『極楽行最終列車』 西村京太郎
短編集、ということでひたすら殺人事件が起こり、あっという間に駆け抜けた感覚です
話が短いと内容がややこしくなくてエンターテイメント的に楽しめるのが私にとっての魅力です
今回のいちばんの目玉商品作品は「お座敷列車殺人事件」です。なんと（またもや）十津川警部の奥様、直子さんが殺人事件に巻き込まれます。しかも犯人に仕立てられるという気の毒さ
こうなると「マダム直子の事件簿」もシリーズ化できそうな勢いです。真の犯人は一緒に旅行に出かけたご近所さんの友達の夫なのですが、不可解で仕方ありません。なぜ警視庁捜査一課の警部の奥様を犯人に見せかけようとしたのでしょうか
どうしてわざわざそんな特殊な人物を選んだの
せっかくアリバイまで作ったけれど、それはもう犯人として逮捕されることは目に見えているじゃない
と犯人の頭の悪さを責め立てたくなります
そしていつもの如く妻のためなら汚い手を使うことを厭わない十津川警部も素敵です
殺人の動機が「お金」だったり「女」だったりするところもわかりやすい
お得な一冊です
