今週末は、たまがわBOOKフリマ
先日もこのブログに書きましたが、今週末の日曜日に玉川高島屋で開催される「たまがわBOOKフリマ」に出店します。
出品する本の選書と値付けもだいたい終わりました。
そこで当日出品予定の本の一部を紹介。
どうです、何か気になる本はありましたでしょうか?
ダンスの再現度は一見の価値あり!「マイケル」
マイケル・ジャクソンの伝記映画「マイケル」を観ました。
マイケル・ジャクソンがジャクソン5のメンバーとして活躍していた幼年期から、ソロになり頂点を極める「BAD」の頃までを描いています。
マイケルがソロ活動を始めた1980年代は、僕が中学生から大学生だった時期で、音楽にも興味を持ち聴きまくっていた頃でした。
正直マイケルの熱狂的なファンというわけではありませんでした。しかし当時聴いていたFM番組やテレビで放送していたMTV番組では、マイケルの楽曲が流れてこない日はないと言ってよいくらい、彼の歌声は世界を席巻していました。
そんなわけで彼の楽曲はだいたい知っています。
そんな中で、最も強烈なインパクトを受けたのは「スリラー」でした。楽曲はもちろん、なんと言ってもミュージック・ビデオを初めて見たときの衝撃はすごかったです。
当時は映画にもハマり始めた時期で、特に特殊撮影やスペシャルメイクアップを前面に押し出した作品に興味を持っていました。
「スリラー」の映像を監督したジョン・ランディスは「ブルース・ブラザース」で大ヒットを飛ばし、その後に監督した「狼男アメリカン」も大きな話題になりました。その狼男の変身のスペシャルメイクアップを担当したのが、「スリラー」でもマイケルの変身シーンを作り上げたリック・ベイカー。今やスペシャルメイクアップの伝説的職人として知られています。
そんな2人が関わったMTVは、当時最先端の映像で、これにマイケルのダンスが加わることで、わずか十数分の作品にも関わらず、そこいらの映画を凌ぐ衝撃的な作品になりました。
今ならCGで作られるところでしょうが、それでもこの「スリラー」のMTVは、今見てもとてつもない完成度の傑作だと思います。
「スリラー」に魅了されたこともあり、以来僕自身はマイケルに好感を持っていました。
今回の映画でのマイケルは、父親との確執という負の側面はあるものの、動物や病気の子どもたちに優しく、また人種差別に対しても静かな怒りをぶつける、ある種の人格者として描かれています。
しかし父親の幼年時代からの束縛は、マイケルのその後の人生に深い傷、あるいはトラウマをもたらしたのだろうと思います。
映画は1980年代の「BAD」のワールドツアーの場面で終わります。
僕はその後に訪れる様々なスキャンダルを知っているので、映画が終わった後は何ともモヤモヤした感じが残りました。もちろんそのスキャンダルの真相は、今でははっきりとはわかりません。今さら知りたいとも思いません。
ひとつ言えるのは、やはりマイケル・ジャクソンは、とてつもない才能を持った人物であるということ。それは間違いないと思います。
マイケルを演じたのは、彼の甥のジャファー・ジャクソン。親戚だけあってよく似ていますが、それよりもマイケルのダンスの再現度に驚かされました。「スリラー」はもちろん、「Beat it」「Billy Jean」など、かつてMTVで何度も見たダンスシーンを、何の違和感もなく見ることができました。このダンスシーンは一見の価値があります。
マイケルの弁護士役の俳優が、どこかで見たことがあるなあ、と思っていたのですが、エンドクレジットでマイルズ・テラーだとわかりました。「トップガン マーヴェリック」のルースターですね。髪を伸ばしていて雰囲気がずいぶん変わっていました。
犬好き必見!期待の新作!
動物の登場する映画が好きなのですが、今年の秋は、犬が活躍する大注目の映画が2本登場します。
ひとつは巨匠リドリー・スコット監督の最新作「ラスト・サバイバー」。
リドリー・スコット監督は「エイリアン」を観て以来、大好きな監督のひとり。
さらに物語がディストピアを舞台に、主人公と犬とのサバイバル劇とくれば、これは絶対に見逃せません!
