第三章 銀行金融システム
(2)転がる雪だるま

さらに、
銀行決算書を解析しましょう。

「現金同等物」
コマーシャルペーパー/公社債投信/現先勘定など、コール市場と並び、金融機関特有。
現金同等物の定義は、「容易に換金可能、かつ、希少な価値変動リスクのみ負う短期投資」

メガバンク決算書でも「売現先勘定」の金額が多い。意味は、債券(有価証券)を担保に、他の金融機関からお金を借りること。
売現先勘定(負債)は、アメリカからの借入が、顕著。

日本証券業協会の統計 は、下記の通り。

↑書類、左右に繋がってます。下から3番目が、「外国人」。アメリカが最多。

2023年9月末時点、外国人から見て、売現先取引(負債)が、18兆5546億円。買現先取引(資産)が、70兆4956億円。
つまり、日本側から見ると、資産が約18兆円。負債(売現先取引)が、約70兆円!

なお、日本側にとっての資産(貸付)は、他の小国への貸付を含む場合も。負債(借入)ならば、大国アメリカしかあり得ません。

以上、日本の金融機関等は、債券を担保に、アメリカから、約52兆〜70兆円を借入れています

日本証券業協会の統計 に、色々あります。Excelデータを、スマホ閲覧できますので、ご覧ください。


日本のメガバンクや地方銀行が、アメリカからお金を借りてるのが判ります。

↓また勘定科目一覧表 の、債券貸借取引も。「外国人」から、お金を借りてます。債権貸付側が、貸し手。

上記の横長の表も、日本証券業協会の統計。こちら から、ご覧になれます。


メガバンク決算書の、他の項目。「外国為替」や「社債」は、アメリカとの取引が多いのは明白。

「借用金」は、①有価証券を担保に、アメリカの金融機関等からの借入金。また、②国債発行で、政策金融公庫等からの借入金。コロナ貸付等。
注意点は、国債発行さえも、日本の自給自足ではありません。

国内で9割所有しても、銀行の中身がアメリカからお金を引出します。後記の通り。要は、全ての取引が、アメリカからお金を借りています。

銀行の中には、日々絶え間なく、お金が流れています。

お金は、概ね、三種類。
①現金 ②現金同等物(短期) ③金融商品(長期)。
それらのお金が日々、国内外の金融機関同士の間を、川のように、ざぶざぶ流れています。

アメリカは、日本の明治時代から、国際金融センター。アメリカ傘下の世界中の金融機関等に、お金を送金する心臓部。

日本から見ると、お金の川の「源泉」が、アメリカ国家。つまり米軍。上流が、アメリカの金融機関等。

中流が、日本のメガバンクや証券会社等。下流が、地方銀行。末端が、信金等。
そこで問題は、
日本の多くの銀行が、営利目的で、多くの貸出金を、貸出している事です。

だから、お金が足りず、アメリカから次々、借りてくる事になります。
決算書の表面から、概ねの預貸率(貸出金/銀行預金)の割合を。

2017〜2023年頃まで、メガバンク三社の標準が50-60%、地方銀行の標準が70-80%
コロナ貸付が急増した2020年以降、地方銀行は、80%超まで悪化した北洋銀行の事例も。

国債発行による政策金融公庫等の借用金が急増。
1. 銀行業務とは
貸出金と銀行預金の関係

例えば、地方銀行が、1000万円を預かると、標準で、700万円の貸出金を、企業等に貸出す。

預金の7割も貸出すと、銀行手元の「自由に動かせるお金」は、300万円しかありません。
そこに、預金者が、「預金の払戻し」に来ます。自分のお金。銀行の窓口orオンラインで、いつでも即時、引出し。

預金者が、1000万円の全額、払戻請求したら、最悪。銀行は、足りなくなった700万円を工面する為、他の金融機関等から借ります。
日本全国の銀行等が、毎日、その動きを繰り返します。慌しく、お金が、あっちに寄ったり、そっちに寄ったり。

日々、お金が足りず、金融機関同士で、貸借を繰返します。アメリカの金融機関等からも。取引で、アメリカ国内の投資金も、流入します。

しかも、この問題には、続きがあります。

そのお金が、日本経済を巡り、翌年には、誰かの銀行預金が、増えています。
端的に言えば、先程の、1000万円の預金者の例。その人は、翌年、1100万円を預金する事になります。

複数の理由がありますが、結果論。メガバンクから、地方銀行まで、全ての銀行預金が、年々増え続けるので。
銀行が翌年、1100万円の銀行預金を預かると、その7割の770万円を、企業などに貸出します。

そして、預金者が1100万円の払戻しに来ると、銀行の手持ちは、330万円。足りない770万円を、他の金融機関等から借ります。
日本国内の、全部の銀行が、毎日、毎年、この動きを繰返します。

