「ありがとう」には

「すごいね」の

 

 

何倍ものパワーがあるって

知っていましたか?

 

 

 

以前、あるイベントに

参加してくれた子どもで

ひどくおとなしい

小学4年生の男の子がいました。

 

 

彼はそこで料理に取り組み

ある料理人に認められたことが

キッカケで

大きな自信をつけました。

 

 

そして、そのことで

強い偏食があったのが

見事に直ったということが

ありました。 

 

 

 

私は彼の様子をずっと見ていて

彼が大きな自信をつけた

キッカケとなった一言が

あったと感じました。

 

 

それは、ある日の活動で

部屋に入ってきた彼に対する

料理人のこんな一言でした。 

 

 

「おお、よく来てくれたな!

 君がいないと困るんだ」

 

 

「君がいないと困る」

 


私はこの言葉が

彼の人生を変えたと

思っています。

 

 

 これは言い換えれば

 

 

「君はかけがえのない存在だ」

「いてくれてありがとう」

 

 

ということ。

 

 

 

大人でも

こんなに嬉しい言葉は

ありません。

 

 

家族や職場で

こんなふうに言ってもらいたくて

生きているようなものだと思います。

 

 

 

 ここで重要なキーワードは

 

 

「役割」です。

 

 

「役割がある」ということは

 つまり

「自分は必要とされている」

 ということ。

 

 

何かの役割をこなし

誰かに「ありがとう」と

感謝される。 

 

 

 

子どもが変化し

大きく伸びるキッカケは

 

 

こんなふうに役割があって

「まわりに認められた」という

経験だと実感しています。

 

 

 

私が小学校の頃の話です。

 

 

図工の時間に

粘土を使う授業がありました。

 

 

ひとしきり授業が終わり

片付けの時間になりました。

 

 

図工室の洗い場で

粘土に使ったお皿を

洗い終えたところで

先生が言いました。 

 

 

「小野木さんのお皿を見てください。

 使う前よりも

 きれいにしてくれました!」

 

 

この一言を

私はずっと覚えています。

 

 

「使う前よりきれいにした」

 

 

これが私にとっては

気持ちのいい

ピタッとくる言葉でした。 

 

 

 

自分が関わったことで

何かが良くなる。

 

 

 

そのとき少女だった私の心が

満たされ、同時に

晴れやかになるような感覚は

 

 

今の自分の中にも

しっかりと残っています。

 

 

 

粘土のお皿は

たまたま一場面だったかも

しれませんが

 

 

その日から私は

このことを意識するように

なりました。

 

 

 

「自分が関わって

 何かが良くなると嬉しい」

 

 

 

 この感覚は、子どもの

「ここにいていい」という感覚を

大きく伸ばすパワーがあります。

 

 

 

より具体的なアドバイス でいうと

 

 

小学生くらいの時期に

子どもの自己肯定感を

最も上げてくれるものの一つは

 

 

「お手伝い」

 

 

ではないかと考えます。

 

 

 

子どもに家のお手伝いをさせる親は

減っているようです。

 

 

これは、多くの子ども達が

塾や習い事で

既に多忙という現実も

影響しているかもしれません。

 

 

 

しかし

 

 

「朝、新聞を取りに行く」

「食事のときにお皿を並べる」 

「ペットに餌をやる係」

 

 

など、無理のない範囲でなら

家のお手伝いはできると思います。

 

 

 

できる範囲でお手伝いをさせる

というのは

 

 

子どもの自己肯定感を伸ばす上で

是非おすすめしたい方法の一つです。

 

 

 

 共働きの家庭も多く

「子どもに何か手伝わせると

 時間がかかる!」

という声も

聞こえてきそうですが

 

 

ここは少し辛抱です。

 

 

トレーニングをした子ども達は

いつか強い戦力になります。

 

 

その日を夢見て

子どもを家事に参加させましょう。

 

 

 

「すごいね!」

「よくやったね!」

 

 

といった純粋な褒め言葉は

時として結果や能力だけを

賞賛しているかのように

子どもが思い込むリスクもあります。

 

 

また、繰り返し使っていれば

マンネリに陥ることもあるでしょう。

 

 

しかし

 

 

「手伝ってくれてありがとう」

 

 

というメッセージには

優劣の価値判断はありません。

子どもが実際にしてくれたことへの

感謝です。

 

 

より深く心にしみるメッセージとして

響くと思います。