脚本は若槻文三。監督は外山徹。特撮監督は大木淳。

夜。ランを育てている温室の中をトオルと友達が歩いていました。すると不気味な女の泣き声と不気味な音が聞こえてきました。トオルはテープで音を録音しました。友達が帰ろうよと言いましたが、トオルは帰りたがりません。なぜか近くにはカオルが来ていました。トオル達は植木鉢が落ちる音と洋服を引っ張られたことに驚いて逃げ去りました。すると入口に人が。驚いたトオルは尻もちをついてしまいましたが、入口にいたのは

カオル「お兄ちゃん。」

トオルの話を聞いた MAC 隊員は大笑い。一人、ゲンだけが浮かない顔です。街に出たゲンはトオルを呼びとめましたが、トオルは MAC 隊員が自分の話を幽霊だと一蹴したのを怒っていました。

その夜。トオルと友達は近所のお兄さんを連れてあの温室を訪れていました。お兄さんはトオルの話を信じたわけではありませんでしたが、温室の中に入って行きました。トオルと友達は昨日のことがあるので中には入りませんでした。そして、悲劇が起こりました。お兄さんは中でネグリジェを着た女に遭遇。女が口からはいた怪光線を浴びて蝋人形のようになってしまいました。

警察からしらせを受け、ゲンが温室に駆けつけました。女は近所のガード下にも現れ、車に乗った女性を蝋人形化してしまいました。

ゲンから話を聞いたダンは、それがアトラー星人の仕業であることに気がつきました。アトラー星人はダンも恐れる力の持ち主。ダンはアトラー星人のために全滅した惑星を見たことがありました。その惑星の生物は皆蝋細工のようになって死んでいたのです。しかもアトラー星人は一度地球に近づいたことがありました。「地球防衛隊」の隊員達がアトラー星人を追跡しましたが…とまで言ったところでダンは黙ってしまいました。ゲンがその続きを聞くと

ダン「全員、蝋人形のような死体になって地球に帰ってきた。」

ゲンは必ずアトラー星人を倒すことを誓いましたが、ダンは、今までの技では倒すことはできない、それどころか、レオが…とまで言ったところでまたもやダンは黙ってしまいました。ゲンが続きを促すと

ダン「レオが蝋人形のようになって死ぬようなことがあるかもしれない。」

ゲンは絶句してしまいました。悩むゲンを見てダンは「頼むぞ。決しておまえひとりを死なせない。」と誓うのでした。

トオルから青島がテープを借りてきました。それを聞いたダンは、あの泣き声がアトラー星人の呼吸音であることを指摘しました。空気のないアトラー星から地球に来たので、このような音がするのです。

アトラー星人がまた出現しました。例の泣き声と不気味な徘徊音がしています。ちなみに徘徊音の方は「怪奇大作戦」の「青い血の女」という話で「あれ」が操る殺人人形が徘徊するのと同じ音が使われています。「青い血の女」も若槻さんが書いていますが、今回同様、怖い話でした。閑話休題。アトラー星人が現れたマンションの一室には百子が寝ていました。百子は旅行中の友人に頼まれて留守番を頼まれていたのです。百子は泣き声と徘徊音に気付き、MACのゲンのところに通報。誰かが襲われたのか悲鳴が聞こえました。ゲンは隠れて声を出さずに潜んでいるようにと言うと、百子のところへ急行しました。電話が切れると同時に百子は通路を不気味な女が徘徊するのを目撃。ガラスが割れる音や悲鳴が聞こえるので百子は生きた心地がしません。そこへゲンが到着。ダンの乗るマッキー3号もマンション上空に到着しました。ゲンはダンに百子の無事と百子以外の住人が犠牲になったことを報告しました。マッキー3号を目撃したアトラー星人は巨大化して暴れまわりました。

夜が明けてマッキー3号は戦闘機をひきつれてアトラー星人を攻撃。しかし、全機アトラー星人に撃墜されてしまいました。アトラー星人は胸から光線を発射します。パラシュートで降下したダンは駆け付けたゲンに警告しました。アトラー星人の光を浴びてはいけない。蝋人形のようになって死ぬ。ゲンは止めるダンを振り切ってウルトラマンレオに変身しました。ダンはゲンを援護するためにウルトラ念力を発動。対ツルク星人戦以来です。ウルトラ念力の力でしばらくレオはアトラー星人と互角に戦っていましたが

