監督は前田勲。特殊技術は矢島信男。脚本は奥津啓二郎。今回は前回とは違って悲劇的な話です。この時期は迷走が目立ち、作風は変化に富んでいます。
ある夜。宇宙船が地球に襲来し、地上に激突しました。激突した地点では少女(松岡まり子)が祖父の老人(天本英世)を助け出していました。老人は大けがを負っていました。
MACは激突地点に急行しましたが、駆け付けた時には生物の反応も死骸も見つかりませんでした。しかし、ゲンが地球にはない物質を発見。ダンは付近のパトロールを強化することにしました。
その翌日。先ほどの少女がある医院で往診を頼んでいましたが、断られてしまいました。途方に暮れる少女はゲンと佐藤大介の乗るマックロディの前に飛び出してしまいました。ゲンは少女の顔に泥がついていたのでハンカチを貸してあげました。少女は顔を拭くと立ち去ってしまいました。佐藤はおかしな子だと思っただけですが、ゲンは何かを感じていました。そして宇宙金属を発見しましたが、佐藤にはそのことを黙っていました。
その夜。城南スポーツセンターで百子と梅田兄妹を送り出したゲンは先ほどの少女を見かけました。少女はゲンに助けを求めに来たのです。ゲンは少女が地球人でないことを見破りましたが、少女の助けに応じて老人の潜んでいる場所へとやってきました。高熱なので病院へ連れて行こうというゲンに、少女は言いました。地球人は信用できない。少女がゲンに助けを求めたのは、ゲンが地球人ではないことを見破っていたからでした。さらに少女はゲンのことをいい人だと言いました。それを聞いたゲンは老人の手当てをしました。手当てが済んだ後、ゲンは自分が拾った宇宙金属を少女に渡しました。それは老人が誕生プレゼントに少女にあげたものでした。それを聞いたゲンは少女の胸に宇宙金属をつけてあげ、よく似合うといいました。少女ははにかみました。なんだか恋人同士のようです。百子がいるのに、いいのか、ゲン。二人は星空を見上げ、お互いの星のことを言い合いました。ゲンの故郷は「悪い星人(マグマ星人のこと)に滅ぼされて」もうありません。少女の故郷はおとめ座のサーリン星。ちなみに少女や老人の胸についているマークは星占いのおとめ座のマークです。閑話休題。サーリン星はおとめ座で一番美しい星でした。ところが、老人の作ったロボットが反乱を起こしてしまいました。そのため、サーリン星の環境は一変。人々は皆殺しにされ、サーリン星はおとめ座で一番醜い星になってしまいました。少女と老人はサーリン星から逃げ出し、地球へとやってきました。しかし、安心はできません。ロボットにはまだ老人が必要なため、二人は追われていたのです。それを聞いたゲンは熱っぽく言いました。
ゲン「大丈夫。その時は MAC が、いや、僕が守る。守ってみせるよ。」
以来、ゲンは少女に夢中です。なんと百子と梅田兄妹からの誘いも断ってしまいました。それだけではなく、三人の前で陽気に口笛を吹き、百子に咎められると「MACのお仕事」とごまかす始末。完全に浮気状態です。同じ宇宙人ということで同情以上の感情を抱いてしまったのでしょう。しかし、ゲンは上空に怪しい物体が飛行していることに気づいていませんでした。陽気に口笛を吹いたり鼻歌を歌ったりしながら少女と老人のところへ行くと少女はいませんでした。老人はゲンに礼を言い、あと10日で動けるだろうといいました。そこへ少女が戻ってきました。少女は河原で咲いていた花を摘んできて、ゲンに名前を聞きました。ゲンが野菊だと答えると、少女はサーリン星にも似た花があったといいました。なんとなく「野菊の墓」をイメージさせるシーンです。もっとも「野菊の墓」では老人はおらず二人っきりでしたが。しかし、楽しいひと時は長くは続きませんでした。本部の白川隊員から通信が入ったのです。宇宙船が現われたのです。それを聞いた少女はロボット警備隊だと悟り、老人は「とうとうここまでやって来たか。」とつぶやきました。ゲンは自分が何とかするので、ここを動かないでくれと言いました。
ダンは命令するまで宇宙船へ攻撃するなと命じました。ダンは宇宙船へ呼びかけました。
宇宙船からの応答「我々はサーリン星ロボット警備隊だ。逃亡者を追ってやってきた。地球に危害を与えるつもりはない。逃亡者ドドルとカロリンを引き渡しなさい。」