もうひとつはブラッド・ピットの最新作「ハート・オブ・ビースト」。
こちらはブラッド・ピット演じる退役軍人とその愛犬が、アラスカの奥地で遭難し、そこから脱出する物語のようです。
どちらもプロットは似ていますが、予告編を観ると、それぞれ独自の魅力が感じられます。
「ラスト・サバイバー」はリドリー・スコットならではのリアリティのあるハードなアクションが期待できそうです。
「ハート・オブ・ビースト」はブラッド・ピットと犬との信頼関係に胸熱になりそうな予感です。
いずれにしろ、この秋大注目の作品であることまちがいないでしょう!
犬が出てくる映画で最近観たオススメは、Netflixで配信中の「トーゴー」です。
実話に基づいた物語です。1925年、アラスカの極北の町ノームでジフテリアが発生。疫病の蔓延を防ぐためには“血清”が必要でした。しかし悪天候のため港は氷結し空からの救援も不可能。唯一の手段は、犬橇による運搬でした。氷点下50度の氷原を20人の男たちが、犬橇のリレーで血清を運び町を救いました。
そのリレーの中のひとつがウィレム・デフォー演じる主人公の犬橇チーム。その犬たちのリーダーの名前が〝トーゴー〟です。ちなみに名前の由来は日本の東郷平八郎だそうです。
子犬の頃は小さくて犬橇向きではないと言われてたトーゴーが、どうやってチームリーダーに成長していったのか、その回想シーンを挟みながら、過酷な雪原を進む犬橇をドラマチックに描いています。
実写とCGを駆使した映像は見応えがあり、なぜこれを大きなスクリーンで見せてくれない!と思ってしまいました。
主人公とトーゴーとの交流も丁寧に描かれており、犬好きの人にはグッとくる場面が多いと思います。
Netflixに加入している人はぜひ観てみてください。
人生の非情と不条理を容赦なく叩きつける「シラート」
久しぶりにとんでもない映画を観てしまった!
その映画とは「シラート」。
予告編で観て気になっていたのですが、どんな内容だか全く予想がつきませんでした。
そしてこれは予想の遥か彼方をいくとんでもない作品でした。
舞台はモロッコ。時代は現代あるいは近未来。明確にはされません。
これも物語の中で明確に提示されないのですが、どうやら世界的規模で紛争、あるいは戦争の危機が訪れているようです。
そんな中、モロッコの砂漠の中で、レイヴ・パーティーが行われています。砂漠に設置されたたくさんのスピーカーから大音量のテクノ・ミュージックが流れ、人々は自由にその音に身を委ねています。
そこへ場違いな感じの親子がやってきます。彼らは行方不明になった娘を探しにやって来たのでした。
内容について書けるのはここまで。あとは実際に観てください、としか言えません。
物語の展開がとにかく凄まじいです。予定調和をまったく受け付けないストーリーです。観終わったあと、ほとんどの人は愕然とするのではないでしょうか。
音楽、音響、映像のセンスが実に素晴らしかったです。
オープニングのレイヴ・シーンから始まり、全編に流れるカンディング・レイの楽曲が耳について離れません。
砂漠の荒野を疾走する3台の車の描写が本当にカッコいいです!「恐怖の報酬」と「マッドマックス」を掛け合わせて洗練させたような映像です。タイトルの「SIRAT」の入り方も最高でした。
しかしクライマックスの緊張感は半端ないです!久しぶりに手に汗握りながらスクリーンに目が釘付けでした。
人生に訪れる予期せぬ出来事の非情さ、不条理さを容赦なく描きながら、一筋の光も見えます。
間違いなく今年観るべき1本です。
ただし、十分に覚悟してから劇場に向かってください。
「たまがわBOOKフリマ」に出店します
6月20、21日に玉川高島屋S.C. 西館1Fアレーナホールで開催される「たまがわBOOKフリマ」に出店します。
フリマは2日間ありますが、僕が出店するのは21日の日曜日です。
シェア型書店・神保町の猫の本棚に「Books HIROKUMA」として棚を持っているので、今回は「Books HIROKUMA 二子玉川店」として参加します。
現在持っていく本を選書中です。掘り出し物があるかもです。
このイベントには、同じ神保町でシェア型書店を展開している「PASSAGE by ALLREVIEWS」さんも特別出店するそうです。
神保町を愛するもの同士、負けられません!!
