激愛の徒然日記 -3ページ目

激愛の徒然日記

徒然なるままに、日暮らし携帯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを
そこはかとなく書き付くれば、あやしえこそ、物狂ほしけれ。

小野寺五典元防衛相(自民党):

 愛媛県今治市の獣医学部建設をめぐってマスコミでさまざまな疑惑が指摘され、国民が大きな疑念をもって安倍政権を見つめている。今日は国民の疑念をまっすぐにぶつける。一つ一つ誠心誠意、答えてほしい。多くの国民が疑念を持っているのは総理と加計孝太郎氏との関係だ。総理は加計さんと長年の友人。結果として加計学園が選ばれた。この背景には総理の意向があり、何らかの便宜を図ったのではないか。総理はこの獣医医学部新設に関し、加計理事長から相談や依頼を受けたことはありますか?

 

安倍首相:

 李下に冠をたださず、という言葉があります。私の友人が関わることでありますから、国民の皆さまから疑念の目が向けられることはもっともなことであります。思い返すと、私のこれまでの答弁において、その観点が欠けていた。足らざる点があったことは率直に認めなくてはならない。常に国民目線にたち、丁寧の上にも丁寧に説明を重ねる努力を続けていきたい。改めてその思いを胸に刻み、この場に立っています。

加計さんとは政治家になるずっと前から学生時代からの友人です。しかし、彼が私の地位や立場を利用して何かを成し遂げようとしたことは、ただの一度もございません。獣医学部新設について働きかけや依頼は全くなかったということをまず明確に申し上げたい。その上で、事実に基づいてしっかりと丁寧にお話をしていきたい。

 

小野寺五典元防衛相(自民党):

 ただ、残念ながら総理の言葉だけでは信じられない国民もいることも事実です。その疑念についてただしたい。大きく3つの視点で捉えたい。1つめは新設は必要か、そして今治市で良いのか。2点目は加計学園が選定されたことが適切なのか。3つめは一連の認可の課程が公平に行われたのか、政治の不当な介入がなかったか。この3点について質問したい。

第一の疑問について、国会において明らかになった獣医学部は全国16の大学にあるが、定員に比べて入学者が多い。多いところは2割を超えている。40人を想定しているのに実際の学生は2割増し、50人以上。本来なら学部を増やすか定員を引き上げるかだが、文科省は50年以上これをしてこなかった。また獣医師になってもペットの医者になることが多く、必要な食肉検査の検査員や、BSE・鳥インフルエンザ対策など動物検疫に関する獣医師が不足している。16の道府県では奨学金を出して確保しているが、なかなか確保ができない状況だ。

また、地域的な偏在もある。BSEや鳥インフルエンザなどの対策についてブロックごとに獣医獣医学部があることが望ましいが、全国のブロックの中で、四国だけが空白区だ。このように、獣医学部の定員の水増し対策や防疫対策のためには獣医学部を新設して、空白区の四国に作ることは自然の流れだと思う。ですから、第一の疑念については前回の国会の中である程度議論が進んだ。

第2の疑念、実施主体が加計学園で良いのか。加戸守行前愛媛県知事におうかがいします。今治市の獣医学部新設につい、国家戦略特区制度ができる前から熱意を持って取り組んでこられた。その経緯について。

 

加戸守行・前愛媛県知事:

お呼びいただいて感謝する。10年前にこの問題に取り組んだ当事者でありまして、またその結果、10年後、安倍総理にあらぬぬれぎぬがかけられている。何とか晴らすことのお役に立てればと思ったからです。

話が非常に長くなりますが、簡単にかいつまんで申しますと、今治で学園都市構想が古くからあり、それを具体的に開発を進めて取り組んだのが私でございます。ただ、誘致に失敗して空き地になっていた。そして、同時並行で私は、鳥インフルエンザに巡り会いまして、その後、狂牛病の問題、口蹄疫の問題と続くが、いずれにしても四国への上陸は許さないという前提の取り組みをしながら、獣医師、大動物獣医師の不足に悲鳴を上げながらみんなで頑張ってもらった。

研究期間としてと同時に、今治市の学園都市、愛媛県の公務員獣医師の不足を補い、国際的に胸を張れる米国に伍して先端的な勉強ができるようなものをもって、今治を国際的な拠点とする。そんな夢であって、ちょうど県会議員と加計学園の事務局長がたまたま友達としてつながった話で、飛びついた。本当に。それは正直申し上げて、第一次安倍政権の時代だった。

