うちは父がはやくに他界しているせいか、父の日の記憶があまりありません。
もちろん、ネクタイをあげたこともあるし、おつまみセットみたいのを買ったことも、肩たたき券も記憶にあるけど、沢山は経験がありません。


かわりに、お父さんの分まで頑張ってくれている、母の日に母にプレゼントをするのが定番。

東京で暮らしていた10年間も、
欠かさず
バックや財布、
ケンカをしていたとしても必ずお花は送る、、それが母の日。


今年も幸せな事に、
母の日である今日が、たまたまオフで、なんなら私の大好きな姉もお休みだったので、
母にカーネーションを渡してから
母と姉と私の3人で
ご飯を食べて、プレゼントを買いに行きました*


体を悪くしてから、急激におばあちゃんになってしまった母。
一緒に買い物なんてどれくらいぶりだろう?
杖をつきながら、一所懸命頑張って歩いて、ゆっくりゆっくり付き合ってくれました。

「去年は元気にケーズ電気に、精米機買いに行ったのにねー!」
なんて、笑ながら親子で買い物はとても楽しかったです。



今年のプレゼントは

『お掃除ロボット』

家の中を勝手にお掃除してくれる可愛いアイツです。

「これは楽ちんだー!」と
母は嬉しそうに
ロボットを充電させて
はやく動かないかなぁと
胸を躍らせていました。

去年よりずっと小さくなった背中は、まるで少女の様で愛らしかったです。



それから、、、
まぁ、家族会議と言うか、、
そうゆう話もしました(笑)


その時
うちはお父さんがいない方が長いけど
今もちゃんと生きてて
私たち家族を繋ぎまとめてくれているんだなぁと、強く実感しました。



あの時、頑張ってくれた母だから
絶対に1人にしない!

と、、
兄も姉も私も
心の中ではそんな風に思い抱けていると確信しました。



母は、世間では【高齢者】と言われる年齢にさしかかります。
もみじマークですよ。
なんだか変な感じです(笑)



体調良くなったり悪くなったり、
なんだか忙しそうな母。


夜になって
先日脚本演出家の方から頂いた、

獺祭

という、高級日本酒をちらつかせて


「お母さん、一杯飲まない?」

とそそのかして、
2人で1合だけ飲みました。

そんな中で、
ご先祖様や血筋の話、
知らない話を沢山してくれました。。


それはそれはとても興味深く、
とても面白い話でした。



立ち上がる時、体が痛そうで

こんちくしょー!
って言いながら立つと良いらしいのよ!と言いながら

こんちくしょーこんちくしょーと言っています(笑)


一時期よりはだいぶ良くなったけど、
薬が効いてるからだと思うと
なんとなく胸が苦しくなります。


当たり前にそこにあるものは
当たり前ではないから
当たり前にそこにあるものこそ
愛おしい世界


私はやっぱり、そんな風に思うんです。




ふいに母は言いました。
「もしかして、今日が母の日だからわざわざ帰って来てくれたの?」


一瞬ドキッとして

「わざわざではないよ。明日もこっちで予定あるし」

と言うと


「ヒロコが音楽をはじめた頃
お母さんに何かあっても、すぐに駆けつけてあげられないかもしれない。その時はごめんって言ってたのを思い出したわ。
お願いだから無理はしないでね。」


と母はしっかりとした目で私に話してくれました。



母さんよ、
私はね、
あなたに何かあった時
絶対にかけつけるからね!とは今も言えない


だけど


来年も再来年も、
十年後も二十年後も三十年後も
母の日に変わらず休みが取れるなら、
そばに居たいと思っているんです。



そんなだだっ子のような事を胸に抱き、溢れそうな涙と一緒に気持ちを飲み込んだ

32歳の母の日でした*