うーん、20年以上も前のドラマなんですねえ。

チャンネル銀河で井上ひさしさんの特集をすることになり、そのうちの一つで放送されています。

ドラマ人間模様の枠(毎週日曜日20:45~21:30)で放送された作品で舞台は明治時代(おそらく初期)の東京。

明治政府の役人南郷清之輔(川谷拓三)が日本全国に通用する全国統一話言葉(いわゆる共通語)を作ろうと四苦八苦するのが大筋です。

このドラマの面白いところは南郷家に住んでいる人達が日本全国で集まってきているので話す言葉も多種多様であることです。順番に挙げていくと次の通りです。


南郷清之輔(川谷拓三)

主人公。長州出身で長州弁を話す。

南郷重左衛門(浜村純)

清之輔の義父。薩摩出身で薩摩を馬鹿にされると怒る。 薩摩弁を話す。

南郷光(ちあきなおみ)

清之輔の妻で重左衛門の娘。清之輔は婿養子である。

南郷重太郎(岡田二三)

清之輔の息子。重左衛門の意向で薩摩弁を話す。

秋山和津(山岡久乃)

女中頭。没落した旗本の出身で皮肉なことに南郷家はかつて自分が住んでいた屋敷だった。そのため江戸山の手言葉を話す。

広澤修一郎(大橋吾郎)

書生。尾張名古屋の士族の次男。

江本大吉(松熊信義)

南郷家の前で記憶喪失になって生き倒れになっていたのを拾われた。津軽出身らしく、弘前の桜の自慢をすぐにする。

高橋たね(賀原夏子)

飯炊き女。顔に似合わず吉原で女郎をした経験がある。文字の読み書きはできない。下町の浅草出身。

築館弥平(名古屋章)

馬ひき。遠野の出身。

御田ちよ(島田歌穂)

女中。文字の読み書きはできない。江戸の下町出身。

大竹ふみ(石田えり)

女中。米沢出身。冒頭でふみが国元に送った手紙が発見されたというニュースが流れ、ドラマが始まる。そのため、このドラマのナレーターも兼ねる。ドラマ自体は彼女が南郷家に来たところから始まる。


このようにいろいろな地方の出身者が集まっているため、言葉が通じない場面が多々あり、時にはこのように字幕が入ることさえあります。


國語元年


この後、次の面々が加わり、混乱に拍車がかかります。


裏芝亭公民(すまけい)

清之輔が全国統一話言葉を作るという話を聞きつけて押しかけた国学者。朝風呂が大好きで居候のくせに女中をこき使うので清之輔以外の人達には嫌われている。京都出身。

若林虎三郎(佐藤慶)

南郷家に泥棒に入った男。会津出身なので新政府の役人の家にばかり押し込んでいた。しかし、南郷家に金と会津へ送る手紙を置き忘れてしまったのが運のつき。それがきっかけで南郷家に居候するようになる。最終回で清之輔考案の話し言葉(文明開化語)を使って泥棒をしてみるが…。なお演じる佐藤慶は会津若松出身です。


井上ひさし作なので喜劇仕立て。もっとも結末は悲劇ですが。薩摩弁と称して「ちんぼちんぼ、ちんちん(徐々に徐々に、ゆるゆると)」という言葉を喋らせたり、言葉が通じなくて混乱する様(ふみが井戸のことを「えど」と言うのでたねが「今は江戸ではない、東京だ」と言う。米沢では「い」と「え」の区別がない)が描かれたりととにかく面白かったです。