やはりスター・ウォーズはスクリーンで観るに限る!「マンダロリアン&グローグー」
7年ぶりの劇場用新作となるSTRA WARS UNIVERSE の「マンダロリアン・グローグー」を観ました。
ディズニー+で配信されている「マンダロリアン」は全シーズン観ています。
スター・ウォーズのスピンオフはこれまでに数多く作られていますが、このシリーズがいちばん面白いと思います。
「エピソード6/ジェダイの帰還」の後の物語なので、メインシリーズのキャラは誰も登場せず、ライトセイバーでの闘いもありませんが、ちゃんとスター・ウォーズの世界観を継承しています。
主役のマンダロリアンとグローグーの関係性は、日本の「子連れ狼」からヒントを得ているそうです。確かにその雰囲気はあるのですが、僕はむしろシリーズ全編に漂うマカロニ・ウェスタンな雰囲気が気に入っています。マンダロリアンの賞金稼ぎという役どころはもちろん、ルドウィグ・コランソン作曲によるテーマ曲は、どことなくエンニオ・モリコーネを感じさせます。
今回の劇場用新作は、ディズニー+でのシリーズから続く物語ですが、シリーズを観ていなくても十分楽しめます。
物語自体のスケールは、メインシリーズよりも小さいですが、冒頭のAT-ATスノーウォーカーとの戦いや、クライマックスの空中戦など、往年のファンを満足させるシーンがいっぱいです。
マンダロリアンとグローグーの魅力はもちろん、今作ではメイン・シリーズでもお馴染みのナメクジの親玉みたいなジャバに注目です。ジャバの見方が変わる活躍を見せてくれ、驚かされます。
必ずしもディズニー+のシリーズを予習しておく必要はありませんが、「エピソード4/新たなる希望」のあるシーンはぜひ観ておいてください。それは、ミレニアム・ファルコンの中でハン・ソロ、チューバッカ、R2-D2、C-3POがモンスターチェスをしているシーン。このシーンをしっかり見ておくと、この新作のある場面がすごく楽しめます。
僕は公開2日目にTOHOシネマズ日比谷のIMAXで午後の回を観たのですが、最前列の一部を除き満席でした。スター・ウォーズが満席の観客で埋まるのは、ファンとしては嬉しいものです。大ヒットを願っています!
「声なき声」を読んでほしい!
「猫の本棚」の本を入れ替えました。
この本は今年の2月に刊行されたばかりの新刊です。
今年の2月に神保町の東京堂書店で、
ところが今年の4月にこの本の出版元が倒産!「声なき声」
そのことを小野寺さんのSNSで知り、
素敵なPOPも用意していただきました。
この本はウクライナ、
テレビや新聞、ネットの情報では伝わらない、
混迷する今の世界にあって、決して他人事ではない、
小野寺さんのご厚意で、
一般書店では入手できない本ですので、
これは、私たちの物語「サンキュー、チャック」
スティーヴン・キング原作の「サンキュー、チャック」を観ました。
キングの作品はホラー系と感動系の2つに分かれますが、この作品は感動系、それもかなりの傑作だと思います。
物語は3章から成りますが、3章から始まり、遡っていく構成になっています。
世界各地で大規模な災害が発生し、地球の終わりが近づいているようです。そんな中、街中やテレビの中に「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい39年間に、ありがとう、チャック」という広告が出現します。この広告は何なのか?チャールズ。クランツとは何者なのか?
