『ゆれる砂漠』 | hirokoーcloud9

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雑記・雑想・雑念


中一から中三まで、気管支喘息の発作が酷く、発作の出やすい、それぞれ足掛け三ヶ月くらいの期間、よく入院していた。
入院期間は病院から通学。
学校から戻った時間を用紙に記入し、看護師さんに印鑑をもらう義務があった為、友達と寄り道する事もなく、入部してたソフトテニス部も結局退部した。
それでも、友達がクレープを持ってお見舞いに来てくれたり、病棟が小児病棟だったので、同じ喘息の子や小児リウマチの子
、脳外科入院してる子達と、本や漫画の貸し借りをしたり、割と家にいるよりも楽しい入院ライフを送っていた。

父親が、何か本買ってこようか?と言ってくれたけれど、父親に漫画は頼みにくい。
適当にというと、小中向けの児童文庫や読みやすい小説を時々、買ってきてくれた。
(主にシャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパンとか、父親が少年時代読んでたもの中心に)


ある日、父が持ってきた児童書。
『ゆれる砂漠』
古代楼蘭が舞台の児童向けの作品。
奴隷として売られ、楼蘭にやってきた優しい12歳の少女と、勇敢で正義感のある14歳の楼蘭人の少年、その二人に慕われ、滅びゆく王国と運命を共にする18歳の楼蘭王妃。

この本に夢中になってしまい、楼蘭という古代の王国に憧れ、高校に上がってから、井上靖の『楼蘭』も読んでみた。

『ゆれる砂漠』の王妃は、
1934年、スウェーデンの探検家が、かつての楼蘭王国の墓から発見した若い女性のミイラ、
"砂漠の貴婦人"、"ロプ湖の女王"と称され、世界的に有名になった美しいミイラがモデル。


『ゆれる砂漠』は創作物語だけれど、楼蘭という王国を思う時、物語の中に登場する様な人々が生きていたかも…と、想像してしまう。

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・物語の中の食べ物「砂糖」
少女が地主に鞭で打たれている所に居合わせた少年は少女を助ける。
少年は少女に一欠片の砂糖をあげる。
ちょっぴりだが、サルピナのたのしみが、しあわせがそこにある。

(人間って、砂糖のひとかけらが、死ぬくらいうれしいときがあるのよ、チモーラ…)