文科省に当たりましたけれど、先輩に対してけんもほろろ。ある意味では行政の筋は通したのかもしれないが、枠が取り払われない。ということで、その後、小泉純一郎内閣の時代からあった構造改革特区に申請して、『表門から入っていけないなら、せめて搦手門からでも入れてもらおう』という努力を重ねたが、10年間まったく連戦連敗だった。

絶望的な思いの時に、国家戦略特区法が制定され、トップバッターじゃありませんけれども、今治が10何番目でやっと遅れながら指定されて、動き始めて喜んでいたところ、かような騒ぎになり、大変心を痛めている。

 

小野寺五典元防衛相(自民党):

 もう一つ伺いたい。今治市の獣医学部との関係は、愛媛県議と加計学園の事務長が関係があって、話があったと聞いている。いろんな大学に声をかけようとすると普通は思うが、当時、加戸知事はさまざまな学校に当たって最終的に加計学園になったのか」

 

加戸守行・前愛媛県知事:

 今治新都市構想の学園都市については当初は、地元の大学の学部を誘致したが、できかかった話が壊れまして、その当時は実践経営学部という構想だった。いろんなところに声をかけても話がない。先ほど申し上げたとおり、獣医の問題で悩み果てながら獣医学部があると良いなと思っていたときに、この県会議員と加計学園の事務局長との話で、平成17年1月から話がスタートし、2年後に『獣医学部をやってみますか』という話になったので、それ以外は、加計一筋ですが、その間、他の大学にも当たりましたが、『四国のへんぴなところで、田舎の中に』という話で、誤解がありますけれども、いま構想されている土地はしまなみ海道の結節点の今治インターの出口のすぐそばだ。中四国の交通の要衝だ。そんな不便なところじゃない。

でも、そういうイメージがある。獣医学部ということで、いろんな当たりましたけれども、反応はありません。それから、東京から乗り込んでこられた獣医師会の方々にいろいろ文句をつけられて、加計学園の悪口をぼろかすに言われるから、『うちは加計学園にこだわっている訳じゃありません。あなたのところで作っていただけるなら喜んでお受けしますよ』と申し上げたら、『喜んで』というリップサービスもあったが、なしのつぶてで反応がない。

ということで、好き嫌いは別として、話に乗っていただけたのが加計学園だ。私にとって正直に申し上げれば、言葉は良いか分かりませんが、愛媛県にとって、今治市にとって、『黒い猫でも白い猫でも獣医学部を作ってくれるのが一番良い猫』で。私どもは三毛猫だと思っていますが、皆さんは化け猫という。でも本当に、私たちの純粋な気持ちだけはこの場でご理解いただきたい。

 

小野寺五典元防衛相(自民党):

大変重いものがあります。相当いろんな学校に応じたけども加計学園のみだったというお話だと思う。今治市の提案は、福田康夫政権、麻生太郎政権の自民党政権時代は、対応不可で却下された。民主党政権の鳩山由紀夫政権になって速やかに検討と格上げされた。民主党政権も必要性は認識されていた。担当大臣は枝野幸男さんと伺っている。不正な話ではなくて、民主党においても四国にやるということには理解があったと思う。

政権が自民党にかわってもこの経緯は引き継いできた。そして今回の申請になった。このように獣医学部を新設し、今治市に設置するということは、長年準備を続け愛媛県今治市の全面支援を受けている岡山理科大が選定されることに違和感はない。ただ疑念が残るのは、一連の報道で、圧力があり、総理の意向で行政がゆがめられたという疑念が消えないからだ。総理に伺う。今治市の提案について、一度でも加計学園に便宜を図るように指示したことはあるか。

 

安倍首相:

 私がこの獣医学部の新設について、指示をしたことは全くございません。

 

小野寺五典元防衛相(自民党):

 今回の経緯は公正な第三者機関、国家戦略特区諮問会議が、民間の方が入った形で最終的に決めている。今日は諮問会議の民間議員でワーキングチームの座長、責任者である八田達夫参考人に来てもらっている。選定にあたって何か不正なことを感じているか。総理の意向はあったか。さらに4条件は満たしていないと考えるか。

