脚本は田口成光。監督は外山徹。特殊技術は大木淳。
夜の東京にフリップ星人が現われましたが、MACの出動に気がついて姿を消してしまいました。
さてゲンは百子が自分以外の服を手洗いしているのが気に入らない様子。梅田兄妹とアイスクリームを食べに行きました。ウルトラマンレオが獅子座L77星の生まれだという話をトオルとゲンがしていると、カオルが一人の男(潮哲也)がさっきからずっとこちらを見ていることに気がつきました。そのただならぬ表情にゲンがアイスクリームを食べるのも忘れて見入っていると、男は足を滑らせて転びそうになったウェートレスを助け起しただけではなく、ウェートレスが落としそうになったトレイも空中で受け止めました。かなりの使い手です。そこへ百子が現れ、男に「津山さん、お待ちどう様。」と呼びかけました。その親しそうな様子を見たゲンは面白くありません。百子と津山は外へ出て行きました。
ゲンが百子と津山のことを考えてぼーっとしているところへ、フリップ星人出現の連絡が入りました。ただちに現場へゲンが駆けつけると、そこには津山と百子もいました。フリップ星人はバルタン星人のような声で笑って(?)います。ゲンはフリップ星人と闘おうとしましたが
津山「MACには無理だ。星人は倒せない。」
馬鹿なことを言うな、とゲンが言うと、なんと
津山「君には無理だ。」
ゲンはフリップ星人と闘いましたが、津山の言葉通りになってしまいました。フリップ星人は分身してゲンを翻弄し、ゲンを倒しました。フリップ星人は津山に襲い掛かりました。しかし津山はフリップ星人の分身に惑わされることはなく星人を撃退。それを駆け付けたダンが見ていました。さすが獅子丸。偶然にもウルトラマンレオとはライオン(獅子)つながりです。さらにトオルとは「風雲ライオン丸」以来の再会です。
基地でダンはゲンがフリップ星人に倒されて命を落としそうになり、さらに津山に助けてもらったことをゲンに告げました。ゲンは、そんなことはない、津山に星人を倒せるはずがない、と信じようとしませんでしたが、ダンは津山は等身大のフリップ星人と五分に渡り合うことができると言いました。しかし、津山が絶対に勝てるとは言い切れません。ダンはフリップ星人を倒すのは自分とゲンの役目だといい、ゲンに津山のところへ行ってフリップ星人打倒策を習うように命じました。
ゲンは津山のいる「黒潮流・空手野外道場」(この道場名はこの後の伏線)へ行きましたが、洗濯物を届ける百子の姿を見ると津山には会わずに引き返してしまいました。津山に嫉妬したのです。ゲンは一人で闇雲に特訓。そこへフリップ星人出現の報せが入りました。ゲンは現場へ急行。多摩川そばの五本松でMAC隊員はフリップ星人と闘いましたが、星人に翻弄され、犠牲者(荻原信二)が出てしまいました。ダンは松葉杖に仕込んだマシンガンを使って星人を撃退しましたが…
当然のことながらダンはゲンを責めました。五本松そばの堰でダンはゲンを打ちすえました。ダンはゲンが津山に教えを請わなかったことを見抜いており、人の命を救うために津山に教えを請うことが恥ずかしいことか、それより身勝手な理由(津山に対する嫉妬)で教わろうともしないで逃げ出すことの方がはるかに恥ずべきことではないのか、百子もスポーツセンターの子供達もみんなゲンがそんな男ではないと信じている、おまえはウルトラマンレオなんだぞ、と言いました。百子の名前を出すあたり、ダンが指導者として成長したことがうかがえます。
ようやくゲンは津山の元を訪れました。ゲンは津山の背後から津山に向けて紙飛行機を飛ばしましたが、津山はそれをしっかりと受け止めました。津山はMACのことが好きではない、自分で自分を守るために空手を習った、百子の口添えさえなければゲンに教える気にもならなかった、と言い放ちました。しかし津山は、自分がどんな技をゲンに教えればよいのかを理解していませんでした。ゲンは、分身の術で何人もいる星人のうちどれを倒せばよいのかを教えてくれ、と言いました。するとフリップ星人と闘ったはずの津山は意外なことを言いました。
津山「星人が何人もいるんですか? 不思議なことをいう人だ。」
ゲンがあの時のことを言うと
津山「星人は一人しかいなかった。」
ゲンが分身術のことを言うと、津山は突然笑い出しました。
津山「なるほど。あなた方は不便だ。」
この意外な言葉の意味をわからせるためか、津山はつづけてこう言いました。
津山「おおとり君。その辺のボールを私に向かって投げてみたまえ。」
津山は目をつぶったままでゲンの投げた球を全球よけることができただけではなく、ゲンの投げた球を受けることさえできました。実は津山は盲目でした。だから津山はフリップ星人の分身術など見えなかったのです。しかも津山は鋭敏な感覚を持っていました。そう。今回の特訓は分身術の定番の対抗策である心眼をマスターするというもの。津山はゲンの目をつぶらせ、ボールを投げつけました。しかし、ゲンはボールをよけることができませんでした。