それを聞いたゲンはダンの命令を無視して攻撃を開始。ところが宇宙船から顔のような物が出たかと思うと、胸のような部分から出る光線でゲンと佐藤の乗るマッキー2号は呆気なく撃墜されてしまいました。当然のことながら佐藤は「誰が攻撃しろと言った!」と激怒。二人は脱出しました。
宇宙船からの声「我々の力がわかっただろう。一時間だけ時間を与える。それまでに逃亡者ドドルとカロリンを連れてきなさい。さもなくば地球を破壊する。」
最悪の事態に陥りました。地上に降りたゲンはダンに叱責され、さらに一刻も速くサーリン星人を見つけ出すように命じられました。平山がその目的をダンに尋ねると、佐藤は二人をロボット警備隊に引き渡すのさと言いました。
ダン「地球の安全を守るためだ。仕方があるまい。」
あれ。ウルトラ警備隊時代のダンが言いそうにない意見を述べています。さては心境に変化が生じたのか? そのことにゲンは気づかず、ひどい、と反論しました。それを聞いた佐藤はダンを弁護。ダンはゲンがサーリン星人の居場所を知っていることを見抜きました。居場所を言えというダンの命令をゲンは拒否。ゲンは走り去ってしまいました。
ゲンはドドル老人とカロリンに逃げるように言いました。そして3人は一緒に逃げ出してしまいましたが、あっさりダンに見つかってしまいました。万事休すか。ゲンはダンをにらみつけました。ダンはゲンを無視してドドルとカロリンに言いました。
ダン「私は MAC の隊長モロボシダンです。さあ、急いでください。脱出用のロケットが用意してあります。」
ダンはウルトラ警備隊時代と気持ちは変わっていませんでした。立場上、ゲンに厳しい意見を述べていたにすぎなかったのです。それを察知したのか、宇宙船は攻撃を開始。ゲンとダンは二人をマックロディに載せました。ダンがマックロディを運転して逃げようとしましたが、宇宙船の攻撃に立ち往生してしまいました。ゲンはレオに変身。宇宙船に立ち向かいました。宇宙船は手足を出してロボット形態に変化。レオを圧倒しました。それを見たカロリンはゲンのことを思い出し、駆け出しました。カロリンはいつのまにか銃を持ち、ロボットに攻撃。ドドルはやめろと言いましたが、カロリンは聞きません。グロッキーになったままのレオを見て、カロリンはロボット形態に変化。
ナレーター「少女カロリンはロボットだった。」
このときのデザインがもうちょっとカッコ良ければよかったのですが…閑話休題。カロリンは空を飛び、ロボットのメカが露出している部分に体当たり。爆発してしまいました。それを見たレオは立ち上がりました。ここから真夏さんが歌う「ウルトラマンレオ」が流れます。カロリンの特攻を見たレオはロボットを圧倒。ロボットの左腕をもぎ、空飛ぶロボットにぶつけました。そしてレオキックでロボットの頭部を破壊。しばらくもがいた後、ロボットは仰向けに倒れて爆発しました。
多摩川の五本松のそばにカロリンの墓が建てられました。ゲンとダンは手を合わせました。
ドドル「たとえアンドロイドでも、この子は私の孫です。これから、ずっと一緒にいるつもりです。」
ゲン「じゃあ、ずっとこの地球で暮すんですか。」
ドドル「この子がここに眠っている以上、ここが私の故郷です。なあ、カロリン。」
ゲンはカロリンを思い出すのでした。
なおカロリンを演じた松岡まり子さんは、この直後に「仮面ライダーアマゾン」で高坂りつ子を演じました。死神博士や「平成教育委員会」レギュラーが有名な天本さんは円谷プロの作品では常連ゲストで、ウルトラQ、快獣ブースカ、怪奇大作戦、帰ってきたウルトラマンに出ていますし、マイティージャックではレギュラーで出演されています。余談ですが、私は1982年に土曜ワイド劇場で放送された「幻の断崖 恐怖の催眠療法 “眠らされて、私の体は…”」というドラマで天本さんが催眠術師役で出ているのを見たことがあります。山形勲さんに雇われ、山形さんの姪の坂口良子さんに催眠術をかけるのです。そのドラマでは珍しく荻島真一さんが悪役ではありませんでした。
また本作の脚本を担当した奥津啓二郎は『ジャンボーグA』で制作進行を務めた奥津啓治さんのペンネームだそうです。奥津さんは現在はネットウエブ という会社でプロデューサーとして活躍されているそうです。奥津啓治名義でも脚本を書かれていて、1983年にフジテレビの月曜ドラマランドで放送された「ぐうたらママ」などの脚本を書かれているそうです。