(C)2020 映画「仮面病棟」製作委員会
2020年製作/114分/G/日本 監督:木村ひさし 出演:坂口健太郎。永野芽郁、内田理央、江口のりこ、大谷亮平、高嶋政伸ほか 配給:ワーナー・ブラザース映画 劇場公開日 2020年3月6日
コンビニを襲い、病院に立てこもる凶悪犯はピエロの仮面をかぶっている。その仮面の口元がゆがんでいるため、他のピエロのより不気味で怖い。物語も怖いのかと思いきや、ちょっと舌足らずで、まだあどけなさを感じさせる永野芽郁が犯罪に巻き込まれる薄幸のヒロインを演じているためか、どこか緩い感じ。突っ込みどころは色々あるが、終盤に進むにつれ、仮面病棟の意味がわかってくる…という仕掛けが面白い。
物語はー。
外科医の速水秀悟(坂口健太郎)は、先輩医師に頼まれ、ある晩、療養型の田所病院で当直をすることになる。
看護師(江口のりこ)からは「入院患者のほとんどが認知症患者や寝たきり患者なので、一晩中、何も起こりませんよ」と言われる。しかし、その数時間後、田所病院は恐怖の立てこもり事件に巻き込まれることになる。
犯人はピエロの仮面をかぶった男。コンビニ強盗をした後、女子大生の川崎瞳(永野芽郁)を銃で撃ち、田所病院にやってくる。男から瞳の傷を治すよう強要された速水は、使われていないはずの手術室で瞳の手術をすることに。
男はそのまま病院に籠城し、速水ら職員と64名の入院患者が人質となった。
速水と瞳は、鉄格子で閉鎖された病棟からなんとか脱出しようと試みるが、うまくいかない。そのうち、看護師や院長(高嶋政伸)の不可解な態度から病院に隠されたある秘密を知ることになる。
身元不明の患者たち。繰り返し行われていた真夜中の緊急手術。隠し部屋に横たわる重症患者。療養型病院のはずだった田所病院の本当の姿は?。そして、犯人の狙いは・・・。
真夜中の古めかしい病棟が舞台というだけで、次々と恐怖が襲ってくるようなイメージを抱きがち。しかし、実際は、主役の二人が病棟の謎を究明していくというミステリーの要素の方が強い。
ピエロの仮面をつけた犯人が想像していたほど狂暴でもなく、なぜ脱出できないのか?など、突っ込み所が随所にある少し残念な演出。しかし、物語の展開は面白く、気軽に観られる娯楽作品。
原作は、現役医師で作家の知念実希人によるベストセラー小説。
意味深なラストシーンに、あれこれと想像がふくらむ。