アジアは中国・韓国だけじゃない!インド、マレーシア、フィリピン、パラオ、台湾…日本軍は、私たちの祖先は、激戦の中で何を遺したか。
金田一春彦氏が生前に感激して絶賛した「歴史認識」を辿る旅がついに完結。感謝!賞賛!の声、声、声 日本人よ、自分の国を愛しなさい!
何事にも功罪、表裏、陰陽、二面性というべきものがある。
日本の大陸進出を巡って利害が対立する米英は、日本に対し徹底的な経済封鎖を行った。全面屈服か開戦か、事この時点に至っては、あの戦争は自衛戦争のといえなくもない。英米蘭の脅しに屈することなく、電撃作戦でその東南アジアの植民地を押さえた日本、なんとも痛快な、スケールのでかい戦争をやったものだ。
一方でそこに至るまでの日本に、驕りや外交的な敗北があったことも否めない。ジャーナリズムもこぞって感情的な強硬策を唱え、非戦論者を糾弾し、開戦の世論を形成させた責任がある。
米領フィリピン、蘭印、仏印、英領マレーシア、ビルマ、シンガポール、アジアの植民地の欧米の軍隊を次々と打ち破る日本軍に、大東亜共栄圏構築のための解放軍としての理念はあったろう。しかし、ナチスドイツの勝利を前提として独伊と軍事同盟を結び、濡れ手に粟でアジアの英米蘭仏の植民地を手に入れようとする魂胆もまた垣間見える。
インド、パラオ、フィリピン、マレーシア、台湾、これらの国々があの戦争と当時の日本軍に対し満腔の好意を寄せてくれるのは日本人として実にうれしいこと。反面、中国と韓国になぜここまで言われなければならないのかも考えねばならない。
欧米ならともかく、同じ黄色人種、それも東夷の国に敗戦なんて、自らを中華と呼ぶ国の矜持が許さないのだろう。電撃作戦で首都南京を陥落させられてもなお、その懐に日本軍を抱いて戦争を継続した中国、これでは日本の勝ちは絶対にない。この戦争を事変と呼んだ当時の日本に、どうやって終わらせるか、そのビジョンはあったのだろうか。満州は当時、実質的に中国の版図ではなかったはず。進出はここまでにして、後はリットン調査団の調査結果を傾聴するなどして、交際協調路線を取ることはできなかったのだろうか。
台湾同様に朝鮮に対しても日本は教育やインフラの整備等欧米諸国の植民地政策とは一線を画した政治を行った。特に北朝鮮の戦後の工業化を支えたのは、日帝時代の発電所などのインフラや工業設備のはず。にもかかわらず、日本の功の部分を全く認めず、今日全く相容れない歴史認識を持つに至ったのは、中国の一番弟子の文明国を自認する矜持ゆえだろう。
そんな国に対し、自虐的な歴史認識を元に自ら反日キャンペーンを行い、結果として大いに国益を損うこととなった朝日新聞など一部マスコミ報道の責任もとてつもなく重いのではないか。
などなど、思うところは多々ある。
この本は、大東亜戦争の功罪の、功の部分だけを抜き出して記した本である。日本人にとっては、涙が出るほどうれしい記述が満載の、実に心地が良い本である。自虐史観教育に頭をやられた日本人の思考回路をニュートラルに戻すのに役立つ。気持ちよくなりたいだけであれば、何も考えずに読むべし。でも、きっと、それだけでは足りない。歴史や先人に学んで、良識的な愛国心、自国の歴史に対する矜持を持ち続けたいものである。