プロ野球セントラル・リーグのクライマックスシリーズ・ファイナルステージは、横浜DeNAベイスターズが4勝2敗(広島のアドバンテージの1勝を含む)でステージを突破して、1998年の権藤博監督時の優勝以来、19年ぶりの日本シリーズ出場を果たしました。

 

 まずは、横浜DeNAベイスターズの選手の皆さん、見事な采配でファーストステージとファイナルステージ突破を果たしたラミレス監督、そしてベイスターズファンの皆様に祝意を申し上げます。

 

 先に日本シリーズ出場を決めているパシフィック・リーグの福岡ソフトバンクホークスに堂々と勝負を挑んでください。

 

 そのうえで、やはり今回のクライマックスシリーズ開催において露呈した問題解消に向けて、前回提案させていただいたものとは別の切り口で提案をしたいと思います。

 

 その前提にあるのは、今のクライマックスシリーズ開催におけるルール策定にやはり不備があるということをまず言っておく必要があります。

 

 それは、CS開催におけるゲーム差のことが全く考慮されていないということです。

 

 10/24の敗戦の後、「監督としての自分に責任がある」と敗者の弁を述べた広島の緒方孝市監督。

 日本シリーズ出場となった3位横浜DeNAベイスターズには、実に14.5ゲーム差をつけていました。

 2位の阪神タイガースとの差も10ゲーム差をつけての、ぶっちぎりの優勝でした。

 

 また、パシフィック・リーグでも1位の福岡ソフトバンクが、2位の埼玉西武ライオンズに13.5ゲーム差をつけてのこちらも文句のつけようのない優勝でした。

 

 1位から3位まで成績が拮抗してのCS開催ならともかく、やはりこれだけゲーム差が離れているのにも関わらず、CSを開催することの是非については前回の記事に書いた通りです。

 

前回の記事はコチラ!

 

 私個人の考えとしては、

 

「CS開催は不要。リーグ優勝チームが日本シリーズに出ればよい」

 

という部分は基本的に変わりません。

 

 というよりも今回の結果を受けて、ますますその想いが強くなりました。

 

(クライマックスシリーズに先んじて、2004年から2006年にかけてパシフィック・リーグで開催されていたプレーオフ制度でも2004年と2005年にリーグ優勝したホークス【2004年:ダイエー、2005年:ソフトバンク】がプレーオフを勝ち抜けず、日本シリーズ出場を逃したことがある。2006年には1位チームの北海道日本ハムがそのまま勝ち抜けした)

 

 しかしながら、興行面のことを考えるとCS開催をしたいという考えも理解できます。

 その前提に立つと今回する提案がその年のチーム成績のバランスを考えれば、一番わかりやすくファンからの不満も出にくくなるのではないかと思います。

 

 その提案とは・・・

 

 シーズン前後期制の復活。

 

 年間の試合をオールスターゲームを目安として、前期と後期に分けて試合を開催する、かつてパシフィック・リーグで行われていた方式を復活させ、前期優勝チームと後期優勝チームの間で日本シリーズ出場をかけたリーグチャンピオンシップを開催するというものです。

 基本骨子をまとめてみました。

 

【基本骨子】

①シーズンを前期・後期に分け試合を開催し、前期および後期の優勝チーム同士でリーグチャンピオンシップを開催する。

(前後期優勝チームの直接対決(前後期通算での対戦成績)での成績上位チームの本拠地で4試合、他方のチームの本拠地で3試合の7試合制とする)

※前後期で同一チームが優勝した場合は、リーグチャンピオンシップ開催をせず、そのチームを日本シリーズ出場チームとして確定する。

 

②交流戦の成績はリーグ成績とは独立させ、総合順位決定には組み入れない方式をとる。

 もしくは、不均衡をなくすため、隔年本拠地入れ替え制での交流戦を廃止し、各チーム本拠地での主催ゲームを各2試合(24試合制)ないし3試合(36試合制)での交流戦として実施し、日程編成上の事情を勘案し、前期日程成績に組み入れる。

(前後期それぞれに交流戦期間を設けることができるのであれば、日程編成段階でその期間を設ける。その場合は、その開催期間成績に組み入れる)

 

③個人成績については、今までと同じく、年間を通じての成績で記録する。

(ベストナインや沢村賞、MVPの選出なども年間の成績を基に行なう)

 

 基本としては、上記3つのポイントで骨子を考えました。

 

 交流戦の扱いをどうするか思案のしどころではあるのですが、来年すぐに24試合制ないしは36試合制にすることは日程編成の問題から難しいと判断し、一旦は「交流戦成績は別枠で考える」という提案としました。

 また、36試合制から24試合制を経て、現在の3連戦での隔年本拠地入れ替え制の18試合となった経緯を考えると、24試合制での開催が妥当かと考えます。

 

 交流戦についても、見直しが必要な部分があると思うのですが、それに関してはまた別の機会に。

 

 最後にCSのルールに対して不満を述べることなく、横浜DeNAベイスターズのラミレス監督に対して握手を求めた広島東洋カープの緒方孝市監督のスポーツマンシップに敬意を表し、この記事を締めたいと思います。

 

 今年のカープのようにリーグ優勝をしたことが形骸化してしまう現行のCS制度については、今年を最後に改めていただきたいということについては前回の記事と同じです。

 

 その解消のひとつとして、前後期制の復活を提案しました。

 

 何れにしてもバランスの取れた制度にしていただきたいというのが、ひとりのプロ野球ファンとしての願いです。