母は私に手渡した。

その言葉に
頷きそのブローチを見ると・・・
何故だかマージーが
笑っている気がした。

義母は続けて
「マージーの服はいらない??」
と、この際だから、持って帰ったら?
という勢いで
マージーのコートなどを見せ始める。
しかし・・・どれも
保存状態が悪く。。。
とても着れる状態の物はなかった。

この大量のものを
処分しなければいけない義父母。。。
これから大変だ・・・。

そう思った矢先
夫から電話がかかってきた。

帰りの飛行機の確認というのは
言い訳で・・・
本当は寂しかったらしい。

たった1週間離れただけだったのに!?

夫曰く・・・
広い家に一人きりは
寂しいし
子供達の声がしないのと
私の気配がないのは
寂しくてたまらないのだそうな・・・。

何より、この一週間で、夫にとって
ものすごくいい評価をえたので
その事を一緒にお祝いできないのが
ものすごく寂しいらしく。。。。
早く帰ってきておくれ~!!!
と、今にも泣きそうな顔をして
電話口で早く帰ってきてと
連発している。


「こりゃ、単身赴任は無理だな・・・」
と思いながら
「すぐ帰るから・・・
と落ち着かせて電話を切った。

義母は
「○○(夫)はね・・・
今だから言うけど
一生独身でフラフラする人になるって
ずっと思ってたの。
自由人な感じの大人になるんじゃないかって。
でも実際は、結婚したし、
それだけでもビックリしたのに
本当に家族思いのお父さんになっただなんて
これも、みんなヒロのおかげよ。
本当に、ヒロには感謝してもしきれないわ。」と
目をウルウルさせていっていた。

「いえいえ、私のせいじゃ無いですよ。
彼の本質です。
いつもは色々と自由人ぽい発言が多いのですが
実際は家族思いだし、
責任感は一番強いし
私と子供達のためにいつも頑張ってくれてます。
ただ、いつも家族が一緒にいる事が
彼を支えてるみたいですので
彼がどんな選択をしても
いつも側にいてあげようと思ってます。
これから、何処に行くつもりか分かりませんがね!笑』
と笑っている私に

「ほらね!やっぱり、貴方のおかげよ!」と
義母は笑っていた。

義母が何処まで本心でそう言ったのかは
わからない。
でも、嫁として
お義理の母にこういわれて嫌な気がする人はいない。
私もそうだった。

いつの日か私が義母の立場になった時
息子の嫁に気持ちよく家族でいてもらうために
こういう言葉をかけようと・・・
本気でそう思った。

息子よ。
せめて話しが分かる人間の嫁さん
連れてきてくれよ・・・

頼む~!!