渋野選手のメンタリティ | 桐林宏光オフィシャルブログ Powered by Ameba

渋野選手のメンタリティ

 

渋野選手の凱旋記者会見を拝見させていただいた。
単なる勢いで、イケイケノリノリで勝ったのではない、偶然ではなく必然であるのだということが感じられた記者会見だった。
 
ほんとに 1年前のプロテストに合格して、ルーキーイヤーに国内で2勝して(ひとつは国内メジャー)
現時点で 賞金ランキング2位!
こんなスピード出世があるのかというほどの、まさにシンデレラストーリーだ。
 
ゴルフ界に携わっている人間ほど ほんとに夢ではないかと 疑ってしまうほどの偉業。
 
いま 頑張っているジュニアたちとその保護者に どれだけの現実的な夢と希望を与えたことでしょう。
 
渋野選手は 自らを 「のびしろ」と表現するように のびしろ満載! ポテンシャル高い!状態。
記者会見での いろんな質問に真摯に答えているなかで
 
ゴルフは自分のため、家族のため、そして 自分を育ててくれた地域のためと言っていた。
そして、 昨年のプロテスト受験のときに 西日本豪雨災害見舞われ、自分がプロテストを受けていいのかとも悩んだそうだ。 その災害、被害のことは 一日も忘れたことはないと断言していた力強さが印象的だった。
 
ジュニア期から 取り組んでいたソフトボールの効果は様々に好影響していて
フィジカル的にも ソフトボールでは 左打ち、 ゴルフでは 右打ち。
超理想的! ひねり戻しのスイングのゴルフでは 偏りがちな動きが 左右両方のスイングで うまく調整されていた。
以前 王貞治氏もそうであったように、 プロ野球選手のときは 左打ちだったが  ゴルフは 右打ちで スイングイメージが重ならないようにしていたという話もある。
 
そんな フィジカル面での強さ(ご両親が 陸上競技者という すばらしいDNA)、コンデイショニング能力、メンタル面では 地元の危機(豪雨災害)、プロテスト受験第一回の失敗などの経験を活かして
 
北京オリンピックでの 日本のソフトボールの活躍に感動し、自分も日本を元気にしたい!という理念を渋野選手は持っていた。
豪雨災害に見舞われた地元への恩返し、 そして日本を明るく、元気にしたい!という
自分の活躍による社会貢献の意義が 目標設定の向こうに ちゃんとある。
 
自分の夢と目標が どう社会貢献に活かされるのかを ちゃんと 理解している強さがある。
夢や目標の向こうに社会貢献と結びついているケースは とても強いメンタリティーを発揮する。
 
それは いろんな 危機から学んだ強さだと思う。
 
そして 笑顔の効力も 身に着けた。
 
ワイドショーに出演していた 平瀬真由美プロ(賞金女王経験者)も言っていたが
25年前には 考えられない立ち居振る舞いであると。
 
日本人の美徳で、 武士の魂のごとく、 当時は 杉原輝雄プロが 勝負がつくまで 笑顔は みせない、というのが美徳とされていた時代。
 
平瀬真由美プロも 同様に 感情を表現できなかったと言っていた。
そのころは 渋野プロのように笑っていたら 不謹慎扱いされ、 出る釘は打たれて ちゃんちゃん!の時代だったと思う。
 
いまは 時代が変わり、 体幹トレーニングも当たり前となり、 やっと 日本のプロゴルフ界もアスリート化してきたかなあと思えるこの頃。
それは タイガー・ウッズの出現、日本では 宮里藍選手、石川遼選手の出現によるブームが大きく影響している。
 
そのころか
 
ら やっと科学的なトレーニングが ゴルフ界にも浸透してきて、
いまでは 帯同キャディだけでなく 、帯同トレーナーをつけるのが当たり前になってきた時代だ。
そして チームで 選手をサポートしているの
1964年の 東京オリンピックで 初めて用いいられたメンタルトレーニング、
当時は 「あがり」に対する、いわゆる緊張に対処するトレーニングであったが現在では パフォーマンス向上のためのメンタルトレーニングが やっと 日本でも主流になってきている。
 
欧米では メンタルトレーナーも チームに加わることがステイタスであるのだが、
日本では やっとこの頃 メンタルトレーナーの存在意義が理解されてきた感じだ。
今回の試合で何を学びましたかという記者のの質問に
「学びに行ったつもりが 優勝しちゃいました! なので わりかりません。すみません。」という渋野選手。
 
その通りなのだと思う。
失敗から学ぶものあり、成功から学ぶものなし。
 
失敗からは 悔しさや怒りのあまり 課題が明確になるが
成功からは 課題がなかなか見つかりにくいかもしれない。
 
しかし、成功からは 自信を手に入れられる。 夢と希望も倍増になる。
なので、成功からは 良くできた決断や実行を しっかり インプットし、次回の場面での勇気と信念につなげていただきたいと思う。
こんな 勇敢な黄金世代の更なる活躍を期待しつつも、
次なるプラチナ世代。 ミレニアム世代の 勢い余った活躍を楽しみにしよう!