 

八田氏:

 総理の意向に関しては岩盤規制を打破すべきという強いご意向は諮問会議でいつもおっしゃっていた。そのことは認識していた。総理のリーダーシップなくして岩盤規制を打破することはできるはずがない。一方で、特定の事業者を優遇してほしいという意向は、この件に限らず、総理から示されたことは一切ない。獣医学部に関してはもともと、平成26年から当時唯一新設申請をしていた新潟市の提案を前提に特区ワーキンググループを5回文科省をお呼びして力を入れて議論していた。これは今治市についてやったわけではない。このこと一つとっても、総理の友人と全く関係なく議論していたことは明らかだ。

次に不正があった疑惑について疑念がおかしいという話をしたいが、国家戦略特区は一つの特区で行われた改革は追加的な議論なしに他の特区でも自動的に適用されるという仕組みだ。例えば、公園内保育所の設置というのは荒川区の提案の元で行われたが、それが決まったら品川区でも世田谷区でも福岡でも仙台でも実行されました。しかし、本年1月の獣医学部の告示では平成30年度の新設は1校のみと限定された。この限定は政府は当初から今治市以外の新設を認めるつもりがなかったのではないかという憶測を生んだ。すなわち、不正があったのではないかという臆測だ。

しかし、この臆測は明確に事実に反する。獣医師会の会長自身が認めているように、この限定は複数の新設を危惧した獣医師会の政治家への働きかけによって実現したものだ。総理やその周辺による不正があったわけではない。私たちはもちろん1校限定ではなく、最初から告示の規定廃止が最善だと考えており、またそれが難しい場合はすくなくとも特区ではどこでも特例を認めるべきだ考えていた。しかし、強く反対される方がいられる中で、何もできないよりは一歩でも前進するべきだと考え、最終的には当面1校限定を受け入れた。最初の突破口として受け入れたということだ。私どもの決定のプロセスには1点の曇りもない。

諮問会議と特区ワーキンググループでは全ての規制に関して、規制官庁がその規制の合理的な根拠を示せるか否かを基準にして議論してきた。その結果、福田内閣以来15回も申請を繰り返して、最も準備が整っていた今治市が最初の1校になった。30年以降に開設の申請があれば、申請が個々に続いてあれば当然、全力を挙げて抵抗勢力と折衝を行うつもりだった。議論の経過は議事を公開している。一般の政策決定よりは遙かに透明度の高いプロセスだ。公開の場で議論していることが公平性の何よりの証だと考えている。

最後に4条件だが、これまでの特区ワーキンググループの議論の中で満たされていることは明らかになっている。まず、獣医師会の数が足りているという議論があるがこれは先ほど、小野寺先生も指摘したように産業獣医師の偏在、公務員医師が確保できていない、製薬業界の新たなニーズに対応できていないというような問題が起きている。既存の大学学部では対応できないから問題が起きているわけで、今治市の提案が具体的な提案だった。 私たちの議論を踏まえて最終的には文科大臣、農水大臣も一緒に4条件を満たすことを確認されたと理解している。

 

小野寺五典元防衛相(自民党):

 1点の曇りもなく、議論は公開されていて、4条件は満たしているという話だと思う。疑念を挟む余地はないと思うが、それでも疑念がそれでも残るのは、文科省の内部からさまざまな文書が確認され、政治圧力と受け取れる内容の記述がある。文書を検証したい。

獣医学部新設にかかる伝達事項という文書だが、ここでは内閣府の藤原審議官か誰かが文科省に対して『平成30年4月開学を大前提に最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること』。また大臣ご確認事項に関する内閣府の回答という文書では、『設置の時期は今治市の区域指定時より最短距離で規制改革のプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理の意向だと聞いている』。

もう一つ。10月21日、萩生田副長官ご発言概要という文書では『総理は平成30年4月開学とおしりを切っていた。工期は24カ月でやる。今年11月には方針を決めたいということだった』と書かれていた。なぜこの平成30年4月が重要かというと、この時期に間に合うのは今治市のみ。京産大はこの時期に間に合わないと判断した。こうした開学時期について総理はどう考えるか。萩生田光一副長官や内閣府、文科省に指示を出したことはありますか。

 

安倍首相:

