というわけで以前 にも予告した旧作ヤッターマン第39話の感想です。脚本は山本優さんだし、演出は富野喜幸こと富野由悠季さんと長谷川康雄さんの連名、作画監督は芦田豊雄さんでした。



冒頭、ドロンボーはカップラーメンばかり食べています。インチキ商売のネタも尽きてしまって金欠だからです。「長いことやっているとこういうこともあるのよー」というボヤッキー。そう。旧作ではインチキ商売を考えるシーンはほとんどありませんでした。この回くらいのものです。このあと、銀行から電話がかかってきたのがきっかけでドロンジョが銀行開業を思いつきます。なんと先着300名に限り利息50パーセントで客の一人が「10万円なら15万円」と言います。10万円へのこだわりがここにも見られます。札束の山を見ながらお金を数えるドロンボーでしたが、そこへ強盗が乱入し、すべて持ち去られてしまいました。直後にガンちゃん達がドロンボーのインチキ商売を知る場面が入り、その直後にまたドロンボーのシーンに切り替わります。そしてドクロベエ登場。なんとこの時にはガンちゃん達は窓のすぐそばに来ていて立ち聞きしています。ドクロベエ様は指令を伝えながら金欠のドロンボーのために大量の札束を出してくれます。とまあここまでで7分間しか使っていません。なんとテンポのよいことでしょうか。画面が切り替わるともうドロンボーメカができています。無駄なシーンはすべて削除。これはヤッターマン側も同様で、いつも挿入される「1,2が出たらヤッターワン、…」という説明をカットし、いきなり「6が出たからヤッターアンコウ」。こういうメリハリも大切です。



本当、旧作はテンポがいいし、無駄なシーンがありません。たぶん、山本さんが書いた脚本では定番シーンも全部網羅されているのでしょうが、絵コンテを描いた富野さんがバッサバッサと削ったのでしょう。説明の箇所は毎回入れられているから、大胆に削っても大丈夫なんでしょうね。削った分は冒頭のインチキ商売を考えるシーンに回したのでしょう。またドロンボーメカを作るシーンは削りましたが、エカコシストが悪魔払いをするシーンで「天才ドロンボー」が流れるので、ちゃんと定番は押さえています。新作のスタッフだったら、削っておしまいになってしまうでしょうね。



ところで、太田さんがガンちゃんだけでなくルドルフの老母の役もやっているような気がします。旧作はこういう一人二役が多かったですよ。富山さん(ナレーション)、滝口さん(ドクロベエ)、池田さん(ヤッターメカ)はしょっちゅうゲストの役をやっていましたし、桂さん(オモッチャマ)もドロンボーに電話をかける役などで何度か登場しました。昔は一人二役を演じる人が多かったです。



やっぱり、旧作の方が新作よりも数段面白いです。ヤッターマンという題名であんな駄作を作ること自体、詐欺に等しい行為ではないでしょうか。そういえば夏に映画を作るそうで似非ファン達は大騒ぎしていますが、このスタッフで作ってヒットするんでしょうかね。三池崇史監督が作った実写版はヒットしましたけど、今のつくりのままで制作したら大コケするのではないでしょうか。現時点で私は全く期待していません。