当然、お金が足りません。アメリカから借りる金額も、毎日、毎年、増えます。

端的に言うと、以上です。貸出金の割合の多いのが、破綻の原因の一つ。


2. 膨張する金額👾

お金の足りなくなる原因は、他にも、色々あります。

まず、①預金利息と、貸出金利息。銀行業務そのもの。

預金を預かり、預金利息を支払う。それを工面する為に、貸出金を貸出し、貸出金利息を得る。
そう、金額が、増えています。架空の数値が発生し、そのお金が、動く時には、実体が必要になります。

銀行口座からの、現金払戻しは、分かりやすい。また、口座間の移動でも、そう。振込みや、口座振替も、銀行内では、お金が動きます。
銀行Aから、銀行Bに、お金が移動すると、三種類のお金のどれかが、動きます。①現金 ②現金同等物(短期) ③金融商品(長期)

最多が、②現金同等物(短期)。前記の、コール市場や、現先取引等。

また、②株取引も、そう。株価が上がる事で、投資家は、利益キャピタルゲインを得ます。

デイトレーダーの短期取引。株を安く買い、値上がりし、高く売る。差額の利益を求め、株の売買を、繰り返します。
それらは、架空の、数値の増加。しかし、銀行預金を引出したり、送金する時には、実体が必要になります。

株のキャピタルゲインも、預金利息や、貸出金利息と、同じ問題があります。
そして、お金が足りなくなり、他の金融機関等から、お金を借りる。全部の金融機関等が、この問題を抱えています。

銀行金融システム自体が、バグともいえます。必ずお金が足りなくなり、アメリカが工面し、戦争になります。

3. 現代貨幣理論 ポーンハッ

他にもあります。
悪化の原因は、国債発行。

日本国債は、日本国内の、企業・個人が、約9割を所有しています。が、お金の出処は、結局、アメリカ軍。

上記の、銀行業務の仕組み。
端的に言えば、銀行預金を払出すと、アメリカからお金を引出すのですから。

日本の企業・個人が、国債購入の代金を支払うと、銀行の中身は、アメリカからお金を引出します。
国債の発行さえも、日本自身の自給自足ではありません。

日本円の発行さえも同じ。通貨発行権で、自給自足してるなんて、錯覚です。
各段階で、アメリカから、お金が流入しています。日銀のサイトは、下記。

銀行券の発行

日本銀行法では、日本銀行は、銀行券を発行すると定めています。銀行券は、独立行政法人国立印刷局によって製造され、日本銀行が製造費用を支払って引き取ります。そして、日本銀行の取引先金融機関が日本銀行に保有している当座預金を引き出し、銀行券を受け取ることによって、世の中に送り出されます。この時点で、銀行券が発行されたことになります。(以下略)


しかも、そのお金が、各銀行間を行き来し、日本経済を巡ると、上記の、銀行金融システムの通り。

例だと、1000万円が、1100万円へ。お金が足りなくなり、アメリカから引出す金額が、増えます。

近年、銀行内の保有現金を増やし、払戻しに備えた銀行もあるようです。が、日本全体の解決には、なりえません。

保有現金は、日銀に預けた銀行預金も含みます。また、本当の現金は、流通量が限られています。全銀行が、その対策はできません。
そもそも、アメリカからのお金の流入は、無くせません。不可能です。

これまで見たように、銀行金融システムのバグが、複数あります。
まとめ 札束$

①貸出金の割合が多すぎ、お金が足りなくなる。銀行預金の7割までの金額を、アメリカから随時借りる。金額が年々、雪だるま式に拡大。

②利息とキャピタルゲインで拡大。③国債発行と日本円発行も、自給自足ではない。アメリカから随時、お金を引出す。

明治維新後、日本が開国してから、現在まで、ずっとそう。

全国銀行協会の統計。2023年10月末、国内の預金総額は、911兆円。国外分も含めると、2000兆円とも。

日本は、銀行預金2000兆円の、ほぼ全額を、アメリカの銀行金融システムから貰いました。

明治維新の少し後、1890年には、日本全国の銀行預金は、1.24億円(=現在価値2.48兆円)だけ。
本当です。当時の資料が、残っています。133年後の現在、2000兆円まで拡大。

それが、アメリカの銀行金融システムであり、手厚く保護された日本。
そう、明治維新まで、日本に、お金はありませんでした。

1890年頃の、人口は、4000万人未満。人口からも、異様に少ない金額。元々の日本は、木々と草、紙だけ。
当時、日本国民の約2%だけが、銀行預金を持っていました。三井三菱など、財閥家の華族たち。

その金額が、1.24億円(=現在価値2.48兆円)でした。今ほどの、お金持ちは、誰も居なかったのです。

次の記事で、日本の銀行の歴史と、各データを、見てみましょう。

次の記事は、コチラ↓



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