先週の金曜日からTBSチャンネルで「高原へいらっしゃい」というドラマを放送しています。毎週月曜日から金曜日の朝6:00~7:00に放送されており、全17回です。


さてこのドラマの脚本を書いたのは山田太一さん。ですので構成もしっかりしています。このドラマの大筋はこうです。一流ホテルを首になり、酒におぼれて荒れた生活を送っていた主人公面川清次(田宮二郎)が義父の大場専造(岡田英次)から潰れたホテルの再建を託され、面川が集めた人々とともに再建にまい進するのです。面川が集めた従業員は次の通り。


 ボーイ:高村靖雄(潮哲也)
 ボーイ兼バーテン:小笠原史朗(古今亭八朝)
 ウェイトレス:北上冬子(由美かおる)
 ウェイトレス:鳥居ミツ(池波志乃)
 コック長:高間麟二郎(益田喜頓)
 コック助手:服部亥太郎(徳川龍峰)
 雑役係:杉山七郎(尾藤イサオ)
 雑役係:有馬フク江(北林谷栄)


これに、大場からのお目付け役として派遣され、経理を担当する大貫徹夫(前田吟)、コック長の高間が取引業者に選んだ男村田日出男(常田富士男)、そして面川と別居中の妻優子(三田佳子)が絡んでドラマが進みます。


このドラマの面白いところは登場人物が互いを信用していないところです。ドラマの冒頭で従業員が舞台となる八ヶ岳のホテルに集結するのですが、地元の人に道を尋ねても地元の人は集合場所となるホテルの場所を知らなかったり、長期休業していたためホテルの中が汚れていたりするのを見て、面川の話にみな疑問を抱きます。そんな彼らの前に蝶ネクタイにタキシード姿の面川が現れ、自分が彼らを集めた趣旨とホテルの内情を説明します。従業員たちは面川の話を聞いてホテルに残ることを決意しますが、面川を心から信用したわけではなく、かえって胡散臭い物を感じます。手付として渡された30万円に手をつけてしまった(中には全額使ってしまった者もいた)ために残ったというのが妙なリアリティを生んでいます。


それだけではなく、経理担当の大貫は後述する出来事から高間と鳥居ミツに不信感を抱き、面川に対してしばしば彼らを首にするよう迫ります。大貫が高間とミツに疑念を抱くのももっともなことで、彼らも性格に問題があります。まず高間は腕はよいのですが(もっとも大貫は当初、高間の腕も信用していなかった)職人気質のところがあり、盛りつけにつかう食器にこだわるあまりに40万円(ホテルの総予算は300万円しかない)も使ったり、ホテルのある清里から遠い所に住む村田日出男から食材を仕入れることを独断で決めたりと次々と問題を起こします。元は蒲田の工場で働いていたミツは斜に構えたところがあり、しばしばしらけさせるような発言をします。普段はサングラスをかけているなど、素行に問題がありそうです。


雑役係の有馬と杉山は地元の住人なのですが、積極的に仲間に溶け込もうとする杉山に対し、有馬は都会の空気には染まりたくないとして他の従業員とは距離を置いています。高間がためしに作った中が半熟のオムレツ(大貫が高間の実力に疑念を抱いていたため、腕を見せるために作ったもの)を一口食べただけで「うまくねえ。」と言い放ったりもします。


まだすべて見ていないので結論を出すのは早計かもしれませんが、このドラマの見所の一つは、従業員たちがいがみ合いながらホテル再建に取り組むうちに一体感のようなものが生まれるところ、だと思います。


なお、このドラマは後に佐藤浩一主演でリメイクされました。裏番組が強力だったために1話分短縮されてしまったのですが、両方見た母曰く、リメイク版も面白かった、とのことでした。