ビーチ | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

イギリスに里帰りしたときの話。
里帰りしたのは夏。
イギリスの夏は私の知っている夏とは違った。
とにかく寒かった。
最高気温は25度、時々15度くらいまでしか気温が上がらない。
九州生まれの私は、この気温は初春のような気候であった。

ある日、ビーチにピクニックに行くことになった。
日は照っていたものの気温は17度くらい。
こんな寒いのにビーチに行ってなにをするんだろうと
不思議に思いながらついていった。
私は厚手の長袖を持っていった。ビーチでこの気温なら寒いに決まっているからだ。
ところが、夫の家族は泳ぐ準備をしている。
もちろん半そで半パン!やる気満々。

ビーチ駐車場に着いた。
ビーチにたどり着くまで、林を抜けていく。
林を抜けるとビーチではなく、海水で湿った泥に草が生えていた。
海水の中に育つ草ははじめて見た。

「これはなんですか?」と義父にきいた。
義父は農作物の品種改良に携わっていたため、植物系には詳しいのだ。
「サンファだよ。この土地特有の植物で、塩分のある泥地に生息する。
食べられるんだよ。ゆでて、バターつけて食べると美味しいよ」と教えてくれた。

私はこの「自然のものを採って食べる」というのが大好き。
ここにしかないならなおさら、食べたい!!

義父が「食べてみる?」ときいてくれたので、大きくうなずいた。
義父と私はせっせとこのサンファを採った。
よく見ると葉っぱは、細長く肉厚。小さいアスパラガスみたいである。
「この茎を食べるんだよ。やわらかそうなものを選んで採るんだよ。」と義父は説明してくれた。
このサンファをスーパーの袋いっぱい取った。

 
これを見ていた地元の人たちは興味深々。私たちが採っているものが何かを見ていた。
ある1人の男性が「これは食べれるの?」ときいてきた。
義父が「食べれるよ。魚屋に行ったら、売ってるよ。ここではタダだけどね。」
この男性はお礼を言って私たち同様サンファを採りだした。
「イギリス人でもサンファを知っている人は少ないんだよ。」と義父は言った。
 

このサンファがある泥地を抜けて、ようやくビーチに着いた。
風が強くなっていたので体感温度は17度を絶対下回っていた
この寒さではさすがのイギリス人も泳がないだろうと思いきや、いた。
1人や2人ではない。いっぱいいた。
白人の肌は赤くなりやすいのだろう、寒さで肌は真っ赤である。

こんな温度で泳ぐ日本人はサーフィンやってる人か海女さんくらいだ。

海は日本の冬の海の色。灰色。
お世辞にもキレイとは言いがたい。

「泳ぐか?」という問いに対し、
もちろん遠慮させていただいたしだいである。
ここで泳いだら寒中水泳。
イギリスまで来て風邪でもひいたら、初めてのイギリス訪問が台無しになる。

しばらく散策した後、元の道を戻った。
サンファが生息する泥地は、サンファを採取する人で一杯だった。
義父が教えた人が、また教えてとサンファの和が広がっていた。
義父がこそっと「美味しいサンファは全部採ったから、硬いサンファしか残ってないんだよ!」
とニヤニヤしながら得意げに言った。

帰ってサンファを食べた。
2~3分ゆでた後、バターで味付け。
とてもシンプルだ、
茎わかめのような触感で,バターとのコンビネーションもグット!
茎の中には細い芯がある。それは硬くて食べれない。
正直、とても美味しかった。

夫によるとイギリスで有名なシェフ Hugh Fearnley-Whittingstall(オーガニックや変わった食材をテーマにした人気料理番組をもつ)
 やJamie Oliver (いくつものレストランをもつ)も、このサンファを使った料理を紹介している。

もう二度とあんな寒いビーチには戻りたくないが、
サンファを採りにいくなら、また行ってもいいと思った
食いしん坊の私でした。