津山「僕のボールは百発百中のはずだ。君は一発も避けることができない。目の見える人は不便だ。」
津山のところから帰ったゲンは猛に次々とボールを投げさせました。こういうシーンは今までの定番でしたが、これも今回で最後。ついに心眼をマスターしたゲンはボールをキャッチし、さらに投げ返して猛に命中させることに成功しました。そこへ松葉杖が飛んできました。ゲンは松葉杖をキャッチし、誰が投げつけたのかを悟りました。
ダン「ゲン、見事だ。」
ゲン「隊長。」
ダン「免許皆伝だ。」
ゲン「本当ですか。」
そこへフリップ星人襲来の報が。フリップ星人はまるでウルトラマンが巨大化する時と同じような音で巨大化。ゲンはウルトラマンレオに変身しました。真夏さんの歌う「ウルトラマンレオ」が流れる中、レオはフリップ星人と闘いました。闘いは優勢のうちに進みましたが、「ウルトラマンレオ」が鳴りやんで星人が分身すると様相は一変。レオは分身術に翻弄されました。これを見たダンはなんとレオの方を攻撃し始めました。心眼を会得したはずなのに苦戦するレオに激怒したからです。しかし、MACの隊員がそのことを知るはずがありません。
青島「隊長、何をするのですか?」
ダンは青島からの無線には答えず、マッキー3号から泡を噴射してウルトラマンレオの目を潰してしまいました。盲目になって倒れたレオはようやく猛との猛特訓を思い出しました。ここからヒデ夕樹が歌う「戦え! ウルトラマンレオ」が流れ、レオの活躍が始まります。心眼を会得したレオの前にフリップ星人はかなうはずもなく、エネルギー光球で倒されてしまいました。飛び去るレオを見てダンの表情は明るくなりました。
ダンは病室でゲンの目から包帯が取れるのを見届けると、さっさと立ち去ってしまいました。入れ替わりに津山が現れました。実は津山は百子と同じ黒潮島の出身。ギラス兄弟の襲撃 からただ一人生き残りましたが、その時に目が見えなくなってしまったのです。
津山「あの時、どうしてMACがもっと活躍してくれなかったのかと、僕は何度も恨んだ。
MACは何もできないとさえ思っていたんだ。」
ゲンは津山のことを理解しました。
津山「しかし、君のように勇気のある人もいることがわかったんだ。」
津山は手を出し、ゲンと握手。ゲンは「勇気のある人は隊長…」と言いかけてダンがいないことに気がつきました。
夕日が沈もうとする中、ダンは五本松に花を供えて拝んでいました。さっきまで病院のベッドで寝ていたのに、ゲンはいつの間にか隊員服を着ています。
ダン「勇敢な MAC の隊員を失った。失った命は返らない。ゲン、わかるか。この先どんな宇宙人が現れるかもしれん。一人の犠牲者も出さずに闘うことは難しいことだ。だが、俺達はそれをやらねばならん。ゲン、頼むぞ。」
夕日が沈む中、ゲンは「はい」と答えるのでした。
正確には北海道ロケの時も登場しますが、長く続いた特訓の話も実質的にはこれでおしまい。今回は今までの特訓とは違って常識的な内容になっており、今までの反省が活かされているようです。ただ今回の特訓で心眼を会得したはずなのに、後の対ドギュー戦では盲目になって苦戦してしまうという困った現象が起きてしまいました。
今回、MACの隊員が一人殉職しますが、これは今回に限ったことではありません。第14話でも8名の隊員が犠牲になったことが語られています。この殉職率の高さは歴代防衛組織の中では際立っています。またこのことに象徴されるように MAC は歴代防衛組織の中で際立って弱かったです。何しろ MAC の戦力だけで倒したといえるのはバイブ星人と第18話の吸血こうもりの大群だけ。バイブ星人はダンの搭乗したマッキー3号の特攻によって倒されたので、実質的には吸血こうもりだけが地球人だけで倒したと言えるのかもしれません。この MAC の弱さもウルトラマンレオの弱点の一つだったと言えるでしょう。何しろ前作では ZAT がかなりの数の怪獣を倒しているのです。思いつくだけでもコスモリキッド、改造ベムスター、改造ベロクロン二世、ムルロアなど、強敵を倒しています。しかも ZAT はかなり明るい雰囲気の組織で主人公が責められることはあまりありませんでした。常にゲンが責められる MAC とは大違いです。この MAC の雰囲気がウルトラマンレオの視聴率低下を招いたと言えるでしょう。のちに隊員が一新されて MAC の雰囲気は明るいものになりますが、MAC の弱さは最後まで改善されることはありませんでした。結局 MAC は途中で全滅して存在そのものが抹消されてしまいますが、それでも今までとはあまり変わらない雰囲気で話が進んでしまうあたりが、MAC の存在意義のなさを象徴していると言えるかもしれません。