脚本は阿井文瓶。監督は深沢清澄。特殊技術は高野宏一。


MACステーションでゲン達は大流星を見ました。地上に到達する前に燃え尽きればいいが、とダンが呟くと流星に生物反応があることが判明。MACは出動しました。


さて地上には案の定怪獣が出現。地中に潜ろうとしていた怪獣は尻尾から火を噴きました。ゲンは、あれくらいの火の玉じゃびくともしない、もっと接近してください、と青島に言いました。青島はマッキー3号に尻尾への攻撃を指示。ということはゲンと青島はマッキー2号に乗っていたのでしょう。マッキー2号と3号が尻尾を集中攻撃すると地中に潜りかけていた怪獣が姿を現しました。


青島「奴が振り向いたら、すかさず撃て。」

ゲン「はい。」


そして怪獣が振り向きましたが、その姿を見たゲンは驚き、攻撃できませんでした。青島はゲンの手をどかせて攻撃しましたが、後の祭り。絶好の攻撃機会を逃したマッキー2号は撃墜されていました。


実はその怪獣はL77星にいた頃のレオの可愛いペットでした。懐かしさと驚きでゲンは攻撃できなかったのです。ゲンは故郷でロンと過ごした日々を思いだして呆然としていました。すると


青島「おおとり、見ろ。」


画面にはマッキー2号が撃墜されるのが見えました。あれ? 青島とゲンはマッキー3号に乗っているの? でもさっきは「マッキー3号に指示を出していた」場面が流れていましたよ。おかしいなあ。それはさておき、マッキー3号はロンをしばらく攻撃していましたが、結局、撃墜されてしまいました。


ロンは地下の火山脈に潜り込んでしまいました。当然のことながら青島は激怒。


青島「我々はもうこいつ(ゲンのこと)と戦うのは嫌です。」


ダンはゲン以外の隊員にマッキーの整備を命じて去らせた後、ゲンに言いました。


ダン「ゲン。L77星の生き残りはお前だけではなかったんだなあ。」


ダンはすべてを見通していたのです。ロンとの思い出を語り、さらに「僕には撃つことができなかったんです。」というゲンをダンは「甘えだ!」と一喝。ゲンは「ふるさとの星を失った悲しみは誰にもわかりません。」と言って反論しようとしましたが、ダンはその答えを予期しており、「一歩間違っていれば、お前もああなっていたというのか。」と返しました。なおも抗弁しようとするゲンにダンは「MAC隊員失格だなあ。」と言うのでした。


謹慎になってしまったのか、ゲンは公園の真ん中に生える木の下で「星空のバラード」を歌いました。この曲は名曲です。そのわきではカオルが友達と縄跳びをして遊んでいましたが、友達の母親がやってきて友達と話す様子を見て態度が一変。母からもらったキャンディーを分ける友達にそっぽを向き、挙げ句の果てにはキャンディーを奪って地面にぶちまけて捨て、さらにキャンディーを踏みつけました。友達が母親に甘える姿を見て嫉妬したのです。見かねて注意するゲンの言葉にもカオルは耳を貸しませんでした。やはり孤児になってしまったゲンは何も言えなかったのです。しかし、そこへ百子がやってきました。百子はカオルに謝るように注意。それでも聞かないカオルを百子は平手打ちしました。カオルは泣きながら百子をたたきました。そしてカオルは友達に謝りました。その後、百子はゲンに、カオルを叱らなかったことを責めました。何も言えないゲンに百子は言いました。


百子「寂しいからと言って、悲しいからと言って、何をしてもいいなんてものじゃないわ。甘えさせちゃいけないのよ。そんなのは同情にもならないわ。ましてや本当の愛情があったら、絶対に知らん顔なんかできないはずよ。」


この言葉はゲンに衝撃を与えました。ゲンの耳に、この言葉とダンの言葉が響きます。そこへラジオのニュースが。ロンの活動が活発になり、火山の活動が盛んになったというのです。