 私は国家戦略特区諮問会議の議長として岩盤規制改革を全体としてスピード感をもって進めていくよう、常々指示してきたところであります。しかし、個別の案件について私が指示することは全くないわけでありまして、1度もそうした個別の案件についての指示を行ったことはございません。

平井議員 vs 前川参考人・原参考人

 

平井卓也衆院議員(自民):

(学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐる問題は)言った言わないとか、その手の話が多い。国民が知りたいのはこの政策は本当に正しかったのか、国民のためになるのかだ。

 その上で、前川(喜平・前文部科学事務次官)参考人の答弁が安定していて、理路整然と話している。なおさら思うのは、なぜ事務次官のときにもっと自分の職責を全うして仕事をされなかったのか。辞めてからいろいろ言われるのは違和感がある。前川さんほどの能力のある方なら、もっと違った仕事ができたと思うんですが如何でしょうか。

 

前川参考人:

ご指摘の通り、私も在職中にもう少しできることがあったのではないかという反省はしている。大臣を補佐する立場だし、大臣に直接ご意見を申し上げる、直接内閣府とやり取りする、そういった行動の余地はあったのではないかと。そこの点は忸怩たる思いもあるし、反省もしている。

 しかし、最終的には政治的な判断で決まっていたと考えている。在職中にできることはそこまでだったと思っている。在職中に内部告発をする選択もあったかもしれないが、やはりそれはなかなか難しかったと思っている。

 ただ、辞めた後、そのまま黙っているのがいいかどうか。私も振り返って考えたが、やはりこれは国民が事実関係を知るべき問題であると。行政にゆがみがあったと私は認識しているわけだが、その点について国民が知らなければそのゆがみを是正することもできないといった考え方から発言をするようになった。

 

平井卓也衆院議員(自民):

あのー事務次官ですよ。あのーちゃんと自分の意見を言う機会はいくらでもある。部下がたくさんいるわけだし、総理だって話を聞きますよ。内部告発なんて事務次官が考えること自体が信じられない。それが面従腹背という座右の銘と一致する方向なのかも分からないが、今の話を聞いていて不安になったのできかせていただく。

 『総理のご意向』というような文書、これは前川さんが流出元ではないかと報道されているが、まさかそんなことはないと思いますので、まず、そのことについてイエスかノーかでお答えください。

 

前川参考人:

文書の提供者が誰であるかということについては、お答えを差し控えさせていただきます。

 

平井卓也衆院議員(自民):

 ちょっと待ってくださいよ!私はあなたのためを思って言っているのですよ?要するに、あのう、これね、この話ですよ全部、前川さんが自分で出して、で、あったことをなかったことにはできないと会見をして、今日の流れがあるなら、まさにこれは茶番なんですよ。ですから、まさかそんなことがないだろうと言っているわkですから、『ない』とお答えできないのですか?

 

前川参考人:

 さまざまな文書が世の中に出てきているが、その文書を誰がどういう経路で誰に提供したかは、さまざま臆測があると思う。けれども、私がそこで明確なお答えをすべきものではない。

 

平井卓也衆院議員(自民):

 私は『誰が?』と言っているわけじゃなくて、『あなたじゃないですよね?』と言っているだけなんですよ。それを否定しないままというのは、私の心の中にはずっとわだかまったままになる。それはそれとして質問を続けるが、今回の話、国民からみると非常に分かりづらい。

 私は四国の議員だ。香川県。最近、オリーブ牛とかオリーブハマチとか、健康長寿の産業化に力を入れている。四国はやっぱり獣医がほしいんですよ。新しい学部がほしい。そして構造改革特区のときに2007年から14年の8年間、今治市は事業者は加計学園ということで、やりたい、やりたいと言って、15回門前払い。門前払いしていたのが、告示というやつですよ。つくらせないと。

 加計学園の話は民主党時代から長い歴史があって、構造改革特区で挫折し、そして今回、再チャレンジして、やっと方向性が出てきたと理解している。『加計ありきではないか』『総理の知人が優遇されたのではないか』『行政がゆがめられたのではないか』ということで、プロセスに問題があったかどうかの中で、一番ヒアリングが足らないのはワーキンググループに対してだと思う。そこの中の話は、原(英史・国家戦略特区ワーキンググループ委員)参考人にぜひ経緯の説明を願いたい。

 

原参考人:

