正子は正夫に聞いた。
「それじゃ カウンセラーの先生、どんな相談ですか?」
「うん そうだな~ これはなんと言うか、学歴について悩んでるんだな、まぁ簡単に言えば、5年前に結婚した旦那がだ、本当は高卒なのに大学を出ていると嘘をついていた。ってことだな それが最近ばれて、この奥さんは旦那が嫌になってるってことだ!」
「へ~っ なんでそんな嘘ついたのかしら? それはご主人が悪いわね!」
と正子は簡単に言った。 まぁそうだが、と言いつつ、続けて正夫は手紙の一部を読んだ。
「子供も二人いるし気にしないようにしようと、自分の気持ちを治めて来たけれど。 嘘をつかれていたことがどうしても許せない。思い出すたびに腹が立つ。 この頃は主人の顔を見るのも嫌になって、どうしたらいいかわからなくなっています。こんなこと 誰にも話せないし愚痴も言えないから辛いです。人にばれるのは、もっと辛いんです。 私は主人の嘘を、どぉ受け止めたらいいでしょうか?教えてください。 智代さんには、このことは絶対言わないでください。って書いてあるぞ」
「あそ、わかった智代には言わないわ! でも 5年も分からなかったのに、なんで今頃ばれたのかしら?」
「そこだ! 旦那はばれてることを知らないらしい。 だけど俺はこの話を読んでいい旦那だと思ったけどな」
「嘘をついてるのに何でいい旦那なのよ?」
と聞かれ手紙を広げて正夫は言った。
「それは、3枚目のここに書いてある。この旦那が大学の入学前に父親の仕事がうまく行かず、やってた事業が失敗して倒産したから仕方なく、進学をあきらめて働いたってことだ。なっ いい旦那じゃないか! その話を姑から聞いたって書いてあるから、 姑は自分の息子が嘘をついてるとは思っていない、親の為に進学をあきらめた、やさしい子だって自慢したつもりだったんだろう。 母親ってのは余計な事を言うね~ まぁこれも仕方のないことだ、だがこの手紙を書いた人は、姑の話を聞いて、いい話だとは受け取れてない。ただ嘘をついたことが腹が立つってしょがないって言ってんだ。困ったもんだね~」
「じゃ どうするの? なんて言ってあげるの? お気楽なんて言ったって難しいでしょ! 私だったら一緒に悪口を言ってあげるわ、そしたら気が晴れるんじゃない。 どぉ?」
う~んと言って、正夫は腕を組んだ。
つづく