脚本は阿井文瓶。監督は筧正典。特殊技術は矢島信男。前回までとはうってかわってコメディタッチの話になりました。


スポーツセンターの面々がランニングをしているのを一人の男(東隆明)が眺めていました。男はアフリカのマサイ族のような格好をしていました。そこへ怪獣バンゴが出現。逃げるゲン達の前に男が現れて奇妙な踊りをはじめました。それは何かというと


男「サイマ族の戦闘の踊りと祈り。」


男は踊りと祈りが終わった後、怪獣に突進。怪獣はなぜか男の動きに興味があるのか、男の動きを真似ました。男が槍を投げると怪獣の鼻に命中。怪獣は鼻息を噴射すると男はよろけてしまいました。そして怪獣は地下に潜って退散しました。MAC本部に連絡しなければというゲンに男が「もう連絡しましたで」と言いました。実は男はMACの佐藤三郎隊員で、任務はゲンについて都内をパトロールすること。奇妙な格好をしていたのは3日前までアフリカにいたのでした。思わず猛は「本当に MAC の隊員か?」と尋ねました。三郎はいつもこの質問を受けると言うらしく、袋から MAC の隊員服とライオンの尻尾を取り出しました。なんでもライオンの尻尾で頭をなでると男の子は強くなり、女の子は「別嬪さん」になれるというのです。その様子を見た猛は怪訝な顔でした。


スポーツセンターで隊員服に着替えた三郎はマックロディに載ることになりましたが、蔵ばかり乗っていたので運転はできないとのこと。計器を見てくれというゲンに、三郎はジャングルに住んでいたので鼻でかぎ当ててやると豪語しましたが、すぐに居眠りを始めてしまいました。大物です。しばらく寝た後、時計を見て、そろそろお昼にしましょう、と言って大きなおにぎりを取り出しました。そして、あの丘の上で食べましょう、と言うのでした。ゲンは三郎のペースに乗せられてしまい、そうしましょうか、と応じました。


さて丘の上でゲンは三郎におにぎりをごちそうになっていると、三郎がおにぎりを落としてしまいました。おにぎりは転がって穴の中に落ちてしまいました。ああもったいなあ、と言って三郎が穴をのぞき込むとなぜかおにぎりが「戻って来よった。」そこでおにぎりを食べてみて、三郎は何かに気がつき、ゲンを呼び寄せました。そして三郎は穴に飛び込んで調べようとしましたが、すぐに風のようなもので戻されてしまいました。そこで三郎はタバコに火をつけ、そして「MACの隊員としてはいつもはもみ消してから、灰皿に捨てるんだっせ。」と細かいことを言いながら、火のついたタバコを穴の中に投げ入れました。すると穴の中から煙が噴射され、穴の周りの土が崩れ始め、そこから怪獣が登場しました。もうおわかりでしょう。

三郎「あの穴は怪獣の鼻の穴やったんやなあ。道理でおむすびがちょっとしょっぱくなってましたわ。」


ゲンと三郎はとりあえず退避。MAC本部に連絡しました。怪獣は団地を襲いました。ゲンと三郎はマックロディで攻撃。マッキーも駆けつけました。


三郎「来た来た。これで安心や。」


三郎は任務も忘れて高見の見物。結局


三郎「あかんなあ。」


何を考えたのか、三郎はまたも一人で突進です。怪獣は遊園地へ向かっていきました。三郎はアドバルーンに注目。綱をよじ登っていきました。そしてついにアドバルーンの上に乗っかるとなぜかタバコを吸い始めました。怪獣は三郎を見て怪訝な顔。ゲンは降りてこいと言いましたが、三郎は怪獣がアドバルーンに手をかけた瞬間にアドバルーンに火をつけて爆発させました。しかし、自分も落ちるのを忘れていたため、落っこちてしまいました。三郎はそれでも涼しい顔。なぜか怪獣も逃げてしまいました。