 特区諮問会議とワーキンググループの民間委員は、岩盤規制改革の実現のために真摯に取り組んできた。利益誘導に加担したかのようなことを言われているのは残念でならない。ワーキンググループでは今治の国家戦略特区提案がなされる以前の平成26年から、当時は新潟の提案を前提として何度も議論してきた。加計ありきなどという指摘は全くの虚構であることは、公開されている議事録を見ていただければすぐに分かる。

 根本的な問題は、獣医学部の新設禁止という規制が正しいものだったのかどうかだ。一般の学部の場合、新設の申請があれば設置審査に入り、計画が適正かどうかを判断する。ところが獣医学部は、審査に入ることを一切認めないという規制がなされてきた。しかもこれは法律ではなくて告示でなされている。根拠は獣医師の需給調整といわれている。

 しかし、学部の新設禁止によって需給調整をしようとしていたとすれば、現実にはすでに破綻している。現場では産業動物獣医師の偏在、公務員獣医師が確保できない、製薬業界で獣医師が足りないといった問題がすでに顕在化している。

 ワーキンググループでは規制の合理的な根拠を繰り返し求めてきたが、十分な説明はなされなかった。本来は告示の規定そのものを廃止するのが筋である。しかし規制所管省がなかなか動こうとされない中で、特区限定で前進を図った。文科省とは何度も議論を重ね、最後は一緒に同じ方向を向いて政策決定した。従来のゆがみを正すための取り組みを進めたと認識している。

 

平井卓也衆院議員(自民):

 かつての民主党もそうだったと思うが、確認すべきことは、獣医学部の新設禁止という告示、岩盤規制の方向が正しかったのかということだ。文科省の責任者だった前川参考人にお聞きしたい。

 

前川参考人:
 獣医学部に限らず医学部・歯学部・その他、量的規制の対象になっている分野がある。こういった特定分野について大学の新増設を認めないというのは、おっしゃる通り告示で決まっている。告示そのもののあり方を見直すことは政策論として十分必要だし、時代の流れに応じて見直しが必要な部分だ。

 ただ、18歳人口が減っていく中で、獣医師に関しては犬も猫も牛も豚も減っていくという中で、本当に増設が必要かどうかは、やはりしっかりとした議論が必要だった。しかし、問題は規制改革が必要かどうかという一般論ではなく、規制改革の結果、平成30年度に今治に加計学園が獣医学部をつくるという結論になっていると。それだけが結論になっていることが問題で、その結論に至る部分についての意思決定が極めて不公平であり、不透明であると。私はそこを問題視しているのであります。

 

平井卓也衆院議員(自民):

 それはちょっと話をすり替えたように思うのだが、まず獣医学部の新設禁止に関して、前川さんも言うように、五十何年もずっと告示で門前払いをし続けていたわけだから、それは変えるべきものは変えなきゃいけないと思うのが普通だと思うのですよね。

 獣医学部の新設禁止は2002年の中教審の答申で、大学設置の審査は本来、質を評価すべきもので、告示による需給調整、このような規制は問題があるとし、さらなる検討課題とされていた。問題がある告示だと2002年の段階でもいわれているわけだから、2000年以降、ずっとほったらかしていたのはどのような理由があったのかお答えになって頂きたいと思います。

 

前川参考人:
 この質問は文科相、あるいは高等教育局長にお尋ねになった方がいいと思うが、私が理解する限りは、獣医学部に関して責任ある農水省から、将来獣医が不足する、要請の拡大が必要であるといった意思表示、要請がなかった。これが大きな理由だと思います。

 

平井卓也衆院議員(自民):

 まぁあのう、常に立派な答弁をされる前川参考人ではありますが、自分が都合が悪くなるとノーコメントな部分がありますし、よっぽど自分を大切にするんだなぁとも想います。新設禁止にする需給調整はすでに破綻していると原参考人が言われた。本当に四国では産業動物の獣医が足りない。公務員の獣医も採用できないんですよ。規制を維持すれば需給はきっちりコントロールできるのか、前川参考人がお答えになると思うので、これに関しては大臣がお答えになりますか?自供調整…、聞いてなかった?WWW 前川参考人、私の質問をお答えになりますか?

