彼と音信不通になる前の
私の誕生日に
ピンクのダウンを
プレゼントしてもらいました。
私はダウンジャケットを着たことがない。
という話をしたら
すごく驚かれ
"軽くて暖かくてすごくいいよ"
と言われて
誕生日に一緒に選びに行くことに
なりました。
私は黒とかネイビーを
見ていたのですが
"あなたはピンクでしょ"
と彼が言うので
迷いましたが
ピンクを買ってもらったのです。
その年は暖かくて
結局は一度もそれを着て
会うことはなく音信不通に。
ダウンは本当に軽くて暖かくて
どうして今まで一度も
着なかったんだろう。
という位に気に入って
大切に着ていました。
ただ、ダウンに初めて
袖を通した時から
この姿は彼には見てもらえない気がする。
どこかでそう感じていました。
それでも音信不通になった
初めての冬には
きっと会える。
彼と繋がるものだからと
必死になってそのダウンを
着る日々が続き…
次の冬はLINEブロックも加わり
着るのが辛くなってしまい
クローゼットに寝かせたまま…
ピンクのダウンは大切なものだけど
見ると切なくなるもの
になってしまいました。
そして3回目の冬。
クローゼットを開けたら
必ず目にするピンクのダウンは
これを着れる日は
果たして来るのかな。
希望が持てない。というより
途方に暮れていたし
それが事実だ。と
理解しようと思っていました。
そして思ってもみなかった
突然の再会があり
ピンクのダウンを
また着たい。と思うようになって
着てみたらやっぱり着心地が良くて
頻繁に登場するようになりました。
着るようにはなっても
当然彼に見せるような機会はなく
そんな気持ちもありませんでしたが
先日、明日は彼と同じ仕事だ。と
分かった時に
見てもらえるかは分からないけど
着て行ってみよう。
と突然に頭に降りてきました。
仕事中は衣装に着替えるので
最初に事務所に行った時か
着替えて帰る瞬間しか
チャンスはありません。
もし、見てもらう運命ならば
タイミングが合うだろうし
合わなければ
今は必要ないということ。
流れに任せよう
と決めて行きました。
結果は帰り際に
見てもらえました。
遠くからでも分かるようなピンクだし
その後話したので
彼も分かったと思います。
それを見て
彼がどう思ったのかは分かりません。
ただの独りよがりなのかもしれません。
でも私は見てもらえて幸せでした。
その日は私から話しかけにいかなきゃ。
そんな風に思い
出会って5年以上経ちますが
職場で私から話しかけにいったのも
初めて。
ピンクのダウンを
今でも大切にしていること。
の意思表示も
いつも彼から伝えてもらって私が答える。
の繰り返しだったので
私発信で意思を伝えるのは
初めてでした。
それによって
彼がどう思ったか
どう受け取ったかは重要ではなくて
私にとって行動出来た事が
大きな意味を持つことでした。
この日のためにピンクだったのかと
思ってしまうほど。
切ないダウンで
終わりではなく
幸せなピンクのダウンに
なりました。
最高の誕生日プレゼントです。