MACは噴火する火山のそばでロンが出てくるのを待ち構えていました。そこへゲンがやってきました。僕も連れてってくださいとダンに頼むゲンを青島はなじりました。青島が去った後、ダンは「怪獣を倒せるのか、」と尋ねました。ゲンが倒せると答えた後、他の隊員の信用を取り戻したら連れて行くとダンは言い、とりあえずレーダーの監視をゲンに命じました。そしてロンが出てきました。火山のエネルギーを吸収したロンはやはりパワーアップしており、マッキーは尻尾から発射された光線で撃墜されてしまいました。さらにロンは脱出したダンのパラシュートも口から吐く火炎で攻撃。それを見たゲンはマックロディでロンに向かっていきました。その様子を見るダンは心配そうな顔。結局マックロディは、一瞬無音になった後、ロンに破壊されてしまいました。


ダン「ゲン!」


するとウルトラマンレオが登場しました。レオはL77星でのロンと過ごした日々を思い返していました。ロンはさすがに戦意を喪失したのか、土下座した後、土の中に潜ろうとした…と思ったら、尻尾で攻撃してきました。不意打ちを食らった格好になったレオはしばらく抵抗しませんでしたが、ついにロンの尻尾を持って反撃に転じました。それからは一方的にロンを攻撃。観念したのか土下座するロンを見てレオはロンを小さくして助けることにするのでした。


そして友達と遊ぶカオルにゲンは一匹の犬をプレゼントしました。その犬の名はロンと言うのでした。


今回の話は故郷を失った者が敵味方となって再会するという定番の話です。また今回は特訓シーンが登場しません。さすがにこのテーマでは特訓シーンを入れる余地がなかったのでしょう。しかし、だからといって路線変更したわけではありません。その証拠に、ミスを理由に青島がゲンを敵視する場面が挿入されています。大人になった今になれば青島の心情も理解できるのですが、子供の頃は青島が嫌いでした。真の意味で今までとは別路線の話が展開されるのは第12 話になってから。本格的に路線変更するのは第16話になってからなのです。もっとも、特訓シーンは第21話まで存在しますが。


それにしても今の親は百子のように叱ることをしなくなりました。ゲンのように甘やかす人が多いです。本当の愛情があれば、子供を甘やかすのではなく、時には叱ることも大切なはず。今の親は私と同世代ですが、その人達にこの言葉を聞かせてあげたいです。昔は親以外にも先生や近所の人が注意した者ですが、今は「体罰禁止」とか「プライバシー重視」などと言った理由で注意しなくなってしまいました。モンスターペアレントやわがままな子供の増加はそのようなおかしな風潮のせいもあるのではないでしょうか。


(2009年1月24日追記)
そうそう。阿井文瓶は後に「特捜最前線」に参加しています。その「特捜最前線」で辣腕をふるっていたのが、長坂秀佳さんです。その長坂さんは後に「アクマイザー3」を書いています。アクマイザー3の主人公の3人(+1人)は悪魔族を裏切って人間の味方になったため、親友、元恋人、姉、師匠などと戦う羽目に陥りました。そのたびに主人公は「○○とは戦えない」と苦悩しましたが、この話で描かれていなかったことも描かれていました。それは、戦う相手の方も苦悩していたということです。この話がどこか説教くさい感じになっているのは、ロンの心情が全く描かれなかったことにもあるのかもしれません。ロンがただの悪い奴に終わっているのです。ウルトラマンレオに出てくる他の宇宙人や怪獣同様、ただの敵に据えただけなので、キャラクター性を深めると言う発想自体がなかったのかもしれません。

なお、「アクマイザー3」には田口成光が一本だけ書いていますが、路線変更後の参加だったこともあり、ごく平凡な話に終わっています。田口は「快傑ズバット」でも一本書いていますが、それまで長坂秀佳が確立していた作風とは微妙にずれたものになっていました。ズバットが32話で終わってしまったこともあって、後に長坂が「こんなことなら全部俺が書けばよかった」と嘆かせる一因にもなってしまいました。ちなみに長坂は「快傑ズバット」32話中30話を書いており、あの独特な作風を確立しました。ただし、全部を長坂が考えたわけではなく、小林旭の渡り鳥風にしたり「ズバッと参上、ズバッと解決」という口上は長坂が企画に参加する前にはすでに出来上がっていたそうです。