 

前川参考人:

 私見を述べるだけだが、獣医学部の入学者がどういう地域から入っているか、またその卒業生がどういう地域に就職するかを見ていただくと分かるように、獣医学部への入学者は全国的に散らばっている。全国から入学し、卒業後は全国に散らばっていく。この地域に獣医師が不足しているからその地域に大学をつくるという単純な考え方ではできない。

 むしろ、その地域に大学卒業後就職する約束をどうやって取り付けるかが問題であり、そのためには奨学金制度などを活用する方がより有効な方法だ。直近でできた大学は北里大学の獣医学部。青森県だが、北里大学の卒業生は必ずしも青森県で公務員獣医師になっていない。愛媛県に(獣医学部を)つくったからといって、愛媛県あるいは四国で必ず公務員獣医師になってくれるという確証はないのです。

 

平井卓也衆院議員(自民):

 なんで告示が53年間も変えられなかったのか。天下りの問題との関係なんですよ。既存の獣医学部のある大学には2008年度以降、中央省庁の管理職員が50人再就職している。2017年1月時点で文科省から36人の現役出向職員がいる。

 公表された文科省の天下りに係る最終報告で、違法行為があったと認定される1件は、文科省から獣医学部のある大学に再就職したものの、後任を出そうと調整し、結果的に天下りが成立しなかった案件だ。医学部・歯学部も含めれば、中央省庁の管理職員が計213人、文科省から現役出向者は149人に及ぶ。こうした大学を天下り先や現役出向の植民地にするために告示があるのではないかと思われないよう、きっちり説明責任を果たさなければならないと私は思います。

 

常盤豊・文科省高等教育局長:

 獣医学部の新設抑制の告示については、獣医師の需給の動向を見据えた上で、私どもとして抑制してきている。50年間余りの抑制になっていますので、獣医師の行政を所管している農水省のご意向、あるいはデータなどを踏まえて検討すべきことだろう。もう一点、再就職の話があったが、私は担当ではないので申し訳ありません。

 

平井卓也衆院議員(自民):

 天下りの問題で引責辞任された前川参考人にお聞きする。天下りなどの確保のために新設を抑制していたのではないかという疑いを、どのようにお考えですか?

 

前川参考人:

 文科省の職員の退職者が、大学、私立大学に再就職すると。法令に反しない限り、知識・経験を生かす意味で問題はない。私も現職中に違法な再就職斡旋に関与したということで処分されたし、深く反省しているが、法に触れない形でその知識・経験を生かすことは非難されるべきものではない。

 量的規制、抑制方針のある分野は医学部・歯学部・獣医学部に船舶職員とある。量的規制の根拠は、人材養成について一定の社会的な投資が必要であるということ、またその養成に時間がかかる、将来的な需給との関係を見なければ質的な低下も懸念されると。このような配慮から行われている。天下りとの関係とは、全く無関係である。

 

平井卓也衆院議員(自民):

 天下りの問題で責任を取られたのは私も存じ上げていますが、3割程度の水増し入学が横行している。その様に聞いています。きっちり調査してほしいです。情緒的な事より、エピデンスを…。

(中略)

 告示はそもそも根拠が薄弱だっただろう。本来ならすぐに廃止すべきという議論もあった。一方で規制緩和に強く抵抗する人たちもいて、その中で大変苦労して規制改革を前進させたというのが今回の事案だと思う。この規制改革が正しかったかどうか改めて大臣にお聞きしたい。

 

松野博一文科相:

 まず先ほどの再就職に件については、文科省として猛省して二度とないような形をつくるべく省内で努力しているところだ。

 文科省の告示については、大学の設置は一定の基準を満たしたものであれば自由というのが原則、文科省の立場だ。獣医師・医師・歯科医師・船舶乗船員の4分野に関して、総合的な需要の観点から今まで規制・抑制がされてきた。これは文科省の告示だから最終権者は文科省になるが、総需要をそれぞれ所轄している省庁との連携によってなされてきたものだ。

 獣医師の場合は農水省になるが、従来、農水省の「獣医師が現状においてすぐ足らないということではない」という見解があり、告示として文科省が抑制してきた。今回の国家戦略特区の判断は、新たな獣医師に対する仕事のニーズが全体としての既存の獣医師事業に影響を与えるかどうかという点に関して議論があり、所轄省の農水省が獣医の育成であれば全体の需要に関して異議は唱えないということであったので、今回、設置申請の認可、設置申請について受け付けるという過程の議論があったということだ。

