最近、私は地上波の番組を見なくなってしまいましたが、そういう人が他にも増えたのか、ある事件が起きました。なんと、今月に入ってTBSの全番組の視聴率が一桁となる日が二回も発生したのです。一回目は4月9日(木)。この日の最高視聴率朝ズバ水戸黄門の再放送が記録した7.2%でした。これだったら、新番組を作るよりも過去の名作を再放送した方が効率的だと言えるでしょう。この日最大の誤算は夜8時から放送した「木更津キャッツアイ・ワールドシリーズ」が5%台と低調だったことです。特別番組として映画を流したのが失敗だったのでしょうか。

ところが、通常番組を流した日も全番組が一桁を記録した日が出てしまいました。それが二回目となった4月14日(火)です。この日も水戸黄門の再放送は絶好調で8.7%でした。ただし、トップの座「リンカーン」9.4%に譲りました。ちなみに夜8時からの「キミハ・ブレイク」は8.5%で、日刊ゲンダイは「まったくブレイクしていない」と揶揄していました。

まあ、こんな惨状に陥るのも当然でしょう。バラエティーもドラマも民放は似たような作りの番組ばかり。制作者は視聴率増加を目的に小手先の技術に走り、肝心の番組作りをおろそかにし、結果、視聴者が離れて視聴率が下がると言う悪循環に陥っています。週刊朝日では倉本聰さんによる今の民放ドラマ批判の記事が載っていました。倉本さんは昔、「勝海舟」の制作体制を巡ってNHKと大喧嘩し、以後ずっとNHKでは仕事をしなかったというほど、ドラマ作りにはこだわる人です。その倉本さんは視聴率の代わりに録画率を導入してみろと言っています。まあ、私はその意見には賛成ですが、民放関係者はそこまで踏み込む勇気はないようです。CMを見ていないことが浮き彫りになってしまうからです。もはや末期症状と言ってもいいでしょうね。

今回はTBSに起きた現象ですが、遅かれ早かれ、他の局にもこのような事態は起きるでしょう。民放各局は安直な制作体制を改めない限り、誰もテレビを見なくなるという日がすぐにやってくるでしょうね。実際、倉本さんは民放のドラマは見ておらず、BSのドキュメンタリーをよく見ていると語っていました。