やっと七夕が終わった。
七夕は1年半位前に大嫌いな日になった。
朝勝手に涙が流れた。
私が小学4年生くらいになった頃から、私はお母さんのお父さんへの不満話の聞き役になった。
結婚してお父さんの仕事の都合で上京したからこっちにはなんでも話せるような友達もいなくて、兄は男で私は女だから言いやすかったんだろう。
会話のない家だったし、お父さんが私の前に現れる時は叱る時だけだったから、お父さんの悪口を聞かされても全く傷つかなかった。
でもいつも話の終わりは同じ。
私が「なら離婚した方がいいんじゃないの?」って言うとお母さんの答えはいつも
「この歳になって今から惨めなアパート暮らしなんてしたくない」
その時の私にはその理由がよくわからなかった。
でも何度もそれの繰り返しで子供ながらわかった。
お母さんは答えや解決策なんて求めてなかったんだ、ただ話したい、聞いてほしいだけなんだって。
今はそれで発散してたんだとわかる。
人は話すだけで気持ちが楽になるから。
私はそういう家庭で育ったからか、反面教師でお金や安定とかに価値を感じなくて愛がなにより大事なものだと思うようになった。
愛があればそれだけでいいって。
でもそれは反面教師だからだけじゃなく、実際生活で不自由しなかったからだとも思う。
親の価値観をそのまま受け継ぐ人もたくさんいる。
お金、学歴、地位=安定した生活
小学生の頃からの友達が、大人になって恋愛や結婚にそれを1番重要視する子がけっこういたから。
自慢気に「今度東大生と合コンする」と言う友達。
それを聞いた時羨ましいとか思わなかったけど、その子は相手は東大卒かはわからないけど、結婚して子供には恵まれなかった分、海外旅行にしょっちゅう行ってるとその子のお母さんづてに聞いた。
全てに満足できてはなくても、彼女はあの頃1番重要視していたセレブ婚ができたのかもしれない。
親友がお母さんの求める通りに看護の専門学校に行って、コンビニでアルバイトしていた時、その子はまだ誰とも付き合ったことがなくてそれをコンプレックスに感じてて、その子はそのコンビニで2人の大学生に好意を持った。
でもどうやら付き合える見込みはなかったみたいで、1度その子とそのコンビニに行った時、そこで働いてる1人の男性を見て、その子が早く彼氏がほしいのを知ってたし、その男性は普通にカッコいいと私は思ったから
「あの人はどうなの?」と言ったら
「あの人はフリーターだから」とその子は言った。
その子の重要視するところがそういうところとは知らなかったから意外だと思った。
大学生なら良くてフリーターはない。
自分もまだ学生で、その男性は今はフリーターでも、少し年上なだけでまだ若いし先はどうなるかわからないのにと思った。
結婚なんてまだ意識してなくても、将来性がその子の好きになる条件の1つ。
その子は看護士さんになって、30歳過ぎた頃も彼氏はできないままだったけど、看護士さんになった最初の頃はアワアワしてたけど、その頃にはすっかり落ち着いていて、休みは海外旅行に行ったり余裕のある生活をしていて、仕事を頑張ったことで自信がついて、昔の気の弱い感じはなくなっていた。
変わらず相手は欲しがってたけど、自分がしっかりした職業で自立してるから、前みたいな早く彼氏がほしい!って感じではなくなっていた。
昔からの友達ではなく若い時のバイト先で仲良くなった年上の女性は、結婚相手に求めるものがすごくわかりやすかった。
年収1000万以上の人って気持ちいいくらいにハッキリ言ったから。
そこまでお金にこだわるのにはなにか理由があるのかと思ったけど、普通の家庭で育ったみたいだから理由はわからない。
その人は前はコンパニオンをしていて、その時知り合った社長さんと婚約したから、コンパニオンを辞めてこのバイトに変えたそうで。
結局その婚約者さんは年収800万円で、妥協したと言ってたけど、猿みたいな可愛い人って嬉しそうに話してたから、好きだから元々の理想通りにはいかなくてもいいと思えたんだろうなって思った。
結婚式で初めてその方を見た時、彼女が綺麗な人だった分意外過ぎて、外見よりお金なのは確かだと失礼ながら思ってしまいました。ごめんなさい。
相手の人はバツ1で10歳以上年上だったからか、相手のご両親からすごく感謝されたそうで、結婚後もお義母さんと仲良くしてる話とか幸せそうだった。
年収のいい人、安定した生活
もちろんそれだけではないんだろうけど、それは愛みたいな形がなくて脆いものよりわかりやすい。
愛を1番に重要視するより、生きていくには賢い価値観だと今ようやくわかるようになった。
アパート暮らしが惨めとは思わないけど、お母さんは少なくともそれがあるからなにがあっても離婚はしようとしないんだと思う。
私達子供が大人になってそれぞれの暮らしをしてからも。
正解はないけど、愛に1番の価値観を置くなら結婚には向いていないのかもしれない。
私はもう結婚に憧れる子供じゃない。
愛ばかりを求めなければもっと上手くいきれたのかもしれないのに。
七夕を嫌いにならなかったかもしれないのに。