脚本は阿井文瓶。監督は外山徹。特殊技術は矢島信男。来週も同じ布陣です。なおこの回からTBS側のプロデューサーのクレジットが橋本洋二から熊谷国雄に変わりました。実は橋本洋二は管理職になったためにウルトラマンレオにはあまりかかわっておらず、初期のクレジットも名前だけだったようです。


地球侵略を狙う宇宙怪獣ケンドロスは何かを地球に発射しました。それはスポーツセンターの脇に落ち、美しい花が咲きました。その翌朝。カオルがその花を見つけました。ゲンはその花が地球のものではないと見抜き、カオルに捨てるように言いました。しかし、カオルも居合わせた百子も捨てるのを拒否。ゲンは百子の「道端の花にも目をとめるような優しさがなければ、いくら強くてもダメだと思うな。」という言葉に反論できませんでした。カオルはその花を今は亡き父と母に供えるつもりで家に持ち帰りました。


ゲンからその話を聞いたダンは激怒。ダンはケンドロス星にある剣輪草のことを知っており、さらにその花を使う怪獣がいることを聞いたことがあったのです。そのため、ダンはゲンに花を処理することを命じました。ゲンは百子の言葉をひいて反論し、さらに花が怪獣と合体する前に倒せばいい、と豪語したのですが…


ダンの懸念は的中。成長した剣輪草は飛んで行ってしまい、ケンドロスと合体してしました。飛んでいく剣輪草を見たゲンはウルトラマンレオに変身して追いかけ、そしてケンドロスと闘いました。しかし、歯が立ちません。まずケンドロスは剣輪草を回して強風を起こしました。次にケンドロスは剣輪草の花びらの部分を飛ばしました。花びらはまるでブーメランのように鋭利な武器となり、レオに襲い掛かりました。レオはなすすべもなく倒されてしまいました。マッキー3号でかけつけたダンはレオに「立て。立つんだ。」と叱咤しましたが、レオは立てず、ケンドロスに逃げられてしまいました。


夜になり、ゲンがスポーツセンターで倒れてしまいました。百子はゲンを寝かせて一晩中看病しました。そして気がついたゲンに百子とカオルは花を捨てなかったことを詫びました。ゲンは花を操っている怪獣が悪いんだと言って二人をねぎらい、さらに出かけようとしました。二人は心配しました。医者の診断では一週間の安静が必要だったからです。


多摩川の川岸を走るゲンをダンが呼び止め、車に載せました。ケンドロスは仙台で暴れまわり、MACの戦闘機も全滅。仙台へ飛ぶというゲンにダンは言いました。剣輪草と合体する前ならケンドロスはMACでも倒せた。だが今は違う。倒す自信はあるのか? ダンは山の中の荒野に連れていき、ゲンにブーメランを次々と投げつけました。今回の特訓はケンドロスのブーメラン攻撃に対抗する技を身につけることなのです。倒れこんでしまったゲンにダンはヒステリックにブーメランを次々と投げつけ、さらにこう言い放ちました。「男は外へ出て戦わねばならん。何のためだ? その後ろで女の子が優しく花を摘んでやれるようにしなくてはいけないためではないのか? 男まで女の子と一緒にままごとまでしていたらいったいどうなる! 立て!」なおもダンはヒステリックにブーメランを投げつけました。ゲンはなすすべもなく立っているだけ。ダンは叫びます。「意気地なし!」その言葉に奮起したのか、ゲンはブーメランをつかむことに成功。さらにダンに投げ返そうとしました。そこへダンのところに通信が。ケンドロスが2時間後には東京に現れると言うのです。ダンはゲンを一人置いて戻ってしまいました。


どうやって戻ったのかは不明ですが、ゲンは道着姿になり、多摩川の五本松のところに戻り、特訓を続けました。ブーメランを投げつけるのは百子と猛。百子も猛ももうやめようと言いましたが、ゲンは「もっと強く。」と言って聞きません。その時、ゲンはブーメランを蹴り返すことに成功。ついに技は完成しました。するとそこへケンドロスの姿が見えました。余談ですが、野村猛を演じた伊藤幸雄は後にブーメランを武器に使うミドレンジャーを演じました。この時の演技が役に立ったのかどうかは不明です。


ケンドロスはコンビナートに降り立ち、ビル街を破壊。いつの間にかゲンは隊員服になっていて町に現れました。マッキーはあっけなくケンドロスのブーメラン攻撃をよけられずに墜落する始末。ゲンはレオに変身しました。ケンドロスはブーメランに対抗する技を身につけたレオの敵ではありません。ブーメランはレオに蹴り返されたり、手刀で返されたりしてしまいました。そしてレオは空中で回転。まるでブーメランのように飛んでケンドロスに激突。それが効いてケンドロスは倒されました。モニターで様子を見ていたダンはほほ笑むのでした。


さてウルトラマンレオの第7話までの視聴率は次の通りです。


第1話 17.9
第2話 16.5
第3話 14.6
第4話 15.9
第5話 13.8
第6話 13.9
第7話 12.3


ウルトラマンレオの視聴率


見てわかるとおり、数字は右肩下がりです。実はウルトラマンレオの視聴率は初回に記録した17.9%が最高でした。以後は下がり続け、第18話で一桁の8.2%を記録。第27話以降は8~11%くらいで推移していきました。この結果から明らかなようにウルトラマンレオは視聴者には受け入れられませんでした。路線変更も視聴率から見れば受け入れられたとは言い難かったのです。


ではこの時期子供達の間ではやっていたのは何でしょうか。実はウルトラマンレオが放送されていた時期は「グレートマジンガー」や「UFOロボ グレンダイザー」、そして「秘密戦隊ゴレンジャー」がはやっていました。「グレートマジンガー」では藤川桂介、グレンダイザーとゴレンジャーでは上原正三が脚本を書いていました。二人とも第一期ウルトラシリーズで活躍していた人です。皮肉なことにウルトラシリーズが終焉を告げようとしていた時期にはやっていた作品はウルトラシリーズ出身の作家が手がけた作品だったのです。またウルトラマンレオよりとほぼ同時期の作品として仮面ライダーの存在を忘れることはできませんが、この作品の企画にも上原正三と市川森一(ウルトラマンエースのメインシナリオライター)が参加していました。二人は「帰ってきたウルトラマン」を書くために仮面ライダーの脚本をあまり書けませんでしたが、結局、仮面ライダーは大ヒット。これも皮肉な話だと思います。


(2008年6月23日追記)

ゴレンジャーはウルトラマンレオ終了直後に始まったのでした。ただ、ゴレンジャーは仮面ライダーの後を受けて始まった番組であり、流行したことは確かです。