私の田舎は九州で、本家の従兄弟が亡くなった時のお話です。

私は小さかったのでよくは覚えていませんが、従兄弟はずいぶんと仲良くしてくれていたそうです。

葬式の後、祖母が私をつれ、墓掃除に行ったそうです。

神道なので、正式のお墓ができるまでは小さな社が建てられ、社の中に榊の木が植えられます。

夕方の細いあぜ道をたどり墓地につくと、祖母は先祖代々のお墓のお掃除を始めました。

小さかった私は、従兄弟のお社に向かって、何やらゴソゴソとやっている様子......

祖母が近寄ると、私は落ちていた棒切れで、従兄弟のお社の中をつついていたそうです。

祖母があわててやめさせて、「なにをしているの!」と、しかったところ、

「中の木が動いてる」

と私.....

見ると周囲は薄暗くなった中、お社の中の榊の木が、風もないのにガサガサと大きく揺れ動いていたそうな。

祖母は血が引く思いで、私の手をつかみ、

墓地をでて畑の中のあぜ道を、逃げるように本家宅へ戻ったそうです。

いま思えば、従兄弟の私への別れの挨拶だったのかもしれません。

その話をしてくれた祖母も、もう既に亡くなり、同じ墓地に永眠しております。