「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらってもいいですか?」(枯野瑛) | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

終末なにしてますか?

 

“人間”は規格外の“獣”に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。

人間に代わり獣を倒しうるのは、聖剣とそれを扱う妖精兵のみ。戦いののち聖剣は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく。

「せめて、消えたくないじゃない。誰かに覚えててほしいじゃない。つながっててほしいじゃない」、死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

(「BOOK」データベースより)

 

ラノベにしては随分と悲惨な設定である。

石化から目覚めたら500年経っていて、人類は自分ひとりになっていたって、自分だったらそ時点で即自殺すると思う。

生き残ったヴィレムが得た職は軍隊の技術武官、実質的には兵器倉庫の番人だった。でも、勤務地は、幼子から15歳くらいまでの妖精の少女が暮らす、かつて自分が育った孤児院のような家。そして、ヴィレムは、彼女ら自身が15年の寿命しか持たない兵器であるという衝撃の真実を知る。

 

読んだきっかけはアニメ。ヴィレムが偶然出会った猫を追いかける少女・クトリと、雑然とした街を巡る冒頭のシーン。BGMはサイモンとガーファンクルの「スカボローフェア」、このシーンでおじさんはハートをつかまれてしまった。

 

壊れゆく妖精兵の少女・クトリと、最後の人間の青年・ヴィレムとの悲恋。アニメはもうすぐ最終回。どう考えても、ハッピーエンドとなる可能性は低いのではないかと、最悪の結末を迎えるのではないかと、いまからハラハラである。

ロリコンと言えば言え、この作品は確りと私の琴線に触れた。