義父の会社が買収されたことにより、
義父の環境は大きく変化した。
昔の意地悪な上司と再会し、ひどい環境へ追いやられた義父。
そこで絶えながら何とか乗り越えようとした義父。
作付けが上手くいかず、悩んでいた元部下に、
作付けが上手くいかない理由を親切で教えた義父。
しかし、この後から義父の待遇は更に悪くなる。
それは・・・・
突然始まった、シカト
今まで共に働いていた人々から、無視をされるようになってしまったようである。
仲間はずれ・・・。
こんなこと、普通会社で起きるのだろうかと疑ってしまった。
それくらい、幼稚・・・
無視される理由は全く見当が付かなかった義父。
しかし、明らかにその作付けのヒントを教えた時から
みんなの態度がおかしかったと言う義父。
義父の予想では、もしかしたら解決策を教えたことではなく、
その前に元部下に助言しなかったからではないかと疑っていた。
義父は自分が’最初からこの元部下に教えてあげなかったことを
悔いていたようだった。
どちらにしろ、口出しを一切するなと言う上司の指示の元
それを忠実に守ってきた義父。
もし、それが原因なら落ち度は義父ではなくその意地悪上司・・・。
後から分かったことらしいが、
義父の同僚たちも同様に、この意地悪上司に脅されていて
義父との交流を禁じていたと言う・・・。
この意地悪上司は実際に何人もの社員をこのような手口で
辞職に追いやったのだ。
リストラを楽しんでいるようにしか思えない行動・・・パワハラ・・・
当時、明確な原因が分からないまま、
仲間から無視される日々を送った義父。
その間約5年・・・そんな長い間彼は皆との交流を閉ざされたのだ。
人と話すのが大好きな義父。
その義父にとって仲間に背を向けられることは
一番辛い仕打ちだったに違いない。
しかし、今まで会社に貢献し、頑張ってきた人々への
これが仕打ちなのかと思うと、
本当に理解に苦しむ。そして腹が立つ。
義父がこんな状況下でも頑張ってこれたのは
少なくとも同僚が義父の見方だと思っていたからに違いない。
それなのに、その最後に残ったものまで取り上げられてしまった義父。
義父はそんな状況にだんだんと心が病み始める。
この5年義母との関係は最悪なものとなっていった。
こんな問題は近すぎる関係の人より、遠い何も関係ない人のほうが
かえって話しやすい時もある。
多分、後腐れがないからだろう。
しかし、身近な人だとそうはいかない。
だから、義母のことをよく知っていた義父は、
義父の仕事上の話を持ち込んでも、
義母は義母で学校の校長と言うストレスを抱えていて
いつも、いっぱいいっぱいの状態で
とても義父を受け入れる余裕などないと思ったようだ。
だから毎日浮かない顔をして帰ってきては何も言わない義父を
義母は理解できなかったよう。
だから時々、義父にいやごとを言ってしまったりしたようである。
このことが原因で、一時離婚する寸前まで考えた義父と義母。
カップルセラピーなどを受けつつ、何とか持ちこたえた。
以前、この間のことを義母はよく、
「本当に惨めなのよ、一緒にいると・・・」ともらしていたことがある。
私は、義母が悪いわけではないと思う。
何も知らないで、毎日くらい顔をして帰ってきては、
不機嫌な義父を見るのは辛かったに違いない。
また、義父は義父で、そんなこととで心配をかけたくないと
義母に言わなかったのもわかる・・・。
誰が悪いのかと言えば、その会社の環境が悪すぎた。
義父はセラピー自体をあまり気に入っていないので、
成果があったわけではなかったようだ。
しかし、義母には成果があったよう・・・。
こんなときに義母が安定していることは
このカップルには必要なのである。
何とか話し合い、持ちこたえながら、
必死で人生を模索していた義父母・・・
そして、ある結論を出した。
それは、早期退職をすること。
早く退職して、自由な人生を選択しよう。
今までできなかったことを2人で沢山楽しもう！
そう結論を出した義父母。
そしてこの結論は義父に大きな変化をもたらした。
今まで何もかも上手くいかない、暗い穴の中にいたような感じから
退職という一筋の光を見つけた、そんな感じであったようだ。
そう、義父は新たな目標を見つけたことで、
本来の義父を取り戻し始めていた。
実はイギリス、普通の年金の受給は６５歳から。
しかし、義母の年金の受給は６０歳から。理由は先生だから！
とにかく、義母だけでも早めに受給できるので、
そのお金で老後をやりくりする方法を見つけようとした。
しかし、そんなに大きな額ではない年金。
しかも一人分で、食べていけるのか不安・・・
そんな思いから仕事を辞めるに辞められない義父。
あと5年我慢すれば満額年金がもらえるはず・・・
そう思って心にムチを打ち続けた。
そして、年金暮らしを思い浮かべながら会社で我慢し続ける義父
しかし、そんな義父にダメ押しするかのように
問題が起こるのであった。
つづく
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