こうしてチャールズ・クランツを巡る物語が始まります。
冒頭の第3章はいかにもキングらしい終末観漂う物語です。しかし、第2章に入ってから、思いもしなかった展開に引き込まれていきます。
これはチャールズ・クランツについての物語であると同時に、この映画を観ているすべての人々についての物語です。
人生は良いこともあれば悪こいこともある。むしろ悪いことの方が多いのかもしれません。
それでも、あの時は何事にも変え難い、という瞬間はきっと誰にでもあるのではないでしょうか?それは他人から見れば他愛のないことなのかもしれません。それでもその人にとってはかけがえの無い瞬間。そんな無名の人々の他愛のない、それでも宝物のような瞬間の積み重ねで、この世界はできているのかもしれません。
カール・セイガン博士(久しぶりにこの名前を聞きました!)の宇宙時計によれば、人類の歴史なんて、12月31日の最後の10秒に過ぎないそうです。そんな僅かな時間の中に、全人類のかけがえのない時間があるからこそ、人生は愛おしく貴重なのだと、この映画は訴えているのだと感じました。
とても多幸感にあふれた作品です。
ダンスシーンが本当に素晴らしい映画です。
観終わった後に、きっと誰かと語り合いたくなると思います。
暴力の連鎖に対する見事な問いかけ 「シンプル・アクシデント | 偶然」
第78回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した「シンプル・アクシデント | 偶然」を観ました。
イラン出身の映画作家の作品は、心して観るようにしています。昨年観た「聖なるイチジクの種」もそうですが、イランの体制を描いた作品は当局の検閲に合い、制作できないか、あるいは完成してもイラン国内で上映できないことがほとんどです。また制作に関わったスタッフや出演者は反政府活動に加担した罪により投獄されることもあります。
今作のジャファル・パナヒ監督も過去に2度、逮捕、投獄された経験があります。自由に映画を制作するためにイラン国外に活動の場を移す映画監督もいますが、パナヒ監督は一貫してイラン国内での制作にこだわってきました。これは大変な勇気と覚悟です。
この作品は、パナヒ監督の投獄経験をヒントに作られた作品です。
いわゆる復讐劇ですが、一筋縄ではいかない内容です。
かつてイラン当局に逮捕、投獄され拷問を受け、人生を台無しにされたワヒド。ある日、彼の働く自動車工場に、義足の男が故障した車を持ち込んできました。その義足の発する軋み音に、ワヒドは聞き覚えがありました。それは彼が投獄されていた時、拷問を行った執行官の男が義足で、その義足の発していた音とそっくりだったのです。
ワヒドはその男の自宅を突き止め、彼を誘拐し、人気の無い砂漠に連れ出し、彼を生き埋めにしようとします。しかし、命乞いをする男の声を聞いているうちに、果たしてこの男は本当に自分を拷問した執行官なのか?と疑問を感じ始めます。なぜなら、拷問されていた時、ワヒドはずっと目隠しをされていて、その男の顔を見ていなかったのです。
確信を持てなくなったワヒドは、同じ時期に投獄され、義足の執行官に拷問を受けた人たちに会い、自分が捕まえた男がその執行官なのかを確認させようとします。しかし彼らもワヒド同様目隠しをされて拷問を受けていたため、やはりその男が執行官なのかどうかわからないと言います。
そんな疑心暗鬼の中、捕えられた男の持っていた携帯電話が鳴ります。それは、彼らを予想もしない方向へと導くことになります・・・。
復讐劇ではありますが、かつて投獄された仲間同士で噛み合わないところがあり、ところどころでクスッと笑える場面もあります。
しかしクライマックス、捕えられた男とワヒド達が対峙しする場面は、すさまじい緊張感と迫力があり、最大の見せ場となっています。
自分たちを苦しめたと思える男をどうすべきなのか、それぞれの考え方は違います。同じような、あるいはそれ以上の苦しみを与えるべきだ、と言う者もいれば、そんなことをすれば彼らと同じ人間になってしまう、と言う者もいます。
小さな集団の復讐劇を描きながらも、そこで問われているのは、理不尽な暴力に遭った時、あなたはどうするのか?ということです。
それはパナヒ監督の祖国イランで行われていることに対する問いかけであると同時に、今この世界で行われている様々な理不尽な暴力に対するものでもあります。
それはパレスチナに対するイスラエルの暴力であり、ウクライナに対するロシアの暴力であり、アメリカがベネズエラやイランに対して行っている暴力です。
物語の最後、ワヒドは捕らえた男に対してある決断を下します。
それは暴力の連鎖を断ち切るものだったのか?それとも新たな暴力を生み出したのか?
ラストシーンは様々な解釈ができます。音が喚起する想像力の凄さに唸りました。映画史に残る見事な結末だと思います。





















