ただいまTBSチャンネルで放送中。

このシリーズ、前も見たことがあるのですが、そのときは旅の目的地の鶴岡に到着して事件が解決したところから見たので、以後は帰り旅になってしまいました。ですので行きの部分を見るのは初めてです。


さて前回、庄内藩の若侍浜中弥太郎(あおい輝彦)とその道案内役のお美代(清水久美子)から庄内藩の窮状を聞いた光圀(東野英治郎)は、傷ついた弥太郎を西山荘に残し、庄内藩へ出発しました。その途上に立ち寄ったのが二本松です。


さて冒頭、光圀はじゃじゃ馬の妙姫(遙くらら)が馬で疾走するのを見ます。その様子を薬売り(和田浩治)が見ており、「おもしろそうな姫君だな。」とつぶやきます。この薬売り、なにかありそうです。


八兵衛(高橋元太郎)は二本松の祭りに興味津々の様子。それを助さん(里見浩太朗)に咎められますが、実は助さんも軽い性格なのでお祭りには興味があります。そのため、八兵衛は仮病を使って助さんと一緒に抜け出すことを考えました。まず風呂に入る光圀と角さん(大和田伸也)に、風邪気味なので風呂は遠慮したいと言います。残った美代には、腹も痛くなったので医者に行きたい、と言いました。こうして八兵衛は脱出に成功。ちなみに助さんも、八兵衛を連れ出す、という名目で、これ幸いと一緒に出てしまいました。

ちょうどその頃、二本松城では妙姫と内藤源三郎との見合い話が進んでいました。仲人口は信用できない、と妙姫はお見合いに気乗りではない様子。腰元と着物を交換して外へ出てしまいました。それを知った城代家老大矢主馬(小栗一也)は困ってしまいました。


ここまで来るともう展開は読めたでしょうが、なんと助さん達と妙姫はばったり出会ってしまいます。ところがすぐに仲良くなるわけではありません。女中がお城から抜け出したと思って気安く話しかけた八兵衛を妙姫は「無礼者!」と一喝して立ち去ります。八兵衛は怒っていますが、助さんは妙姫が普通の女中ではなさそうだと気がついたようです。


さて風呂から出た光圀と角さんは助さんと八兵衛がいなくなっているのを見て、二人が祭りに出て行ったことに気がつきます。堅物の角さんは二人を連れ戻すと言って外へ出てしまいました。


ここでドラマは急展開。実は二本松藩では側室の子供を世継ぎに据えようという家老の浅井刑部(戸浦六宏)の手の者が暗躍しており、妙姫が城から出たことを察知した一味が妙姫を襲いました。それを見た助さんは妙姫を救うために一味と立ち会い、さらに角さん、風車の弥七(中谷一郎)、そして先ほどの薬売りが乱入します。助さんは妙姫を連れて逃げ、ほかのメンバーは旅籠に戻りました。直後に一味の宿改めがあったことで光圀達は助さんが連れて逃げた女がただならぬ身分ではないことに気づきました。心配する八兵衛に光圀は、宿改めがあったと言うことは見つかっていないと言うことだからとりあえず大丈夫だろう、と涼しい顔。さらに光圀は薬売りの手に竹刀ダコがあるのを見て、薬売りの正体にある程度気がついたようです。ちなみに薬売りは光圀には源三と名乗りました。


一方、助さんは妙姫を光圀のいる旅籠に連れてこようと考えましたが、一味が暗躍しているため、それもかないません。ある小屋で妙姫と一夜を過ごした後、湯治場で着物を地元の人達(おそらく百姓)と交換。妙姫はこの道中をおもしろがっていますが、着物から変な臭いがすると言いました。助さんは、これは肥の臭いであることを妙姫に告げ、百姓がこれだけ苦労してお米を作っているんだ、と言いました。温泉宿で二人は駆け落ち者と間違えられて部屋に案内されます。妙姫はご飯を炊いてあげると言いましたが、この時点で助さんは今までの所作振る舞いから妙姫の正体に完全に気づいており、ご飯を炊くのは生まれて初めてでしょう、どんな事情があるのかは知らないが城に戻った方がいい、と忠告しました。妙姫がお見合いのことを話し始めると、なんとそこへ光圀登場。光圀は弥七から助さん達の居場所と、浅井一派が先ほど着物を取り上げた百姓達を捕まえて妙姫達の居場所を探り出してしまったことを聞いていたのです。しかし、この緊急を要する時だというのに、光圀は助さんが祭りに出かけたことを咎めます。角さんも助さんのことをなじり始めましたが、光圀は「そんなことを言っている場合ではない。」と言って黙らせてしまいました。自分で言い出したのに勝手な爺さんです。思わず笑ってしまいました。光圀についてきた薬売りの源三は妙姫のわがままを責めました。妙姫は「無礼者」と言いますが、源三も負けていません。きんきらきんの着物を着ていればその台詞も様になるが、そのような姿では様にならないだろう、身分など関係ない、一人の人間だ。この言葉に妙姫は心を打たれました。この時点で光圀は源三の正体に完全に気がついたようです。妙姫を襲いに来た浅井一派を一掃した後、助さんが妙姫に光圀の正体を明かした後、二本松城に乗り込むことになりました。なお、源三はいつの間にか姿を消してしまいましたが、光圀は意に介していません。


浅井一派を一掃した後、妙姫のところに内藤源三郎が到着したという知らせが入りました。早速妙姫と光圀は源三郎に会うことにしました。光圀は源三郎の顔を見る前から、もう堅苦しい挨拶はいらないだろう、と妙姫に言っています。もうおわかりでしょう。実は薬売りの源三とは変装した源三郎だったのです。源三郎が変装して二本松藩に乗り込んだ理由はただ一つ。仲人口は信用できないので、この目で妙姫の人柄を確かめたかったから。源三郎は妙姫のじゃじゃ馬ぶりは聞きしに勝ると言いながらも妙姫のことを気に入った様子。光圀も「じゃじゃ馬の手綱さばきも大切ですぞ。」と、この縁談を勧めるのでした。


実はこの話は第7部の第20話「暴れ姫君・会津」が元になっているようです。この話も会津藩のじゃじゃ馬夕姫(松坂慶子)に見合いが持ち込まれ、お見合い相手の本多左馬之介(村井国夫)が密かに城を抜け出し、悪家老の森山大膳(岡田英次)一派に襲われた夕姫を救い出します。ただこのあらすじを見てもわかるとおり、細部は異なっています。第7部では左馬之介が「敵の仲間」になって夕姫と積極的に関わっているのに対して第11部では源三郎は光圀と行動をともにしているので左馬之介のように妙姫とはあまり関わっていません。そのため、妙姫が源三郎を気に入る動機が少々弱くなりがちなのですが、そこは源三郎の名台詞を使って補っています。


この話に限らず、長期シリーズとなった水戸黄門では旧作のエピソードを焼き直した話がいくつかあるのですが、この頃はドラマに破綻もなくうまく話が進んでいると思います。弥七が真相を探り出して解決するという展開は確かに強引ですが、これもこのシリーズの味と言えるでしょう。仮面ライダーもそうですが、昔の作品はこのような強引な展開が多かったです。でもこれも一つの味として成立していました。今のドラマは細部を気にするあまりに娯楽として大切なことを忘れているように思います。