ダン「ダメだ。レオ。レオ。」

消耗したダンは倒れてしまい、ウルトラ念力を使うことができなくなりました。目に隈ができていて、痛々しい姿です。すかさずアトラー星人は胸から光線を発射。なんとかレオは光線を避けていましたが長続きせず、劣勢に陥りました。そしてレオの足に光線が浴びせられ、レオは動けなくなってしまいました。アトラー星人はレオに頭突きをくらわせました。仰向けに倒れて動かないレオを見て満足したのか、アトラー星人はとどめを刺さずに去っていきました。

ゲンが気がつくと、ゲンを助け起そうとするダンの姿が目に入りました。二人とも消耗していました。ゲンはトオルと友達の姿を見かけました。トオルは「星人をやっつけるんだ。」と言いました。トオルの友達のまさおの家族はみな殺されてしまいました。トオルはまさおのためにアトラー星人を倒すというのです。

MAC本部に戻ったゲンは負けたことを悔しがりました。するとダンは戦いはまだ終わっていないと言いました。今までの展開なら常軌を逸した特訓をするところですが、今回は違います。ゲンは自分には技も力もないと消沈していましたが、ダンは「俺達がやらなければ誰がやる。誰がやるんだ!」と叱咤しました。はっと我に帰ったゲンはアトラー星人を倒すことを改めて誓うのでした。ではどうやって倒すのでしょうか。

ダンとゲンはマッキー2号で出動しました。まずマッキー2号はアトラー星人の弱点である胸の花を集中攻撃。続けてマッキー2号は分離。ダンは円盤部に残り、ゲンはロケット部に搭乗。ここで「戦え! ウルトラマンレオ」が流れ始めました。ゲンはきりもみ上に飛んでアトラー星人の花に体当たり。レオに変身すると苦しむアトラー星人にエネルギー光球を発射してアトラー星人を倒すのでした。

今回から新しい脚本家が加わりました。この話を書いた若槻文三さんは飯島敏宏さんの縁からウルトラシリーズに参加した脚本家です。「ウルトラマン」から円谷プロの作品に参加。「ウルトラセブン」、「怪奇大作戦」の脚本を執筆。「ウルトラマンレオ」の直前は「ファイヤーマン」のメインシナリオライターを務めていました。ウルトラシリーズの他には朝日放送の「部長刑事」を手掛けています。今回は「怪奇大作戦」でも得意としていたホラー調の話です。また今回から路線変更され、特訓は基本的に廃されることになりました。これは視聴率低迷に伴う策で、初回に 17.9% を記録した視聴率は右肩下がりで下がり、この頃は第5話から第12話までは12~13%台をウロウロするようになっていました。そして第15話は11.2%、第16話は10.7%にまで下がってしまいました。

ただ、この路線変更が受け入れられたわけではありません。第16話の視聴率は10.9%。第17話の視聴率は記録に残っていませんが、第18話はついに一桁の 8.2%にまで落ち込みました。この時期になって路線変更しても、すでに見るのをやめた視聴者はもはや戻ってきませんでしたし、今までの雰囲気になれていた視聴者には路線変更で変わってしまった雰囲気になじむことができなかったからでしょう。視聴率低下に伴って路線変更した例は多々ありますが、成功例は非常に少ないです。路線変更が成功したのは「仮面ライダー」くらいではなかったでしょうか。「仮面ライダー」は主役を本郷猛から一文字隼人に変更し、それに伴って怪奇色の強い作風からアクション重視の娯楽作品に転換することによって大ヒットしました。しかし、これは視聴率低下に伴うものではなく、本郷猛役の藤岡弘がバイクの事故で出演不可能になってしまったのに伴ってとられた措置です。本当の意味で視聴率低下に伴う路線変更が成功した例は私は知りません。やはり、初めが肝心なのだと思います。初期で視聴者の心をつかまなければ、作品の成功はあり得ないと思います。