「エリザベート 1878」これまでのイメージを払しょくする、大胆で自由奔放な40歳の皇妃を描く | 『Pickup Cinema』

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2022年製作/114分/PG12/オーストリア・ルクセンブルク・ドイツ・フランス合作 監督:マリー・クロイツァー、出演:ビッキー・クリープス、フロリアン・タイヒトマイスター、カタリーナ・ローレンツ、マヌエル・ルバイ、フィネガン・オールドフィールド、コリン・モーガンほか 原題:Corsage 配給:トランスフォーマー、ミモザフィルムズ 劇場公開日 2023年8月25日★8月20日に試写で鑑賞。

19世紀末、「シシィ」の愛称で親しまれ、ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われたオーストリア皇妃エリザベート。

1877年のクリスマス・イヴに40歳の誕生日を迎えた彼女は、伝統を重んじる宮廷で、コルセットをきつく締め、厳格で形式的な公務をこなす日々に辟易としていた。

皇帝の希望もあり、ウィーンの象徴としてのイメージをなんとか維持しようとしたが、彼女は自由に自分らしく生きる道を選ぶ。

若い頃のような刺激を求め、夜の森を馬で疾走し、イングランドやバイエルンを旅し、かつての恋人や古い友人を訪ねる。次第に彼女の心は開放されていき、次々と大胆な挑戦をしていくのだが…。

日本でもミュージカルやアニメ作品で人気の皇妃エリザベート。これまでとは異なる大胆なストーリー展開に驚かされた。

これは「若さ」と「美しさ」だけが女性の存在価値とされていた時代に反抗し、アグレッシブに生きた皇妃の真の姿を描きだした意欲作と言える。

第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 最優秀演技賞を受賞。ヴィッキー・クリープスが演じる唯一無二のエリザベートの肖像と絶賛された。