スポーツセンターに戻った三郎はライオンの尻尾を持って遊んでいました。そこへ怪獣出現の報。怪獣はコンビナートを襲っています。怪獣は火のついたガスタンクをマッキーに投げつけました。ガスタンクは爆発し、マッキーは墜落。しかし、怪獣の目的はマッキーを墜落させることではなかったのです。怪獣は火のついた棒のようなものを持ち、三郎のように火を使ってアドバルーンを片っ端から破裂させて回りました。


三郎「あいつ、わいの真似をしよってからに。」


アドバルーンがなくなると怪獣は寝ようとしている様子です。それを見ていたゲンはある作戦を思いつきました。怪獣はおもしろいことなら何でも真似をする。MACの制服は伸縮自在。三郎の服にガスを入れて、三郎が息を吸ってふくらませるように見せかける。つまり、イソップ童話のカエルのようにしようというのです。三郎はこの作戦に乗りました。ゲンの考えたとおり、三郎が服を膨らませたのを見て怪獣は興味を示しました。自分も真似して腹を膨らませました。怪獣は自分も三郎のように浮かぼうとしたのですが、浮かびません。なぜだろう。怪獣は三郎がタバコを吸っているのを見て、煙突を引き抜き、煙突をくわえて煙を吸い込み始めましたが、むせてしまいました。この鼻息で三郎をつないでいたロープが切れてしまいました。ゲンはウルトラマンレオに変身。


三郎「おおきに。」


レオは三郎を下におろした後、怪獣と格闘を始めました。レオは優勢のうちに闘いを進め、ビームランプからの光線を怪獣に浴びせました。そして尻尾から特殊ガスを吹き込んで膨らませ、宇宙の彼方へと飛ばせてしまったのでした。


さて事件解決後、三郎は雪男を捕まえに旅立つことにしました。ダンはなぜか敬語で「やはり行きますか。」と言って送り出すことにし、猛は、自分は気弱なところがあるのでライオンの尻尾を譲ってほしい、と頼み込み、尻尾を譲ってもらいました。


ゲン「あのう、本当にライオンの尻尾でしょうか。」

ダン「こないだはイボイノシシの尻尾だと言ってたなあ…おもしろい人だ。」


三郎はスポーツセンターの人達に見送られて旅立つのでした。


この話を最初に見た時に私は「なぜこのように普通にレオが怪獣を倒す話を今まで入れなかったのだろうか」と思ったものです。レオだってウルトラマンなのですから、レオよりも弱い怪獣がいても良いはずです。今までのようにレオよりも強い怪獣ばかり登場して特訓ばかり続くというのでは、どうしてもワンパターンに陥りがちです。それに特訓をするということはそれだけレオが強くなったと言うこと。レオが強くなったのですから、レオを特訓させるには、後で登場する怪獣はそのレオよりも強くなければいけません。これでは強さのインフレ現象が起きてしまいます。序盤はこれでも良いかもしれませんが、特訓話が進むにつれて序盤よりももっと強力な怪獣を出さなくてはならなくなってしまい、収集がつかなくなってしまいます。これで破綻しかかったのが「ドラゴンボール」や「キン肉マン」です。いずれの作品も主人公が強くなるにつれてもっと強い敵を出さざるを得なくなり、ついには主人公が神よりも強くなってしまいました。「ドラゴンボール」の作者の鳥山明は早い段階で作品を終わらせようと意図した形跡がありますが、編集部がそれを許さず、えんえんとこの構図が続くことになりました。「ドラゴンボール」の連載終了後、鳥山明はあまり漫画を連載していませんが、おそらく「ドラゴンボール」の仕事で疲弊してしまったのでしょう。


とりあえずコミカルな作品が挿入されたのですが、これでも明確な路線変更にはなりませんでした。この後、3話ほど特訓話が入ります。田口成光と阿井文瓶には一度決めた路線を逸脱することは思いもよらなかったのでしょう。本格的な路線変更には若槻文三さんや石堂淑朗さんの参加を待たなくてはならなかったのです。