以前にも似たようなタイトルで書きましたが

最近のわたしの気持ちを書きます


性同一性障害の人のなかには

「心の性別に身体の性別を合わせる」

ために性別適合手術をします


一方で性同一性障害でないわたしは

外見はまったく“男性”にしか見えませんでした


では

“心”の方は女性だったのかというと

それも全然違いました


つまり

「女性として生きる」なんて目標はなく

「レディース服が似合うための外見を手に入れたい」

という欲求から始めました


なので

考え方・感じ方・立ち居振る舞い・言動が

女性らしかったわけではないです


あまりトランスジェンダーをご存知ない人が

「(MtFは)男性が好きだから

女性になりたいのかな?」

と勘違いされますが


性表現と性的指向とは別物です


ついでに言うと

・からだの性(戸籍などの性) :女性

・性自認(こころの性)          :男性→女性

・性的指向(好きになる性) :女性&男性

・性表現(表現する性)          :女性

です


なので

「レディース服が似合うための外見を手に入れたい」

と思ってからは

・減量

・脱毛

・肋骨矯正

・女性ホルモン接種

などをやって

外見的にかなり女性化していきました

自分でも

本当によくやったものだと思います


このような経過を経て

ある時点からいわゆる“フルタイム”

つまり女性の外見で常時行動する生活に入りました


幸いにも

そのときには会長にヘッドハンティングされて

女性だけ(数人だけでしたが)の会社に

転職したあとでしたので

社員全員に受け入れてもらえました


しかしながら

女性社会は一見すると開いているようですが

受けもらえてませんでした

いま思えばまだまだ“お客さん”でした


ただ

大きく変わったこともあります

外見は言わずもがなですが

内面=“心”の変化も変化しました


女性としての説得力を持つには

普通の女性以上に“女性”を強調する必要がありました


外見は女性化を初めて数年後からは

劇的に変化したということはないですが


フルタイム女装をすることで

さらに心理面が変化していきました


そして

性転換手術後は過度な女性らしさが抜け

より普通の女性に近づいていきました


望んだこととはいえ

これは必ずしもラクな方向に

向かう過程ではありませんでした


身体的・精神的・社会的に相当な負荷があり

普通を目指したはずが

ちっとも普通な暮らしではありませんでした


しかしながら

造膣してからは男性ともするようになり

安定感と余裕が生まれました


たぶん「普通の女性」は

みんなこの程度の安定感を持っているわけですし

竿がなくなった喜びと安心感が強くなり

何かと良し悪しを比べようという心は後退しました


面白いと思ったのは

社会的ポジションの変化とともに

心が女性に変わっていったことです


仕事や職場でのポジションによって

その人の置かれた立場が変わることはあります


まして性別という

普通は不変と思われているポジションを

移行したのですから尚更です


身体も変わるし

社会的性別も変わるのですが

心もそれと互いに響きあうように

変わりつつあります


最初にあったのは意気込みと意志です

これにより

身体・外見・社会生活が変化しました


そのあとに心が変わりつつあります

「性同一性障害」で一番話題になるあの「心」


つまり

わたしの性自認が女性に変わるのは

身体が変わったあとです


わたしの場合は

一番最後に遅れてやってきました


それがまさに今なんです


わたしは夫と結婚したことにより

さらに女性の心に近づいてます