 

平井卓也衆院議員(自民):

 前川参考人が『行政がゆがめられた』と言っている。11月9日の諮問会議決定。1月4日の告示。1月20日の区域会議決定。文科相が意思決定する機会は少なくとも3回あった。もし不当な政策判断と思ったら、どこかで『再考ください』という意思が表明されると思うが。

 

松野博一文科相:

 今回の国家戦略特区に関わるプロセスで、獣医師の需要に関して所轄省である農水省からご判断いただいた上でなければ進めることができないというのが文科省の一貫した姿勢だった。オープンな場で議論があり、議事録も提出され、そこには内閣府を中心として文科省、農水省も参加し、また農獣医学に関する有識者も議論に加わっていただいた中で進められてきた。その過程は適切であったと考えている。

 

平井卓也衆院議員(自民):

 最後に、今回、萩生田光一官房副長官が中心人物であるかのように扱われている。本当のところはどうなのよと。言った言わないの話なので、本人が心の底からちゃんと真実を述べれば周りの人は分かる。もう一度、答弁を。

 

萩生田氏

 私は国家戦略特区について説明を受け、気づいた点をコメントすることはあっても、基本的に報告を受ける立場であり、具体的な指示や調整をする立場ではない。

 獣医学部の新設について、あたかも私が働きかけをしたかのような個人メモやメールが報道されたが、私が総理から指示を受けたり、文科省や内閣府に指示を出したりすることはない。文科省から説明を受ける中で、獣医師の過不足についての判断は農水省でやってほしいという話があったので、農水省に伝えたことはある。それ以外に能動的に関わったことはない。

 私があえて反省するとすれば、本来各省と等距離で仕事をしなければいけなかったが、自分も政務官を長くやった、あるいは党の中で文教政策に携わってきたということで、文科省の皆さんと旧知の仲であったために、官邸で取る日程以外に面談に応じることがあったことがまず一つある。

 それから、私が官邸との特別なパイプ役だという誤った甘えの認識を抱かせてしまった点では、私の振る舞も反省すべき点がある。多忙な中、不正確な個人メモやメールを作成した職員を責めるつもりはないが、私自身は文科省の相談には、かなりの時間を割いて真摯な対応をしてきたつもりだが、私自身はこの件について何ら能動的に関わりを持った事実はない。

 

 

丸山穂高議員(維新)vs前川参考人

 

丸山穂高議員(維新):

あの言い訳ちょっとないんちゃいますか?という、非常に多くな声をうかがいます。
それは、どうして行ったんですか?と言うと、女性の貧困の実地調査なんだっていうお答えをされたと。そんなん、そんなアホなこと、そんなことないでしょうと。そしたらどうやってその政策に、それが反映されたんですか?部下に指示されたんですか?って言われたときに非常に厳しいと思うんですよ。
この点、非常に他の部分誠実にお答えいただいてるのに、この部分があるが故に、この方、大丈夫かな?って国民の皆さんに、変に不安感を与えてしまっていると思うんですけど、この点について、まあ、どう思われるか、また全体として公益通報の中でこう言った話が出てきたとお考えなんだと思うんですけど、それも踏まえて率直に、国民の皆様にご説明いただけますか?

 

前川参考人の回答

ええ、まあ「調査」という言葉使いは確かに、あまり適切ではなかったかも知れません。まあ、私としてはこの個人的な行動がですね、どうして、この全国紙で報道されるのか。
この件につきましては、私も記者会見などで明らかにしてますけども、昨年の秋に、すでに杉田官房副長官からは、その事実関係について聞かれ、また、ご注意も受けたという経緯がございます。
そのことがなぜ、5月22日の読売新聞に出たのかと、このことを問題にすべきだと私は思っております。
ええ、私はこの、この記事が出た前後でですね、ええ、官邸からのアプローチと思われる、そういった動きも感じましたし、私がこの官邸と、この読売新聞の記事とは連動しているというふうに、私は主観的にはですね、感じ取ったわけであります。
それは何らかの私に対するメッセージであろうと、そのように感じましたし、そういったことがもし私以外のものにもですね、行われているとしたらですね、これはこの国の国家権力とメディアの関係は非常に問題があると。もしそれが横行してると、もしするならばですね、これは国民として看過できない問題であると、思っている次第であります。