脚本は若槻文三。監督は山本正孝。特撮監督は矢島信男。今回のモチーフは浦島太郎です。
正体不明の潜水艇と思われる物体が海上でレーダーから姿を消しました。
さてトオルとカオルが海辺で釣りをしていてヒゲの船長(岡田英次)と知りあいました。しばらくして、村人達(上田忠好、阿藤快など)が集団で星人の子供をいじめ始めました。ところで村人の一人(上田忠好)は「化物だ。殺しちまえ、殺しちまえ、殺しちまえ。」と言っていましたが、自分の顔の方が化物みたいです。そこへヒゲ船長がかけつけ、リンチを止めました。船長はお守りとしているバロック真珠の塊を懐から取り出し、これをやるから許してやれと言いました。なんでも、「二年前、インド洋でハリケーンに遭った時も、このお守りのおかげで助かったんだ。」うーん、残念。インド洋に出るのはサイクロンと言い、ハリケーンとは言いません。それはとにかく、村人は星人の子供を許してやることにしました。
トオルから事件のことを聞いたゲンが村へやってきた頃、船長は星人の子供が海からやってきたことを知りました。船長はゲンの目を盗んで星人の子供を逃がしてやりました。星人はパラダイ星からやってきたのです。
夜。星人の子供は船長に、助けてもらったお礼にいいところへ案内してやる、二時間後に浜辺に来てくれ、と言いました。星人の子供が去った後、ゲンがやってきました。船長から星人の恩返しの話を聞いたゲンは危険だと警告しましたが、船長は人間の方がよっぽど危険だと言いました。そして、不漁続きで船から降りろと言われていることを船長はさびしそうに話しました。船長はよその国で他国の権利を侵して魚をとることが嫌になっていたのです。そこへ村人(阿藤快)がやってきました。星人の子供と似た大きなものに襲われたというのです。
約束の時間。海辺で待っていた船長の目の前にパラダイ星人の円盤が現われました。そして船長は円盤に乗り、海の中を航行しました。星人の女王が船長をもてなしました。星人はバロック真珠を取り返しており、船長に渡しました。
その頃、船長からバロック真珠を受け取った村人A(上田忠好)は真珠が無いと騒いでいました。村人B(阿藤快)が、独り占めにしようとしているのだろう、というと、パラダイ星人二人が登場。二人を襲いました。星人はゲンが現われたので逃げました。カオルは二人が昨日の子供の親だろうと考えました。先ほど村人Bを襲ったのも、彼らだったようです。復讐に来たのかもしれません。村人Aは前の夜に大きなカメのような物が海上に浮かびあがるのを見たとゲンに言いました。ゲンはそれが円盤だということを悟りました。
CMがあけて海岸を調べたゲンは船長のパイプを拾いました。相変わらず船長は歓待を受けていました。料理のおいしさに船長は御満悦。ワインのような飲み物を飲み干しても自動的にグラスが満杯になります。その時、船長はパイプを無くしたことに気がつきました。すると黄金のパイプがテーブルの上に出てきました。
パラダイ星人の女王「でも黄金のパイプでタバコは吸わないでください。」
船長は自分がパラダイ星人の子供を助けたから歓待を受けていることを知りましたが、地球の人間なら誰だって救うさ、と謙遜しました。女王は、地球の人間の中にも子供を殺そうとした者がいる、地球には心の中に悪魔の住んでいる人間もいる、と怒りに燃えていました。
村人Aと村人Bの前に星人が現われ、村人Aを倒してしまいました。村人Bからそのことを聞いたゲン達 MAC の隊員達は村人Aを救いだしました。皮肉なことに、村人Aは家にいる自分の子供を助けてくれとゲンに頼みこみました。ゲンは村人Aが星人の子供を殺そうとしたことを責めると、村人Aはそのことを反省しました。しかし、後の祭りです。二人のパラダイ星人はウルトラマンAで北斗と南がウルトラタッチで変身する時のように空中で回転して合体。キングパラダイになりました。キングパラダイの猛攻に MAC はかないません。あっという間に撃墜されてしまいました。キングパラダイの猛攻を見たゲンはウルトラマンレオに変身。キングパラダイはレオの敵ではなく、レオクロスビームで倒されました。
船長は海へは出ませんでした。そして黄金のパイプを吸ってしまい、老人になってしまいました。しかし、船長はそのことを気にも留めていません。新宿の街でパラダイ星人とのことを子供達に楽しそうに話すのでした。ナレーションがこう締めくくります。
ナレーター「広い世の中には不思議な体験をした人がいるものです。この老人のように。」
日本名作民話シリーズの第三弾となった本作は、ご覧のとおり、子供に媚びたナレーションはありません。浦島太郎を無理なく物語に組み込んでいます。この作り方だったら非難はあまり出なかったと思うのですが。今回の脚本を書いた若槻文三さんと田口成光らとの力量の差でしょう。また今回と次回は大木淳さん同様円谷プロ育ちの山本正孝が演出を担当しています。なお若槻文三さんは大阪でも「部長刑事」を手掛けており、東京と大阪を行ったり来たりしていたそうです。
それにしても、特撮ドラマに岡田英次さんが出るとは思いませんでした。円谷プロの作品では「恐怖劇場アンバランス」と「燃えて生きる」に出ていますが、いずれも「ウルトラマンレオ」とは毛色の違う作品です。私が岡田英次さんと言って思い出す役どころと言えば悪の親玉。水戸黄門 第三部では最終回で鹿児島藩の家老島津左京を演じましたが、彼の悪事の目的は藩政を握ることではなく、倒幕でした。未見ですが、柳沢吉保(山形勲)が雇った伊賀忍の成田三樹夫と中野征也とともに御老公の命まで狙いました。悪役ではないものの「高原へいらっしゃい」でも重厚な役を演じています。「太陽にほえろ!」では摘発の過程でテキサスが殉職することになった拳銃密売組織の親玉をふてぶてしく演じました。テキサスの仇をテキサスがかわいがっていた警察犬のジュンとボンがとります。余談ですが、ジュンという名は「太陽にほえろ!」で意図的に使われたもので、マカロニ、ジーパン、テキサスの本名はいずれも「ジュン(早見淳、柴田純、三上順)」で、ボンを演じた役者の芸名も「宮内淳」でした。またスニーカーの本名は「五代目のジュン」ということで「五代潤」になり、ラガーの本名は「淳の二代目」ということで「淳二」になりました。番組のパワーダウンが目立ったのでこの頃私は見なくなってしまいましたが、たぶん、DJの本名の「太宰準」も同様の経緯でつけられたのでしょう。