「四畳半神話大系」(原作:森見登美彦、監督:湯浅政明) | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

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廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

四畳半神話大系

 

森見登美彦さんの原作ではなく、2010年にフジTVのノイタミナ枠で放映されていアニメの話。

このノイタミナ枠、「図書館戦争」「空中ブランコ」「屍鬼」、最近では「バッテリー」「舟を編む」、結構小説をアニメ化してくれるのでありがたい。

それが、今般、「夜は短し、歩けよ乙女」の映画化を記念して、全11話が深夜枠で再放送された。

当時、このアニメが、多分、自分が森見さんの本を読むきっかけになったのだと思う。

とにかくアニメとしてはかなり異色、浅沼晋太郎さん演じる主人公の独白が、早口で長い。

 

主人公は京都大学と思しき大学の3回生である「私」。下鴨幽水荘なるボロアパートに住み、プライドと理想は高いが、非活動的で社交性の低い地味な青年である。

大学入学を機にサークル活動を通じて「薔薇色のキャンパスライフ」を目論むも、不毛で無意義な大学生活を送る破目になる、そんな失敗続きの大学生活が時間を戻って繰り返される。

小説にはスターシステムを採用している森見さん、本アニメにも、樋口さんや羽貫さん、偽電気ブランや下鴨幽水荘、「夜は短し、、」や森見さんの他の作品にも登場するキャラやアイテムが出てくる。

 

アニメは、1クール3か月、11話という尺があったため、原作にはなかった並行世界のエピソード(鳥人間コンテストとか、英会話スクールとか)が挿入されている。アニメ⇒本⇒アニメと、3回本作品を鑑賞したわけだが、アニメオリジナルのエピソードも、違和感なく森見ワールドに溶け込んでいる。

 

「夜は短し、、」の映画化に続き、「有頂天家族」の2期もTVアニメ放映が決まっている。

この春は、森見アニメが中々に楽しい。